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[human]  作者: 和泉龍一郎
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あとがき


 最後までお読みいただき、誠にありがとうございます。

 あとがきから読むという方は、また後でお会い出来たら嬉しいです。


 こんにちは。

 和泉龍一郎です。


 無事にこの作品の発表が出来て、とても安堵しております。


 面白かった、つまらなかった等、どのような言葉も歓迎します。

 皆様の率直な感想をいただければ幸いです。


 どうか今後とも応援のほどよろしくお願いいたします。


      ●


 さて、ここでこの作品が生まれた経緯についてご説明したいと思います。


 皆様は『優生思想』という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

 これは簡単に言いますと「身体的、精神的に秀でた能力を有する者の遺伝子を保護し、逆にこれらの能力に劣っている者の遺伝子を排除して、優秀な人類を後世に遺そうという思想」(ウィクショナリーより引用)のことです。


 なかなか尖った思想ですね。

 この思想が折に触れて、世のなかを騒がせたりしますね。


 私の意見を述べます。

 優生思想は個人的に楽しむ分には構わないと思いますが、それを社会に押し付け始めると、途端に矛盾を孕んだ凶悪な思想になると思います。


 何の生産性もない祐介のような人間は、この思想に則れば真っ先に死ぬべき存在です。

 近年そのような思想に基づいて行われた凄惨な事件がありました。


 もちろん批判の声も多かったですが、一方で犯人を支持する声も少なからずありました。


 わかりました。いいでしょう。祐介のような人間を全員殺しました。

 これで溜飲が少しは下がったでしょうか。

 めでたしめでたし。


 しかしそれで終わるはずがありません。


 では──次は?

 そう考えるのが人間という生き物だからです。


 介護されるだけの寝たきり老人。これも生産性がないですね。なので殺します。

 次は生活保護をもらっている人間でしょうか。これも生産性がないので殺します。

 次はニートや引きこもりでしょうか。ううん、子どものいない専業主婦もいいですね。


 そう考えると、いつ自分が『生産性がない』ことによって殺されるか、気が気じゃないと思います。


 誰にだって生きる権利はあります。それを守ることは自分を守ることにも繋がります。


 会社や学校を辞めた瞬間に殺されるような社会にしたいですか?


 今回の小説はそんな想いから生まれました。


 ある人間が生まれてきたことが間違いだったなんて、どこの誰に言えますか?

 作中で達也は言います。「それをお前が決めるな」と。


 人の価値を勝手に決められるほど、我々は価値ある人間でしょうか?

 我々はもう少し身の程を知るべきだと思います。


      ●


 前作のあとがきにおいて、昨年からうつ病になったことを明かしましたが、周囲の理解もあり、症状は回復に向かっております。


 まだ本調子というわけではありませんが、未来には希望のようなものがあると、また思えてきました。


 今後は少しずつ自分に出来ることをし、社会復帰を目指したいと考えています。


 いつ誰が、どこで、どうなるか。

 それは誰にもわかりません。


 我々は常に、生きている途中なのですから。


 生きていれば多分いいことありますよ、という想いが、一人でも多くの方に届くことを願っております。


      ●


 本作の執筆におきましては、東田直樹氏の一連の著作に非常に多くの知見をいただきました。この場を借りて深く感謝いたします。


 では、また次の作品でお会いしましょう!

 お読みいただき、本当にありがとうございました!


(2022年 1月29日 旅立った友たちの無事と幸福を祈りながら)

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