その9
勢いって凄い。オレの携帯成仏してくれ。
池に向かって手を合わしてみる。目の端にゴミ捨てるな!!とかいう看板が見えたような気がする……た、たぶん気のせい。
これからどうしよう。つか、ここ何処だ!!
ぼ~と歩いてきたから、場所が分からない。
学校の周辺だと思うが……オレ迷子になってるよ。
携帯がないから時間もわからない……こんなとこに影響出るとは!!
まずは公園を出よう。そして目標は駅だね、オレはカンで駅はこっちだと思い歩き出した。
歩いていると、スーツの人やOL風の人とすれ違う。昼休みか?
はぁ~格好悪い感じするが道きくか、歩いてるスーツ姿の兄ちゃんに声をかける。
「すみません」
「ん?」
何か不思議そうな目で見られた。オレ制服姿だよ……忘れてた。
駅の事を尋ねると意外と近い事が判明した。オレのカンは当たってた何か嬉しい。お礼を言って別れる。
駅まで歩く、でもどうしよう?
今日は自分の家に帰りたくない。まあ家じゃなくて会いたくないんだけど。
怖い……やば、また気持ち悪くなってきた。オレって弱かったんだな。
駅に着いたが行く場もなくベンチに座って休む。ぼ~と何も考えずに座っているといつの間にか周りが少し暗くなってきた。今日のオレはヤバいかも。
そんな時……
「原君?」
オレを呼ぶ声が聴こえた。げ、幻聴……じゃなかった……。
目の前に金城が立っていた。