初・獣人の町。みんな猫耳がある
読み終わった後の、彼の感想。
「これだけでは、分からないな。手紙も、偽造したものでないと証明できない限り意味はないぞ。
……とりあえず無害な人間であることは、間違いなかろう。町に入ることを許可しよう。
ようこそ、ゴールデン町へ」
おおっ、何かゴージャスな感じ
後でどうして信用してくれたか聞いたら、かなり前から、観察されていたのだそうだ。
全く気が付かなかった。
町に入った。名前負けするくらい、普通に小ぢんまりとした村だった。何で、ゴールデン町なんだ。しかし、すぐにその異世界らしさに、魅了される。
耳がある、いや、頭の上に耳がある。
コスプレの代名詞、猫耳。
もしかしてと隣を見れば、皮の被り物を脱ぐ偽子供。
「猫」
「猫型獣人だ」
すぐに訂正が入った。
「猫ではない」
すいませんでした
「それに猫型だけではない。あちらにいらっしゃるご婦人はヒョウ型で、そちらのお嬢様は虎型だ。隣のガタイのでかい男は獅子型、今は見えないが珍しいチーター型もいる」
あ、猫の仲間なんですね
「昔はそれぞれ、別の村をつくっていたのだが、例のことがあってから、我々もめっきり数を減らしてしまった。統合し、町として協力しあうことにしたのだ」
ご立派です
「例のこととはなんでしょう?」
聞いてみたが、妙な表情をされた。
「こちらが人間相手に気を使ってものを言っているのに、はっきり聞くのだな」
何のことかわかりませんからね。でも、言いにくいことだというのは理解しました。
「記憶がないのだったな。常識的な記憶まで飛んでいるとなると不便なものだ」
すいません
「昔々、おとぎ話くらいに、本当かどうかも分からないほど昔の話だ」
彼は話を続けてくれた。
「人間が神を独占したらしい。そのため、人間以外の多くの種族が衰退し、滅ぶ寸前まで追い詰められた」
えー、何それ
「そんなことって可能なんですか。いったいどうやって?」
「わからん」
「ですよね」
そもそも、独占できるものじゃないですよね。自分たちだけのものにって、じゃあ、他はどうでもよいってことでしょう? そんなこと考えるものなんでしょうかね?
まあ、元居た世界でもなんでも自分のものだって人はいましたね。はい、いました。こんなファンタジックな世界にそんな世知辛い人がいるなんて、あまり考えたくな……。
「あぁ」
「うわっ、大声出すな。驚いた」
いたやん。テグウ村の人たち……
詳しいことが知りたければ神殿へ行けと言われた。このパターンには覚えがあると思いつつ、この町に神殿があるのか尋ねると、無いと。だと思っていましたとも
「けれど、今ちょうど、お前以外の巡礼中の神官がこの町に来ている。会うだろう?」
なんと!
是非とも!




