久しぶりの『お仕置き』
なんと言うか今回はあれですね。
自分の語彙の少なさを恨みましたよ。
------国立 特殊職業養成学校 校門前
今、俺は学校の前にきていた…………パジャマで。
着替えられなかった……いや、着替えさせてもらえなかったのが正しいな。
ちょーっとだけユナとイチャついてただけなのにノイさんにほっぽり出された。
嫉妬って奴かな。はははは……はぁ嬉しいけど嬉しくねぇ何でここで発動するかなぁ?
家に入れてくれないしおかげでガントレットも付けられなかった、あれないとまともに魔法使えないんだよな。
精霊は出せるけど魔法が使えない。呼び出し中は無防備になるからヤバいんだけど…なるようになるか。
「行ける俺は行ける大丈夫心配はない。よっし!んじゃ、肩の力抜いて、張り切って、だらけながら、堂々と行きましょうか」
なんでたかだか学校に登校するだけなのにこんなに覚悟が必要かって?
まぁ入れば分かるんじゃないかな、たぶん、きっと。
------教室 入り口前
先ほどと同じようにドアの前に立ち尽くしていた。
いやだって久々に登校したら学科が変えられてるとは思わないじゃん?何、≪対策学科≫って?
聞いた事ねぇよ、しらねェよ。
「開けちゃって……いいのか?」
赤くなった手を見ながら躊躇う。
赤くなった原因は返り血一択だが。だってさぁ襲ってくるなら返り討ちにあわせるしか無いじゃん?
つーかなんであいつら勝てないこと分かってて挑んでくんのかね?同じ学科の主席に敵うわけ無いだろう。それにさ仮にも≪魔物科≫なら自分の『配下』に拷問の訓練くらいしとけよ。
たかだか自分のお気に入りが壊されたぐらいで騒ぐなってんだよな。
大体挑んできたのあっちだし、逆恨みだよな。それに耐久度が無さ過ぎんだよ。
あれだけで壊れるとか、ユナより脆いんじゃねーの?泣き顔はブサイクだし。
何が言いたいのかというと、ユナの泣き顔が一番かわい……じゃなくてあいつらの血で汚れた手でドア汚していいのかなってことかな。
「いっか……しつれいしまぁす」
教室に入ると同時にざっと見まわす。まぁ目につくのは机の数だな。
五個ってどういう事だ。そいで中身が机以外教室じゃねぇ。なんだこの会議室みてぇなのは。
「あ~い。元何年何科氏名かを言え~」
なんかやる気なさそうな先生だな。
教卓的な机にだる~んって感じに突っ伏してるしよぉ。
「えっと?≪二年 魔物科 レン・セルヴェント≫です」
「レンねぇ~。うん確認おしまい。帰っていいよ用が出来たら連絡するから。あっ!あと入口付近にある課題の袋持って帰ってね。提出日は次の登校日だから」
「は、はぁ。わーりました」
「おーう。登校日は遅刻すんなよ~」
「失礼しましたー」
------西の洋館 談話室
意味わかんねぇ。今日何のために学校行ったんだよ。
そーいや課題ってなんだ?
ふと気になり机の上に置きっぱなしになっていた茶封筒に手を伸ばす。
「あん?これは……レポート?」
「ぅ…うぅん……れ…ポート?」
膝の上で抱きつきながらウトウトしていたノイが上を見上げながら訪ねる。
目がトロンとしていて小刻みに瞬きをしている。眠たいんだろうなぁ。
スリスリとすり寄ってきたり、スンスンと鼻を鳴らし執拗なまでに抱きしめてくる。
これは寝起きとか眠い時のノイの習慣だ。
普段も視力は悪いのに眠気があるとほとんど見えていないんだそうだ。
対象物が何かを見極めるために視力よりも頼りになる嗅覚に頼り鼻を鳴らし匂いを嗅ぐ……って教科書に書いてあった。
でも抱きしめるのは普通ないんだそうだ。
「そ、レポート。『配下』にした魔物のプロフィールとか、自分から見たときの印象やらをまとめて提出するんだと」
「ぅ?……ぷろふぃ?…よくわからない」
「別に分かんなくても生きてく上で必要無い事だし分かんなくてもいいよ。必要な事はぜーんぶ俺が教えてあげるから。ノイはそのまんまでいいんだよ。そのままのノイが俺は大好きだから」
課題の紙を一旦机に戻すとノイの頭をやさしく撫でる。
ぱっと手を離すとおずおずと頭を俺の胸に当てる。ノイがもっと撫でてほしい時の合図、これが可愛いんだよ。
「ぅん……レンが好きでいてくれるなら………私は…このままでいる」
「俺の事好き?」
「………ぅん……大好き」
「嬉しい事言ってくれるじゃん」
「私がレンの事好きだと………レン…うれしい?」
「あぁ、もちろん」
「…………どうして?」
どうにも答えにくい質問に対しどう返答しようか考えていると談話室の扉が開き、パタパタとユナが走ってくる。
走んなよ…この部屋あんま広くないんだから一般家庭のリビング位なのに。
「レン~、誰か来たんだけど」
誰か来た?そんな予定は無かったはずなんだがでも心当たりが完全に無いって訳でもない。
だいたいまず、ここに来る奴自体限られてるからな。あれから三日たったし大方あいつだろう。
訪問者に大体の予測を付けて入口へ向かう。
------屋敷 入口
「きちゃった、てへっ☆ミ」
荷物が詰まっているであろうパンパンに膨らんだバッグを地面に置き小首をかしげるシエル。
こつんと片手で軽く頭を叩いているがあざといというかもう哀れな感じしかしない。
ま、当然と言えば当然予想は的中だ。こいつには堪え性が無いらしい。
「てへじゃねーてへじゃ。一週間後に迎え行くっつたろ?」
こいつが待ちきれなくなって来ることは分かっていたがあえてそんな事を言う。
普段でも言いつけを二週間立たずに放棄するような奴が、舞いあがっているときに言われた言いつけを守れるはずがないだろう。
三日ならギリギリセーフだったかもしれないが、それじゃあ面白くない。主に俺が。
色々理由づけを出来る条件がそろっているんだから、利用しないなんてもったいないだろ?
