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怖いお話(仮題)

赤いハイヒール

作者: 浮き雲

精神科の医師の短い手記と、当事者の日記のかたちで書いてみました。ホラーというよりは、哀しい怪談を目指したのですが、いかがでしょうか。


 目の前に1冊のカルテがある。患者の名前はK、29歳の男性だ。3月の初旬、ここB市T町のマンションの1室で、衰弱した状態で発見された。

 出勤してこないことを不審に思った会社の上司とマンションの管理人に発見された彼はソファに腰掛け、放心状態のままで、少なくとも数日間は食事をしていなかったようで、極度に憔悴していた。

 また、公表はされてはいないが、彼の顔や手、服などに多量の血痕が付着していた。すぐに確認が行われたが、彼自身には出血を伴うような傷はなかった。

 救急搬送されたKは生命に関わるほどの状況ではなかったものの会話もできないほどに精神が崩壊していたことから、脱水と栄養失調の治療を済ませ、ある程度、体力が回復した段階で、この精神病院へと転院してきた。

 初診時の彼は会話はおろか、他人からの問いかけにもろくに反応しなかった。ただ、時折、理由もなく絶叫し、自身の喉を掻きむしり、他人に掴みかかった。また、比較的落ち着いた状態の時には、なにかに取り付かれたように、ブツブツと独り言を話した。

 当初、独り言には特別な意味はないものと受け止められていたが、何人かの看護師が、繰り返し彼の独り言を聞くうちに、そうではないことに気が付いた。独り言の最初に、ほぼ必ずといっていいくらい日付が入るのだ。そして、日付ごとに、幾つかの断片化したエピソードがレコーダーから再生されるかのように正確に繰り返されていたのだ。

 時折、彼の感情が揺さぶられる部分では、針飛びのように、幾度も同じ言葉が繰り返され、やがて、それが悲鳴と絶叫に変わることも少なくなかったが、苦労して、その内容を聞き取り、文字に起こして日付順に並べ替えたのが、以下の文章だ。

 なお、日記に、たびたび登場する「デリー」という名前は、Kが飼っていたビーグル犬で、実際に火葬した業者がいたことが確認さている。





2月21日

 最初にその靴を見たのは夕暮れ時、テリーの散歩中だった。住宅街の緩い上り坂、古びた洋館の出窓が間近まで張り出した歩道の上に、ぽつんと並んでいたのは赤いハイヒールだった。

 アスファルトの上の鮮やかな赤。ちょっと、シュールな光景だった。

 橋の上だったら、投身自殺を疑ったかもしれない。でも、ここは住宅街だ。目の前の家から落っこちてきた。それを、通りがかりの誰かがきれいに揃えていった。そんな想像をしたのも束の間、近づくにつれて急にテリーがほえ始めた。靴の前を通り過ぎるときも、その靴に向かって狂ったように咆え続けた。

 慌ててリードを引っ張って、強引に通り過ぎる。50mほど走ってから振り返る。幸い、近隣の住宅から顔を出す住人はいない。テリーも、いつの間にか落ち着いていた。さあ、明日は休みだ。


2月22日

 朝から快晴、今日は充実した1日だった。友人たちとバイクでツーリングに出かけた。幸い天候にも恵まれ、A山周辺まで足を伸ばせた。ギャラリーとカレーハウスがくっ付いたような、妙な名前の店でランチを取った。店主は陽気な女性でよくしゃべった。近頃、A山は噴煙が多いそうだが、幸いなことに、あの大きな災害の再来を思わせるような地震はないらしい。

 帰宅後の夕食は冷凍ピザで簡単に済ませる。散歩のあと、テリーには骨付きリブロースをご馳走した。ひとりで留守番をさせた後ろめたさだ。こんなに、甘い飼い主では、そのうち舐められてしまうか。

 そういえば、面白いことがあった。あの靴が動いていた。電柱にして4個分、100mくらいだろうか。

 テリーは、相変わらず靴に向かって咆えた。犬は嗅覚が鋭いというから、何かを感じ取っているのかも。それとも、単なる女嫌いか。そういえば、別れた彼女とのデートに連れて行ったら、その日は、妙に落ち込んだりしていたっけ。


2月23日

 テリーは朝から元気がない。いつもなら、朝のトイレのあと、ペットフードをせがむのに、今日は無反応だ。体の動きも鈍い。のろのろと、自分からゲージに戻ってしまう。どうやら、病気のようだ。

