その5
授業が終わるとオレは部室に向かう。今日は練習できるよ。
ドアを開けて部室に入ると全員揃っていた。オレが一番遅かったようだ……って、ん? あれ1人多い何で黒川がいるんだ。
「ケイゴなんで黒川いるんだよ」
「けいごにきかないで、私に直接きけば良いじゃない」
ビックリした。めちゃくちゃ黒川が喋っている。
あれ? オレしかビックリしてないし……気を取り直して。
「じゃあきくけど、なんでいるの?」
「暇つぶし」
「……」
焦り気味にケイゴが説明しだした。
「今日一緒に帰ろうと思って、黒川部活やってないから誘ってみた。まずかったか?」
「いやいいけど……」
「原君て結構ケチだね」
オレのはっきりしない答えが気に触ったらしい。この毒舌の人は誰ですか……。
「居て良い。見学大歓迎!!」
オレはやけくそ気味に言い直した。
つか、さっきからニヤニヤ笑ってるつるちゃんがむかつく。
くそ~このポジションはケイゴだったはずだ。
「練習しよう」
絶妙なタイミングで久志が言う。
久志の声を合図に俺たちは練習する事にした。
今回、曲を作る順番だったケイゴが結構良い曲を作ってきた。タイトルは「discipline」だという読みは「ディシプリン」だ。
最後の3文字が気になる。由来には触れない事にした。
演奏していると時間を忘れる。いつの間にか下校時間になっていた。
最後につるちゃんと2人でさんざんケイゴをいじめ。ふ、サボるのが悪い。
そして、俺たちはいつも通りバラバラに帰る事にした……約2名はもちろん一緒に帰るようですよ。