『お仕置き』でも『調教』でも何でもいいから俺が楽しめるならその努力を俺は惜しまない。
「だって待ち切れなかったんだもん」
「待ちきれないってお前なぁ……」
「いいでしょ~?大体三日も待てたことが奇跡なんだよ?」
「お前の奇跡の基準が低すぎる。その程度の奇跡子供でも日常茶飯事だわ」
「気にしない気にしない。とりあえず開いてる部屋一つもらっていいかな?いいよね?ありがと~」
返答を待たずにまくし立て荷物を持ち俺の横を通り過ぎていく。
俺は最早物理法則を無視した勢いで振り向きシエルの目を隠し、転ばせ、担ぎあげる。
体の全身、主に腕と足に激痛が走る。勿論原因は筋肉痛。
まぁどれだけ痛くても我慢しよう。このあと俺が楽しめるなら。
------一階 隠し部屋
「ふーっ……ふーっ…ふぅー」
うーん。ギャグボールってはめるだけでなんかずいぶんとイケナイ事してるみたいだな。
いやまぁ、もともとイケナイ事するために作られたものなんだが……。
つーかそんな事はどうでもいい、ホントどうでもいい。
今はこの
・椅子にくくり付け
・目隠し
・ギャグボール装着済み
という、SMの基本三つが入ったシエルをどういじるかを考えるんだ。
さすがにこの状態で行為に移るのはまだ早すぎるから除外だろ、ってなるとセリアにやってるぐらいの事もしくは、それよりちょっと上くらいでいいか?
いや、ギリギリのラインを探るために徐々に攻めを強くしてくのも面白そうだな。
とりあえず、オーソドックスに『言葉責め』からかな。
「なぁ、お前さぁもう子供じゃないのにこんなによだれ垂らして恥ずかしくないの?」
口の端に伝っているよだれを人差し指ですくい取り、それをシエル自身の頬に擦り付ける。
あっ、勿論ガントレットは付けてないよ?『素手』でやってるよ?
誰に説明してんだ俺は……。
「!?んーっ!んんっ!」
「そんな首振ったって垂れてんのは事実だろ?つーか、よだれ飛ぶから首振んな。よだれも満足に制御出来ないなんて、だらしなさすぎるよな」
「んーっ!!んんんっ!んんーっ!!」
「ちゃんと言葉喋れよ。言葉も満足に話せねーのか?ほら、ちゃんと答えろよ。ちゃんとした言葉で」
「…………」
「急にだんまりか。それじゃこっから絶対に声出すなよ。何されても」
「!?」
ガタッと椅子ごと体を揺らし驚くがそんなことお構いなしにシエルの服に手を差し込む。
ダボダボの服だから下からでも上からでも余裕で入る。まだ下からしか入れないけどな。
服の裾を少しまくりながら手を差し込み腹を撫でまわす。
時折指の腹で軽くへその周りにぐるりと円を描く。
「っ!……!っ!!」
「必死に声我慢してるな。なに?腹撫でられて感じてんの?言葉も満足に喋れないのに?さすが変態は格が違うなぁ」
耳元で嘲りの言葉をささやきながら、徐々に徐々に撫でる位置を上に上げていく。
そしてまたささやくときには下に戻しへその周りを撫でる。
これを繰り返し、今では下乳が見えている。もう脱げよって感じになってる。
始めたころはまだ普通だったシエルの様子も今ではよだれをさらに垂らし、頬を赤く染め、体をピクンピクン痙攣させている。
レポートの描く事が増えたな。こいつの性感帯に腹を追加だな。
「んっ!!」
「いま声上げたよな?これは『お仕置き』の項目一つ追加かな?とりあえず意思疎通できないしそれ外すぞ?」
前からシエルの頭の後ろに手を回しギャグボールを外す。
ゴムで固定してるからあくまでもシエルの髪を傷つけないように慎重に外す。
「ぷはぁっ!はぁー、はぁー、はぁー…………ふぅ」
「シエル。こっち向け」
「ほぇ?」
ぽかんと口を開けて俺を見上げるシエル。
可愛くてたまらない。やっぱり息苦しかったのか、サイズが合わずに痛かったのかは分からないが少し涙を流している所がいい。
「なぁ、シエル。今までのされてた事が俺じゃない誰か別の奴の仕業だったらどうする?」
「え?……レンでしょ?」
「さぁ?知りたかったら目隠し取ってみれば?まぁ何が目に入っても知らないけどさ。もう呪文唱えられるだろ?」
