第百九話 始まった逃走劇?目指せミッションコンプリート!?
三話目。
あれ?千五百字越えた…まあいいか。
さて、俺の逃走劇が始まってしまったわけだが、状況を確認しよう。
範囲はとりあえず村の中。ハン…じゃなくて追っ手は三人。逃走するのは俺一人。
どっかの番組ではもう終盤、そうでなければ詰んだ状態だ。
だが、俺は逃げるわけには行かない。奴らが俺たちの世界に来るのはまだ良い。
だが、少なくとも俺がルーマになるところを見られるわけには行かないんだ。最悪俺が元の世界に戻った時ばらされかねないし、この世界でもそうなんじゃないか、と守にも疑いの目が来るからだ。それだけは避けなければならない。
とりあえず、すべき事は誰にも見られない場所であの石に触れることだ。光るから完全に誰もいないところにしなければなるまい。
光を遮ろうと障壁を使うと、そのまま消せない可能性だってある。そのため、光っても大丈夫なところにしないといけない。
めんどくせえなこれ。とにかく第一のミッションは人気の無いところを探せ、だな。
「見つけたぞ!」
とか考えてたらいきなりギーナに見つかった。
さて、まずはどうやって振り切るか…と、考えつつも逃げる。
あの番組と同じく、二回曲がり角を一気に曲がって、視界から外れれば何とかなるかもしれないな。
という訳で、早速曲がり角を曲がる。身体強化系の魔法を使って速く。
どうだ!これで…
「これで何とかなると思うなあああああああ!!」
何とかならなかった。そう言えば、ギーナも魔法使えたんだった。というか、天才だった。
あれ?これ詰んだ?
「待てええええええ!!」
「待てといって待つ奴が…あ。」
「おい!?急に止まるな!?ぶつかるっ!?」
走っているところを、通路いっぱいの障壁を出し、正面衝突させてみた。痛そうだ。
ちなみにこの道は狭く、今人はいないので、遠慮なく障壁を出せた。
「ほんじゃーなー。」
「くそおおおお!!」
俺はギーナを余裕?でやり過ごし、人気の無いところを再び探し始めた。
「…これでよし!」
数分後。俺はちょうどいいところを探し出し、石に触れ、女になった。
んで、逃げる途中また触れて男に戻ってはまずいので、機能を消す。これでこの石はただの石になった。
「さて、後は機能を付ける物を探して…」
「見つけたよ?」
次のミッションを確認していると、声がしたので振り返ると、そこには守がいた。
「さあ、覚悟してね?」
「いや、連れて行くのは良いんだが」
「問答無用!!」
守がこっちに向かって飛び掛ってくる。それを見た俺は目の前に障壁を出し、止めようとした。が、
「甘い!そうするのは分かってたよ!!」
その声が聞こえる前から俺は既に障壁の反対側に走っている。が、突然上から守が降って来て、俺の退路を塞ぐ。
しかも男じゃなかったので、そもそも障壁が出なかった。
「逃がさないよ?」
「くっ…」
俺は守の反対側に走ろうとしたが、その前に守に肩を掴まれた。
「これで逃げられないね。どうする?」
一体どうすれば良い…!追っ手に肩を掴まれた逃走者は、どうやってこの場を解決する?考えろ…
「オー!捕まえたみたいですナーハッハー!!」
フラルも来た。万事休すか…ん?そうだ。
「助けてください!この人、何だか人違いをしているようで…」
「え?」
「何デスト?…確かに、人違いみたいデース。守サン、しっかりして下サーイ。申し訳ありませんネー。」
「いえ、お気になさらず。」
「え!?いや、この人は…」
「ありがとうございました。では!」
「ちょっと待ってーーーーー!!」
俺は守の声を背中に受けながら、悠々とこの場を去った。これぞ、人違い作戦。
今の俺は元の男の姿ではない事を利用し、他人の振りをして逃げる作戦だ。
フッフッフ、残念だったな、守。俺の勝ちだ!!
さて、では機能を付ける物を探しますかね。
俺は次のミッションを遂行すべく、歩いていった。
「待ってーーーーーー!!!」
うん、何も聞こえない。
こんな時間に眠くなってくると言う不思議。
追記 何で女の守が障壁出してんだ…当然修正。




