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新婚中も目がはなせない  作者: 夢遥
14/24

新婚中も目がはなせない

陽向は進路の悩みを、優馬に相談しようとしたが、いつも葵と一緒にいるのを見て嫉妬すばかりで、相談できないでいた。


でも、そんな陽向の力になりたいと、陽翔が相談に乗ってくれて夢を見つけることができたのも束の間、優馬が体調を崩して学校を早退する。

心配になった陽向は、様子を見に行くことに…………。


「遅くなっちゃった!!」


帰りにスーパーへ寄って、風邪の時に良い物をいろいろと買っていたら、思ったより時間がかかってしまった。



早く優馬さんのとこに行かないと………………。






スーパーを出て何分か経って到着すると、さっそく玄関のチャイムを鳴らした。


「………………………………」


でも、しばらく経っても出てくる気配はない。



まだ、帰ってきてない?それとも、倒れていたりしないよね!?


あたしは急に不安に絡まれて、持っていた合鍵を使って、ドアを開けようとノブ穴に鍵を差し込んだ。


ん?開いてる?


そっとドアを開けると、家の中へ入った。


「優馬さん?」


恐る恐る声をかけてみたけど、返事がない。


寝てるのかな?


寝室の方も覗いてみると、優馬さんがベッドに寝ているのが見えた。


「優馬さん……………」


あたしはそっと近寄ると、額に手を当てた。


え……………少し熱があるみたい!?


何か食べて薬を飲ませないと…………。



買い物袋から、買ってきた熱冷まシートや清涼飲料水、ゼリーを出す。


念の為、熱冷まシートも買ってきて良かったーー。



あとは薬だよね…………確か、テレビの横の棚に入っていたはず。



薬をとりにリビングへ行くと、薬があることを確認する。


薬もあったし、お粥でも作ろう……………………。



キッチンに行くと鍋の蓋を開けた。


「えっ……………………………?」


あたしは鍋の蓋を持ったまま固まってしまった。


何故か、お粥が出来上がっていた。


優馬さんが作ったのかな……………?


優馬さんも結構、料理はするけど、鍋を触るとまだ熱いくらいで、作ってからまだそれほど時間が経っていないことがわかる。


優馬さん、熟睡しているみたいだったし、作ってからすぐに眠れるなんて考え難い。


でも、熱がある時は別か…………?


いろいろと考えていると、玄関のドアが開いて誰かが入ってくる気配がした。


やばっ!お粥を作ったらすぐに帰るつもりだったから、玄関に鍵をかけるの忘れてたーーーー!!


じわじわと冷や汗が出てくる。


いざとなった時に武器になる物を探していると、フライパンが目に止まった。


いちかばちか、これを武器にするしかない。


フライパンを両手で握り締めると、いつでも殴れるように構えた時、姿を現したのは、灯野先生だった。


「西野さん…………………!?」


あたしの方が驚くはずなのに、灯野先生の方が1番驚いている様子だ。


「どうして、あなたがここにいるの?」


「………………………」


それは、こっちのセリフなんだけど…………。


言葉にして言えば簡単だけど、そうもいかい。


「いくら、杉浦先生のことが好きだからって、あなたは生徒なのよ?」


「先生の体調を心配して来たのに、生徒だからとか関係ないと思います」


生徒の前に優馬さんの奥さんなんだから!!



「…………だからって、勝手に家の中に入るのはどうかと思うわよ。今回は、大目に見るけど………とにかく、今は作っておいたお粥を杉浦先生に食べさせて薬を飲ませないと……………」