 日曜日だから、早速、ゲージごとペット病院に直行した。診てくれるのは、4ヶ月のこいつを飼い始めたときから、足掛け4年間お世話になっている獣医師の先生だ。

 検査やレントゲンなどに2時間を費やした結果、特に悪いところはないとの診断が出た。食欲がないのは、なにかのストレスじゃないかと言われた。餌はドライからウエットに変えると食欲が戻ることが多いと教えてもらう。

 自宅に連れ帰って、一人で近所のスーパーまで買出しに行く。犬用の缶詰があった。鶏肉、豚肉、牛肉などを見繕って帰宅。

 面白いことに、ハイヒールは、また、動いていた。今度は500mほど。いまのところ、駅から自宅までの俺の通勤ルート上に乗っかっている。この調子でいくと、明日あたり、自宅のマンションのベランダから見えるかもしれない。誰が動かしているのか、ちょっと気になる。

 テリーの奴、ご馳走を食べたら少し元気になった。せっかくなので散歩に連れて行ってやろうとしたが、玄関を出たら、怯えたように尻尾を巻き込んで嫌がった。仕方ない。久しぶりに、ペット用のトイレを出してやった。


2月24日

 ショックだ。午前中、休日出勤をして帰宅したら、テリーが冷たくなっていた。慌ててペット病院に連れて行ったが、死んでいるのを確認できただけだ。理由は解らない。先生も、まさか死ぬなんてと驚いていた。

 出来れば、差し向かいで通夜をしてやりたかったが、明日から、また、仕事が始まる。踏ん切りをつけて、移動式の火葬サービスを呼んだ。

 煙は、まったくでない。人間というものは、便利なようで、実は怖いものをつくることにかけては天才だ。部屋に戻って、ベランダから見下ろす。こうしていると、むしろ、煙くらい出てほしいと思う。煙になって空に帰るテリーをみていたら、行く先は天国だと信じられそうな気がする。

 2時間ほどで火葬は終わった。さすがに、ゴミとして処分する気にはなれない。持ってきてもらったペット用の骨壷に骨を詰めてもらう。どこかのペット霊園に引き取ってもらうにしろ、納得できるまで、しばらくは一緒だ。

 ベランダから見下ろしているときに、あのハイヒールに気づいた。マンションのすぐ傍の電柱に、なんとなく、こちらを見上げるように靴が並んでいる。赤い色は、ここ数日の間の埃にも色褪せていない。きっと、誰かが動かしているんだろう。

 ここいらは通学路だが、学生のいたずらにしては、根気が良すぎる。第一、俺以外に気づいている奴がいるのか。それにしても、持ち主は、捨てたのか、気が付かないのか。

 まあ、つまらないことで悩んでも仕方ない。テリーの前に元気だった頃の写真を飾った。


2月25日

 骨壷は、テリーが好きだった場所、ベランダ近くのソファの上に置いた。行って来るよと声をかけて仕事に出かける。

 今日から仕事が始まるのは、案外、ラッキーかもしれない。いろんな意味で気が紛れるからだ。アラサー男が、ペットに死なれて、いつまでもくよくよしていても絵にはならないだろう。

 気持ちとは裏腹に、仕事は快調だ。狙っていた大口の契約をとることができた。部長直々に労われ、酒席にも誘われたが、さすがにそれは許してもらった。一応、テリーは家族、だから、いまは喪中なのだ。

 ただ、自分用に近所のすし屋で握りを注文し、スーパーでビールと、テリー用に、好物の牛のすじ肉を買った。この際、精進落しのつもりだ。今夜はテリーをさしで送ろう。妙にくよくよしないほうがいい。

そう思いながら帰宅すると、マンションのエントランスの郵便受けの前で、あの靴に気がついた。

 このマンションは、入り口にセキュリティキーがついている。どうやら悪戯の主はマンションの住人のようだ。だが、ペット可の独り者向けの物件だ。男性専用ではないが、女性は少ない。同棲しているカップルは知っているが、家族もちはいないはずだ。

 大人の悪戯、しかも、男・・・そう考えると、自然に笑いがこぼれてくる。なんとも根気がいい。

 赤いハイヒールを置いたのも男。それを見下ろして笑うのも男。我にかえって、そんなことを思い浮かべた瞬間、ちょっと、危ないものを見るような目つきでOLらしい女性が通り過ぎた。

 同じエレベーターには乗らないほうがいいだろう。ひとつやり過ごして、3階のボタンを押す。しまる直前に、さっきよりも、少しだけハイヒールが動いているように見えたのは気のせいか。