いつものこいつならこの程度の嘘すぐに見破るが、目隠しされていて酸欠でぼーっとした頭のこいつじゃこの程度の嘘で十分な揺さぶりになる。
『見えていない』この事実だけでどんな生物でも恐怖心を抱くものだ。
その恐怖心に、嘘を捻じ込む。まぁどうなるかの実験だな。
「レンだったでしょ?」
「…………」
無言で立ち尽くす。ように見せかけてしゃがみこみ地面に魔法陣を描く。シエルが何やらまくし立てているから書いている音に気が付かない様だ。
何の魔法の魔方陣か、それは音声変換。かなり低めのおっさん臭い声に変える。
「ねぇ、なんか答えてよぉ。ねぇってばぁ」
「…………」
描き終わった。次の質問には演技で答えてみよう。
あくまでもさっきまでの行為を俺じゃない『誰か』がやっていたかのように。
その『誰か』になりきる。
「ねぇ、どうだったのぉ?レンだったんでしょ?」
「あぁ」
「え?…だ、だれ?」
「戻っちまったか」
思ってた以上に低い声。普段の俺とは似ても似つかないほど違う。
これならちょっといつもと喋り方変えれば声だけは完全に別人だろ。
「まぁ、戻ったら好きにして良いって言われてるからな。こっちとしては万々歳か」
「え?ちょっと?だれなの?」
「言ったってわかりゃしねぇよ。それに分かんなくたっておめぇにゃ関係ねぇ」
普段はあまり触らない下半身を撫でながら言う。
なりきるなら行動もいつもと違くしねぇとばれるかもしれないしな。
「あ、や…やっ!触らないで!」
「さっきまであんなに触られて悦んでた癖によぉ。あの優男の言った通りってか」
「やぁ、ヤダ…いや」
「何が嫌だ。声が一緒なら誰にでも股開くって言ってたが。目隠しするだけでここまでとは思わなかったぜ」
「いやだぁ…レン、いないの?」
「あいつならお前縛り付けて早々にどっか行ったよ。なんでも『お仕置き』だとか言って。まぁこうやって金も払わねぇでおめぇ見てぇな上玉とヤれるだけで俺としちゃ十分だから知ったこっちゃねぇけどな」
触り方を撫でるというより、揉むに変更する。これも普段ならあまりやらない。
相変わらず肉があってムニムニしてる。
「やっ!!いや!!やだぁ!」
「暴れんなよ。こっちは一応依頼の形だからこうやって優しくしてやってんのによぉ。あんまり暴れんなら無理やりヤッちまうぞ」
脅しかけるようにそう告げる。
ガタガタと椅子ごと体を揺らし抵抗していたがピタリと動くのをやめる。
少し間を置いてから小刻みに体が震し、蚊の鳴くような声で懇願する。
「おねがいですから……やめ…てください。そうい…う事以外な…ら何でもしますから」
所々押し殺した泣き声が入り途切れる。
そろそろいいかな。十分楽しんだし、『お仕置き』にもなっただろう、たぶん。
魔法陣から踏み出てそっとシエルの耳に口を近づける。
「じゃあ、やめようか」
「ふぇ?れ、ん?」
スッと身を引くのと同時に目隠しを取り外す。
隠し部屋っと言っても決して暗くは無いこの部屋の照明に瞬きを数回繰り返した後こちらを見る。
「どう?俺の演技うまかったろ?」
「う、うぇ…うわぁぁぁぁん!!怖かったよぅ!」
「まぁ怖がってもらわないと、一応俺の趣味とはいえ『お仕置き』なわけだし」
シエルの腕の拘束を解きながらそう告げる。
ホントはこれじたばたすればその内取れるくらいの強さで結んだんだけどな。
ここまでシエルの筋力が無いとは思わなかった。
足の拘束が取れるとすぐさま飛びついてくる。
「うぅ…グズッ……ホントにこわがっだんだから」
「分かった分かった。でも、今回は俺の演技だったけど、今後何度も言いつけを守れない様だったら今回のシチュエーションを俺以外の別の誰かでやるからな」
「しょれはやだぁ……ぜったいにぃやだぁ」
「じゃあ、言いつけは守れ」
「わかった、わがった」
「よし。今回の『お仕置き』はこれで終了。あと俺の服で鼻水拭くな涙なら大歓迎だが。そして離れろ」
それから十分間ぐらい離れなかった。
そのまま談話室に帰ったらノイが「……こあら?」とつぶやいた。ノイちゃんと動物は知ってるんだな。




