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どうやら私は神官らしい

 私は当面、誰かから知識や生活の手段を手に入れなければならない。

 ろくに口もまわらない私が手っ取り早く、状況を説明するには、恥をさらすようだがこうするほかない。

 私はアグネさんの手紙を取り出した。


 「読んでください」

 

 三人の男たち、再び顔を見合わせている。

 

 なんだ。

 

「神官様、俺たち字が読めません」


 オーマイガッ!

 手紙をしまう。


 「記憶をなくしているのです」

 言葉にすると何か嘘っぽい。


 「何もわからないのです」

 でも事実。助けてくれ、ほんとに頼むよ。


 「私は神官なのですか?なぜそう思うのです?」


 三人の男たち、またもや顔を見合わせている。


 もういいよ。なんなんだよ。


「長くて白い髪は神官様の特徴です。昔々、まだこの世界に神様がおられたころ、そういうお姿だったそうです。神官様たちは、皆その姿を模しておられます。脱色したり、染めたりして、白くするのだそうです」


 お? これは有力な情報。

 同じ神官仲間に聞けば『私』が誰なのか分かるだろうし、こちらの家族にも会えるだろう。

 会ったら、きっと迷惑をかけていただろうから、誠心誠意、謝ることにしよう。

 もともとの世界の家族のことが気にならないわけじゃない。でも『もとの私』はちゃんともとの世界にいて、いつものように暮らしているはずだ。


 『私』は、こちらの世界のだれか。誰で何があったのか。きちんと受け止めてみせる。



 男の一人が、泉がよみがえった朗報を早く村へ持ち帰りたいと言い出したので、歩きながらいろいろ話を聞くことになった。



 情報その一、神官様はお遍路さんのようなことをするらしい。各地の神殿に寝泊まりしながら、過去の遺跡、泉の跡地もそう、を、巡り修行とするのだそうだ。その時、信力の強い神官様は、回復の泉を回復……ムムム……するそうだ。


 情報その二、回復の泉が回復……。まあ、いいか回復で。すると、悪いものが寄ってこなくなる。安全な土地になるそうだ。逆に、泉が完全に枯れてしまうと人が住むことができない土地になるらしい。


 情報その三、すべての物は魔素で出来ているらしい。分子じゃないんだね。生きていれば結合し、死ねば解かれる。神様の了解があれば死んだものを利用できる。獣の肉とか皮、植物なんかもそうだね。会話のように日常に祈りがある。そうなるだろうな。



 元々いた世界と比べて言うのもなんだけど、なんかこっちの神様、細かいところの設定を考えるのがめんどうくさかったのではないかな? と思う。


 あとは、神殿に行って聞いてくれって、言われたよ。村に神殿があるのか聞いたら無いってさ。どうしろって言うのさ、ねえ?


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