2月26日

 昨日は、思った以上に深酒をしてしまった。起き抜けにシャワーを浴びたが、頭が鈍い痛みでつぶされそうだ。でも、仕事は休めない。身支度を整え、エレベーターに向かう。その前で隣の部屋の住人に会った。

 挨拶を交わして、1階へと降りる。そうだと思い出して、エントランスで赤いハイヒールを探す。ない。どうやら、念入りな悪戯は完了したようだ。いったい、何人が気がついたことだろう。

 そのまま、隣人と駅に向かう。話を聞くと、同じ業界のようだ。話が弾んで、今度、バイクを買うから、一緒にツーリングでも、というところまで盛り上がった。

 ただ、最近、犬の鳴き声がしませんねと言われたときは、ちょっと、しんみりとしてしまって、テリーが死んだ話をした。隣人は、確か猫を飼っていたはずだ。案の定、ペットを亡くした喪失感を共感してくれた。

 ただ、その後「なるほど、それで、ここ数日は、女性と同居を始めたんですね」とニヤニヤしながら言い始めた。

 もちろん、身に覚えがない。そんなことはないと否定すると、「まあ、同居とまで言えるかどうか解りませんけど、時々、女性の声が聞こえますよ」と言い出した。

 「マンションは構造が複雑だから、まったく別の部屋の声が、うちから聞こえているように感じられるんじゃないですか」と言ってみたが、いまいち、信用していないようだ。

 まあ、今度、うちで酒盛りでもすれば、あの殺風景な部屋に女っ気がないこともわかるだろう。

 人と話すと酒が抜けるわけでもないだろうが、少しすっきりして、無事出勤。会社でも好調だった。帰宅の途中、駅からの道すがら、そして、マンションの入り口に入ってからも、なんとなく周囲を見回してしまう。あの、赤いハイヒールが気になっているのだ。

 我ながら「俺ってフェティシズムの気があったんだ」と苦笑してしまう。

 それでも、一瞬、あのハイヒールから伸びた、俺の好みの細く白い足首が見えたような気がした。モノから、ありもしない実態を想像する。典型的なフェチの症状だ。そろそろ、新しい彼女を見つけるべきかもしれない。

 エレベーターが3階に止まる。3つ目のドアが俺の部屋だ。鍵を開ける。7時を過ぎたばかりだというのに、北向きの玄関は、もう、真っ暗だ。カーテンを開けて出かければよかったと、また、後悔する。

 手探りで玄関の灯かりをつける。足元に、見覚えのない赤いハイヒールが、きちんと揃えられていた。違う、見覚えはある。あのハイヒールだ。間違えるはずもない。いや、少なくとも、あのハイヒールと同じメーカーのものだ。

 俺は、後ろでドアが閉まる音を聞いた。何もしていないのに鍵が回る。鍵の音をきっかけにして、なんとも言いようのない違和感が湧き上がってくる。

 なぜ、あの靴が・・・誰が・・・帰ったとき鍵はしまっていた・・・そんな疑問が繰り返し浮かんでは消える。

 強烈な違和感と、それがもたらす恐怖で、からだが震え始めるのが解った。同時に、何の脈絡もなく逃げられないということが解った気がした。誰もいるはずのない部屋に赤いハイヒールがある、その事実が、平凡な日常を一瞬にして不透明なものに変えてしまった。

 まっすぐな短い廊下の先をうかがう。誰もいるはずがない。でも、震えは止まらず、動悸も納まらない。薄暗い闇の向こう側に何かが潜んでいる、そう、本能が確信している。

 部屋の灯かりが突然灯った。いつもの明かり・・・でも、その光は、なんとも言えず、澱んでいる。

 俺は、すでに恐怖に支配されていた。母か、姉か、それとも、別れた彼女か。思い当たる女性を頭の中に並べてみた、でも、この靴は違う。そんな女たちものではない。それは、あまりにも明らかだ。

 奥の部屋から、このハイヒールまでの間が、目に見えない、なにかで繋がっているかのような、禍々しい気配が狭い空間の中を漂っている。

 突然、奥から声が聞こえた。意外なことに、心地よいソプラノだ。

 「お帰りなさい。今日は、貴方の好きなハンバーグよ。」

 帰宅したら、こんな声に迎えて欲しい。そう思わせるかわいらしい声だ。それなのに、俺の口の中はカラカラに乾いている。全身が小刻みに震える。歯を噛み締める。歯軋りが不快に響く。でも、少しでも緩めたら震えが止まらなくなってしまいそうで怖い。

