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18 ドワーフの超絶美人姉妹。



 紹介されたドワーフさんたちは、すぐにラーソンさんのお店に来てくれた。

 ラーソンさんを頼って来ているとはいえ年頃の娘さんたちだから、ラーソンさんは気をつかってご近所にお宿をとってあげていたそうで。


 そのドワーフの姉妹はダイアとサフィアと紹介された。

「よろしく、ダイアです」

「妹のサフィアだよ」


 二人ともラーソンさんの一族にはよくあるという赤味ある濃茶の髪に黒い瞳――そして素晴らしい筋肉。


 ここでドワーフたちの美の基準を。


 細工や工芸品、武具に施す装飾の燦めきや美々しさは当たり前、それはまた前提として。


 ドワーフという種の持つ美しさ、とは。


 それはどれだけ鍛え抜いた身体であるかどうかが、まず。

 それは男女問わず。

 美しい作品を作る彼らは、自らの肉体すらも鍛え作りあげるのだ。まぁ、鍛冶のハンマーを振り回したり、重たい鉱物を運んでいたら自然と鍛えられもし。その筋肉は働き者の証でもある。


 ここでドワーフの世において絶世の美女であるダイア嬢をご紹介しよう。


 小山のように盛り上がった肩、そして腕、続く滑らかに太ましい首。そこらの木なら軽く蹴り倒せそうなまた太ましい太もも、そしてはち切れんばかりの悩ましいふくらはぎ。しかしながら腰は引き締まりくびれ、割れているのは当たり前。

 美しい――肉体美。


 しかしながら気は優しく慎ましく。長い前髪により隠れがちだが切れ長で涼やかな瞳はまた黒曜石のよう。だからダイア嬢は求婚者がたくさんいた。

 あ、目隠れはドワーフさんには多い。ラーソンさんは客商売だから短くしているけれども。


「だから姉さまは、隣の部族の長の息子につきまとわれて」

 サフィアは許しがたいとプンスコ。そんな彼女もなかなか、ドワーフ世界の同じく美人である。ダイアは長い髪を緩やかに波打たせて背に流しているが、サフィアは少しばかりボーイッシュ。前髪は同じく目隠れだが、後ろはクセのある髪を短くしている。彼女の瞳は少しばかり青みがあるのだとか。結局は隠れて見えないが。

「私、ああいうタイプは、ちょっと……」

 ダイア嬢が美しすぎたがために増えていく求婚者。

 その中のひとりが隣の部族長の息子。

 ちょっと性格に難ありな俺様我が儘ジャイアンタイプだったらしい。ダイア嬢は「俺の嫁になれ」と壁ドンされたときに「うへぇ」とドン引きの方をしてしまい――思わずハッ倒してしまったらしい。地面の方にドンとめり込ませてしまったほどに。床ドンならぬ大地ドン。


 そうして部族間の抗争には――まぁ、ドラ息子が悪いとわかりきっているのでならなかったが、居心地が悪くなったのは確か。ドラ息子ではあるが、彼もドワーフ世界では中々の美形に入り、彼のようなタイプを好む女子もいたりして。

 ダイア嬢は美しさも嫉まれ、またその出来事でもこそこそ言われたりして。

「それは居づらいて……」

 ラーソンさんも改めて聞いて、そして四人は頷いた。何ともはや。

 だから従兄弟が遠いこの国にいた彼女らの父は、いっそのこと、娘も違う場所の方が生きやすいのではないかと――ラーソンさんに連絡をとってくれたのだ。

 ちなみにラーソンさんは一族とちゃんと仲が良い。別に喧嘩別れしてきたわけでなかったし、店で扱うのもまた一族の作品だ。

 サフィアはダイアを心配し、同じくドワーフの国を出てきたのだ。まったく悪くない姉が――ドンしたけど。先に手を出したのは相手だし――どうして国を出なければならないのか、と……また怒りはあるが。だからこそ、陰口を言う奴らのところに残りたくなかったのもある。

 姉妹の仲良いのはまた善哉。


 そうして国を出てきた姉妹は絶賛職探し中。

「鍛冶場があれば良いのですけれど」

 二人は当然、ドワーフとして武具や細工作品を造る技能持ち。

「僕の工房は小さいからなぁ」

 ラーソンさんのところは、彼の趣味な工房だ。本格的な鍛冶は無理である。

「まぁ、まずは何でもやるよ」

 ボーイッシュなのは外見だけで無く、話し方もなかなかさっぱりしているサフィアは「お館の配管や修繕のお仕事なんですけど……」と、恐縮するリラに笑って頷いた。

「そんなの、アタシらには赤子の手をひねるようなもんさ」


 なるほど――と、よろしくと握手をしたリラは、そして姉妹たちは、通じあった。


 その筋肉や、良し――!


「あなたも人間にしてはなかなか」

「光栄です」



 しかしそんなドワーフ美人姉妹にも。

「え……二時間も歩くの?」

 ……それはまた、ドン引きされた。






 他所様のドワーフ設定はわかりませんが、当方の世界のドワーフたちはこう、です。

 ダイア嬢は人間換算は18くらい。サフィア嬢は15くらいかな、と今のところイメージしてます。ナイスバルク!

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