その4
次の日の朝、学校に来ると次々と俺の所へ「高橋啓吾」情報が飛び込んできた。
なんだかんだで上手くやったらしい……この情報でいじめたる。
ケイゴと黒川が一緒に教室に入ってきた。教室がざわめく。オレも少しビックリだ。
ケイゴは皆に挨拶しながら自分の席に座った。昨日あんな事あったのに全然気にしてないし……黒川は自分の席で本を読み出した。いつもの態勢だ。2人揃って凄い!!
オレはケイゴをいじめる為にケイゴの席へ向かった。
「同伴出勤?ご苦労」
「うぁ~なにそのイヤラシ~言い方」
核心を突いてみる。
「付き合う事になったのか?」
「べ、別に言いだろ」
まだらしい。心の中で思うさっさと決めろよ。
「さっさと決めろよ」
つい声に出してしまった。
「うるせ~」
「わかったよ。2人乗りで来たとか情報があったからついな」
「……」
「まあ授業始まるしこの辺にしとく、部活の時が楽しみだ」
「……」
オレはにやりと笑い、絶句しているケイゴを置いて自分の席に戻った。
昨日のイライラがスッキリした。
自分の席に座ると誰かの視線を感じる、その方向を見ると工藤だった。
目が合うとわざとらしく目をそらす。なんなんだ昨日から。