買い物袋から清涼飲料水や果物を出すと、鍋からお粥をお皿に移した。


どうやら、お粥は灯野先生が作って、その後、買い出しに出ていたらしい。


「西野さん、あなたも買ってきたの?」


灯野先生は、テーブルの上に置いてある清涼飲料水やゼリーに視線がいく。


「あ…………はい………………」


言葉が見つからず、曖昧に返事をした。


「ゼリーは冷やしたほうがいいと思うから、冷蔵庫に入れておくわね。西野さんは帰りなさい」


まるで自分の家のように冷蔵庫を開けて、ゼリーを入れると、お粥をトレーに乗せて優馬さんの所に行ってしまった。



「ーーーーーーー」


あたしが優馬さんの看病しようと思ったのに…………何だか虚しくなって外へ出ようとした。


でも、寝室に2人っきりなのが気が気じゃない。


忍び足でそっと寝室の前に行くと、灯野先生の声が聞こえてきた。


「優君、お粥作って来たから食べて」


「いや………いい…………」


いつもと違う優馬さんの弱しい

声に、余計に心配になってしまう。


「でも、薬も飲まないといけないから、少しでも食べないと………」


「悪い…………もう少し寝てから食べる」


「じゃあ、ここに置いておくわね」


灯野先生はベッドの横にある台の上にお粥を乗せたトレーを置いた。


「あ、薬も持ってくるわね」


「いや、いい…………自分でやるから」


「ううん、大丈夫。優君は寝てて」


灯野先生が寝室から出て来る気配がして、あたしは慌ててお風呂場へ駆け込んだ。



いくらなんでも、灯野先生が薬の場所までわかるわけがない。



灯野先生が寝室に戻った頃、「知ってるのは、あたしだけ」なんて優越感に浸りながら、あたしも寝室の前に戻って聞き耳を立てた。


「ふふっ、変わらないわね」


灯野先生の嬉しそうな声が聞こえてきて、あたしは違和感を覚える。


「何が?」


「だって、あたし達が一緒に暮らしていた頃から、薬の置き場所変わらないんだもの」




「ーーーーー!!」


灯野先生の言葉に、あたしは目の前が真っ暗になる。


今までこの家で灯野先生と一緒に暮らしていたなんて、あたしは知らない。


それに、優馬さんから何も聞いてない。


ショックのあまり、その場から駆け出し、外へ出ると無我夢中で走った。



どのくらい走っただろう………いつのまにか、家の近くの公園に来ていた。


ブランコに座ると、次第に涙がこぼれ落ちた。


優馬さんと灯野先生が一緒に暮らしていた生活感が残る部屋で、何も知らずにいたなんて辛すぎる。


あたしのこと灯野先生の代わりに見てたのかな……………。


そう思ったら、胸が苦しくなって何も考えられない。


優馬さんと、どんな顔して逢えばいいんだろう…………。



でも、優馬さんは次の日から休んで学校に来たのは2、3日経ってからのことだった。


「授業、始めるぞーー」


英語の時間、久しぶりに優馬さんが教室に入ってきた。


「優馬先生~~~!風邪もういいの?」


クラスの女子が声を揃える。


「すっかり、この通りな~~~」


優馬さんはガッツポーズをしてみせた。


「な~んだ。あたし看病に行きたかったのに」


「残念ながら、生徒はお断り」


「えーー、来年には生徒じゃなくなるのにーー。もしかして、葵先生に毎日看病してもらってたんじゃないの?」


「な、何言ってるんだよ。お前達!もう、この話は終わりにして授業を始めるぞーー」


クラスの子の言葉に優馬さんは、慌てた様子で教科書を開いた。


「……………………」


怪しいーーー!!多分、あれから毎日、灯野先生が来てたのかも知れない。


あたしも看病に行きたかったけど、灯野先生と暮らしていた部屋に行く気にはなれなかった。



授業が終わると、優馬さんに呼ばれた。


「西野、悪いんだけど。みんなの課題のノートを集めて準備室まで持ってきてくれないか?」


「……………はい」


あたしは渋々、返事をすると、みんなの課題のノートを集めた。


何とかみんなのノートを集め、準備室まで持って行こうとしたけど結構重い。


抱え込んで持って行こうとしたら、辻君がひょいっと横から半分ノートを奪った。


「半分持つよ」


「えっ、いいよ。あたしが頼まれたんだし」


「俺が持ちたいの。だいたい、杉浦先生も何考えているんだか……結構あるのに陽向に持たせるなんて」


「………このくらい大した事ないよ」


苦笑いして見せたものの、辻君の気遣いが嬉しい。


「何だか、空元気のような気がするけど何かあったのか?」


辻君が心配そうに顔を覗き込む。


「え…………別に」


慌てて視線を逸らしたけど、


「また、杉浦先生のことか?」


すぐに見破られてしまった。


「あはは、すぐにわかっちゃうなんて、そんなに顔に出てるかなーーー?」


「いつも、陽向のことは見てるからな」


「え…………………」


真剣な顔で言われて、どう言ったらいいかわからず、戸惑ってしまう。




準備室まで行くと、優馬さんがすぐにあたしが持ってきたノートの束を受け取った。


