勇者①
何故、ヤマザキは勇者になったのか。明かされます。二話目だけど。
勇者もとい山崎田中は茨城県に生まれた。彼の両親が酒の勢いで付けたのかという名前によって虐められるときもあった。名前は憎んでいても両親は憎まなかった。
そんな彼だが、サラリーマンになり昼休憩で何処かで昼食を取ろうとしたところ、足元にいきなりまばゆい光とともに魔法陣が現れ異世界へ連れて行かれた。
「うわああああああ」
「…ん…うん?どこだここ?」
自分を囲むようにして老人たちが天を仰いでいる老人は口々に「この世に来てくださった。ありがたや~ありがたや~」とブツブツいっている。
「何だこいつら?頭おかしいのか?そもそも何処なんだよここぉぉぉ!!」
「うるさあぁぁい!」
ここにいる老人とは違うまだ若い声が何処からか聞こえる。
ふと冷静になって周りを見渡してみるとこれまた自分を囲むようにして篝火がつけられている。壁は石?レンガ?作りで、下にはこの世界に送られてきた時の魔法陣。まるで異世界転生だ。
すると、後ろから声をかけられた。
「貴様が新しく召喚された勇者だな?ふむ、名はモブっぽいからモブ勇者でいいじゃろ。」
振り返ると、そこには中年小太りの男性が立っていた。周りの人と違うところから、まぁ良くて王様くらいだろう。そして、会って早々すごい悪口を言われたような気がするがまぁいい。とりあえずここについて聞くとしよう。
「ここは一体何処ですか?何故私が呼ばれたのでしょうか?」
「ん?何故と言われるとなぁ、、適当に召喚しているからワシには分からん。」頬をポリポリと掻く。
「ここはチュヌ王国の地下じゃ。人前で召喚するわけにもいかんからな。」
うーん、元の世界に帰れるだろうか。
「てか勇者?何で勇者なんですか?あと、もっといい名前あったでしょ。」
「うるさい!自分の顔を見てから言え!」
囲んでいた1人の老人が鏡を出して見せてきた。そこには何の特徴もない顔がある。
久々に自分の顔を見たな。
鏡に写る自分をみて、確かにこれならモブだな。と納得していた。
「あ、そうだそうだ。貴様にはこの先魔王を退治に行ってもらうからな。」
「え?せめてお金やら装備やらくれますよね?」
「当たり前じゃろ。取り敢えずわしの部屋に来い。」そのまま立ち去って行った。
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