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第九十八話 父さんは鬼畜?殺す気か!?

四話目で~す。

何か長いな今回…まあ、いいか。

追記 あれ?夕食じゃなくて昼食になってる…

ごめんなさい!!

「おい、守。覚悟は出来てるか?」

 

 リビングからいなくなったはずの守の父親の声が、玄関から聞こえてきた。

 

「…皆も行きましょう。」

 

「ああ。」

 

「ですね。」

 

 こうして全員、玄関へ移動していった。

 

「え?父さん?どうしたんです?なんでそんなに殺気と怒りがこもり過ぎて溢れてるみたいな感じになってるんですか?」

 

 移動している途中、守と守の父親の声が聞こえてくる。

 

「選べ。空に消えていくか、地獄のしごきに耐えるか…」

 

 この時点で、全員が玄関に到着した。

 一行が見たのは、外で守の胸倉を掴んでいる守の父親の姿と、胸倉を掴まれ、声も体もガタガタと震えている守の姿だった。

 

「え?ちょ、お、落ち着いて下さいよ父さん。そんなに殺気出されたら、丁寧語しか喋れないじゃないですか。」

 

「時間切れだ。答えを聞こうか…」

 

「え、ちょ、ちょっと待ってくださいよ、十秒だけでも良いんで…」

 

「…更に時間切れだ。お前は両方の罰を受ける事になる。」

 

「……え?嘘だろ?嘘だといってよ父さん。」

 

「残念ながら、本当だ。まずは、この場でも出来る、空に消えてった打ち上げ守からだ。」

 

「何ですかその罰ゲーム名は!?どこの夏ま」

「飛んで行けええええええええええええええ!!!!!」

 

「………へ?うわあああぁぁぁぁぁぁ………」

 

 守は、夏の空に消えていった。

 そして、守はそのまま帰ってこなかった。

 

「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああ!!!!!!」

 

 と、思ってたら帰ってきた。

 

「障壁いいいいいいいいいい!!!!」

 

 守が必死に叫ぶと、守の落下すると思われる場所に、黒いクッションのようなものが現れた。

 これは言わずもがな、クッションのように柔らかくした障壁である。

 

 ブヨン!

 

 守は何とか無事に着地し、難を逃れた。

 

「あなた様は自分の子供を殺す気ですか!?」

 

 守の必死の抗議も、怒りに怒った守の父親には全く届かない。

 

「まさか、そんな訳が無いだろう。ここで死なれたら明日の訓練が出来なくなっていたからな。」

 

「……俺の父さんって、こんなに鬼畜だったっけ?」

 

 守の疑問はごもっともである。

 この二人を除く、全員がそう思っていた。

 

 

 

 

 

 

「ご心配をおかけしてしまい、ほんっっっっとおぉぉぉぉに申し訳ありませんでした!!」

 

 ギーナの家のリビングで、守が全員に土下座していた。

 約一名以外は、もういいんじゃないかと思っているが、その約一名だけは違う。

 

「……本当に反省しているのか?」

 

「はい!当然です!」

 

 言うまでも無く、守の父親である。彼は土下座する守の前で仁王立ちをしている。

 

「………」

 

「……………」

 

 沈黙が流れる。

 

「…よし、いいぞ。」

 

「………へ?」

 

 守の父親の発言に、守はあっけに取られた。

 

「前回の二の舞を踏んだとはいえ、前よりもいなくなってた日数が短かったし、途中で手紙も送った。一応、前回の反省は少なからず生かされてたしな。

 もう、俺から言う事は無い。他の皆が許すなら、俺も許そう。…で、どうなんだ?皆?」

 

「「「「「「「「「「「「『許します。』」」」」」」」」」」」」

 

 最近ハモることが多い今日この頃。さすがにあの仕打ちを見てしまった全員が許さないはずも無く、異口同音に答えた。

 

「よし。じゃあ、これでこの話は終わりだ。もうこんな事が無いようにしろよ。皆、飯にするぞ。」

 

「父さん…!」

 

 守はようやく生きている実感を覚えた。

 

「あ、そうそう。地獄の特訓は、明日するぞ。ビシビシ鍛えてやるから覚悟しておけ。」

 

「へ?」

 

 生きている実感に感激したのも束の間。

 速攻で地獄に叩き落された守は、周りからの哀れむような視線も、この後の夕食の味も分からなかったそうな。

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