表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/15

その10

 

 目の前に立っている金城は私服だった。

「何でいるの?」

「それはこっちのセリフだよ」

「金城の家この辺なの?」

「違うけど、原君も違うよね」

「サボりか?」

「原君も?」

 オレは笑いながら言う。

「仲間発見だな」

「そうだね」

 同意の声に力がない。


 金城は、昨日学校休んでたと思う。今日も休んだのか?

 何だか元気が無さげだ。

「顔色悪いけど大丈夫?」

 逆に心配されてしまった。

「まあまあ」

 どう言えば良いだ? 金城と工藤は友達っぽいしな~。


 駅の方を見ながら少しそわそわしながら金城が言った。

「私は家に帰るんだけど」

「あ、そうなんだ。さっきも言ったけど家どこなの?」

「高校の近くだよ結構、だから隣の駅で降りるよ」

 もうすぐ下校時間なのか?まだクラスのやつとは会いたくないのかな。

 あれ? 何でオレに声かけたんだ??

「オレも一緒に帰っていい?」

 オレは今一人でいるのがいやだった。

「え、いいよ」

 金城は少し驚いているようだ。ちゃんと話をしたの今日が初めてだと思う。そりゃビックリするよな。


 オレたちは一緒に電車へ乗ることにした。

 電車の中では、何を話していいのかわからず2人で黙って座っていた。

 でもすぐに金城が降りる駅に着く、オレも使っている高校の近くの駅だ。

「原君じゃあ私降りるから」

 そう言うとホームに降りて行く。オレも金城についてホームを降りる。

「え! 何で降りてんの? あ~あ~」

 電車のドアが閉まって発車してしまった。

「原君の家ってもっと先立ったと思うんだけど違った? どうすんのよ!!」

「……」

 どう答えようか……。

「どうしたの? あ、高校に用あるとか?」

 なかなか良い予想だね。でも高校は行くのはさすがに無理だよ。

「一人になりたくなかったもので」

 オレの予想外の行動について、う~と理由を考えている金城の姿が可愛くいて……つい、さらっと本音を言ってしまった。

「うぁ。意外だ」

「は?」

「原君でもそういう事言うんだ」

「……」

 金城が嬉しそう言う。

「しょうがないな~おねいさんが一緒にいてあげるよ」

 何となく腹立つ、けど反論する元気がない。

「じゃあよろしく」

「うぁ~凄いよ」

「え? 何が凄いの?」

「何でもない。ホームにいてもしょうがないからまずは駅出よう」


 話そらしたのバレバレだから、なに照れてんだか。

 オレは先に歩き出した金城を追いかけるように歩き出した。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