 「犬の骨は処分したわよ。私がいるから、もう、淋しくないでしょう。」

 軽やかな足音が聞こえた。こっちにやってくる。どうしよう、足が動かない。声も出ない。リビングのドアが開く。生成りの薄いワンピース。長い髪の毛のシルエット。逆光に浮き上がる細い腕、スレンダーな肢体。

 これなら、逃げられ・・・ない。人間というものは、現実を踏み越えた状況の中では、とことん無力になるらしい。

 「私、ずっと、貴方を見ていたの。」

 唐突に、女の唇が動き、クスリと笑うことが聞こえた。

 「あの家の2階から、ずっと。病気で起き上がれなくて、息も上手くできなくなって、管に繋がれたまま、それでも、手鏡であなたを見ていたの。」

 ガチガチと歯がなり始めた。寒いからではない。今の状況が生み出すものが絶望だけだと解っているのだ。

 「あの朝、最後の力を振り絞って、窓から這い出して転げ落ちたの。」

 足音が近づいてきた。俺の好みの細くて白い足首だ。それなのに、なぜ、絶望が湧き上がるのだろう。

 「ねえ、わかる。そのハイヒールは、そのときに道路に流れ出した私の血なの。」

 不思議なことに、俺の足は、いつの間にか靴を脱ぎ、その絶望に向かって歩き始めていた。もう、足元で形をなくして溶け落ちてゆく赤いハイヒールも、立ち上る血の匂いも気にならない。

 「やっと、貴方とお話しができるようになったわ。」

 一歩、また、一歩。俺は近づいてゆく。絶望に向かって、ゆっくりと歩いてゆく。女のシルエットが、一層はっきりと浮かび上がる。

 綺麗だ。女は痩せ衰えてなどいない。一転の曇りもなく透き通った肌。冷たいほどに整った顔立ち。生きているものには叶わない美しさだ。

 本当に綺麗だ。その顔に花が咲いたような笑顔が浮かぶ。この腕に抱きしめたい。どうしようもない絶望の中に、唐突に、衝動的な欲望が湧き上がってくる。

 「抱きしめたい。(いや、駄目だ。抱きしめてはならない。)絶望とひとつになるために(そうしたら、俺は破滅だ)・・・。」俺は、そんな場違いなことを、停止しかけた思考の片隅で考え始めていた。

 恐怖に震えたまま、腕が、ゆっくりと迎え入れるように、女に向かって伸びてゆく。スローモーションのように女が腕の中に飛び込んでくる。その瞬間、鼻先を生臭い風が吹き抜けた。俺は絶望と陶酔の中で、血の匂いがする女を抱きしめた。




 

 以上が、Kの独り言を書きとめた内容だ。

 ちなみに、このコピーを渡した親族が確認したところによると、2月21日から2月25日までの独り言は、ほぼそのまま、彼の机の引き出しの中の日記に記載されていた内容と一致したそうだ。

 もちろん、事実は、それだけだ。日記の中に書かれてはいなかった2月26日の独り言が、狂ったKの頭の中から生み出された妄想なのか、それとも、Kを狂わせた元凶なのかは、私にも解らない。

 ただ、他の患者や職員を傷つける可能性から、鍵付の個室に入院している彼には、いまも、ひとつだけ不可解な現象が続いている。

 数日から1週間に1度の頻度で、いまでも、彼の胸が血で汚れることがあるのだ。そして、その血で汚れた胸を大切そうに抱いているのも、いつも同じだった。

 当初は、彼が自身のからだを掻き毟って傷つけているのだと思われたが、詳細な検査をしたところ、彼自身の自傷行為による出血とは見做せないものが多数あった。

 私は、医師の立場から、その胸の血液型を調べてみた。A型だった。ちなみに、彼はO型だ。当然、彼の血ではない。また、彼が、この病院で血液を入手できるはずもない。職員の誰かが手伝いでもしない限りは・・・。

 私は、さらに医療連携のネットワークを駆使して、ここB市の医療機関に独自の調査を行った。彼が暮らしていた地域で、自宅の2階から転落事故を起こして死亡した女性の情報を調べたのだ。

 その結果、2月21日の午前9時に転落という理由で、死亡確認がなされた女性が1人だけいた。そして、その女性の血液型はA型だった。

 彼女が重い病気を患っていたのかどうか、私には、もう、それ以上調べる勇気はなかった。

 さて、最後になるが、今でもKは、この病院の1階に入院している。そして、血に濡れた胸を大切そうに抱きしめているKの姿も、巡回する看護師によって、たびたび確認されている。

 彼の精神が快方へと向かう可能性は、いまも見えない。





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