「ごめん、ありがとう。辻も悪かったな」


「いいえ、陽向だけに持たせられませんから」


「まだ、西野に頼みたいことがあるから、辻は先に教室に戻ってもいいぞ」


「頼みたいことがあるなら、俺も手伝いますって言いたいところだけど、俺は邪魔みたいなので退散します」


気を使ってくれたのか、辻君はさっさと教室へ戻って行った。


「頼みたいことって……?」


二人っきりになって、どうしたらいいかわからず、用件だけ訊くことにした。


「ごめん、頼みたいことがあるって言うのは口実。陽向と話がしたかった……」


優馬さんはあたしの顔を覗き込んだ。


「あたしは…………別に話すことなんて……」


「俺はある………陽向、昨日……家に来てくれたよね?」


「え…………」


あたしが行った時は、優馬さんは寝ていたのにどうしてわかったんだろう。


「冷蔵庫にゼリーが入っていたから、陽向が来てくれたのかと思ったんだけど違ったかな?」


「うん………心配で様子を見に行ったけど………………」


あたしは、ぎこちなく応える。


「前に陽向が風邪引いた時、ゼリーが1番とか言ってたから、もしかしたらと思って。やっぱり、来てくてたのか」


「………………………………」


前に風邪を引いた時、あたしが言ったこと覚えててくれたんだ?


「ごめん、灯野先生がいて嫌な想いしたよな……………」


「…………………………」


「俺は断ったんだけど、心配だからどうしてもって言われて家に………」


「も………う………いい……わかったから………」


それ以上、訊きたくなくてドアを開けて出ようとした。


「わかったって……全然、わかってないように見えるけど?」


優馬さんに腕を掴まれ、今にも泣きそうな顔を覗き込まれ、慌てて顔を背けた。


「陽向………………」


「…………優馬さんが……灯野先生を家に……上げたかっただけじゃないの………………」


「は?どうなったら、そんなふうに思うわけ?」


驚いた顔であたしを見たけど、視線を合わせずに話を続けた。


「だって………元々は、灯野先生と暮らしてた家なんでしょ?」


「ど、どうしてそれを………!?」


「寝室で優馬さんと灯野先生が、話しているところ訊いちゃったの……」


今まで黙っていた、優馬さんの気持ちがわからない。


「ごめん、黙ってたことは謝るから」


深く頭を下げられて、あたしは言葉に詰まらせた。


「引っ越そうとは思ってたんだけど、いろいろと忙しくて先延ばしになってた」


「……………………」


塾を辞めて、学校に移ってから忙しかったのは本当のこと。でも、知らずに優馬さんと暮らしていたなんて、嫉妬心が混み上がってくる。


「………いつか、灯野先生が戻ってくると思って、引っ越すの先延ばしにしてたりして…………」


「何、言ってるんだ?そんな訳ないだろ!?」


「だって……………嫌いで別れたわけじゃないんでしょ?灯野先生といるうちに……気持ちだって…………」


この前、電話に灯野先生が出たことを思い出す。


灯野先生と比べたら、優馬さんにつり合う女性になれる自信がないのに、優馬さんの気持ちも身体も灯野先生の方にいってたら、これ以上どうすればいいのかわからない。



「そんなことあるはずないだろ?結婚する時、言ったはずだろ……?陽向だけ傍にいて欲しい。一生かけて守るって」


落ち着かせる為に、優馬さんが優しくあたしを抱き締めた。


「………………………つ」


だんだん、涙が溢れてきて優馬さんの腕の中で泣いてしまった。





次の授業が始まる直前まで、優馬さんは黙って優しく頭を撫でてくれた。


「落ち着いたか?」


優馬さんは、そっと瞳を覗き込んだ。


「うん…………」


「近いうちに引っ越そう。その方が、陽向も安心だろ?」


「いいの?」


「当たり前だろ?さっきも言ったけど、引越しのことは元から考えていたことだから」


小さな子供をあやすように、頭をポンポンと撫でた。


「優馬さん……………」


「ほら、もうすぐ授業が始まるから教室に戻れ」


「うん!」


現金なもので、優馬さんの一言でだんだん心が晴れてくる。


教室に戻ろうと、廊下へ出ると、辻君が壁に寄りかかった状態で待っていた。


「辻君ーー。もしかして、待っててくれたの?」


辻君はあたしに気がつき、ホッとした顔をさせた。


「良かった……元気になったみたいだな」


「うん、もう大丈夫」


笑顔で応えるあたしと違って、辻君の顔が引きつってるように見える。


「辻君、どうかした?」


「え?」


「何だか、さっきより様子が変だから…………」


「そんなことない」と、辻君は

言っていたけど、あたしには何か引っかかるものがあった。






優馬さんとあちこち住む所を探した結果、条件に合った物件があった為、何日か経ってから引っ越しすることになった。


「優馬さんー、この荷物ここでいいかな?」


持ってきた段ボールを両手で抱えながら、優馬さんに訪ねた。


「ああ、隅っこに置いといてくれれば……………」


「うん、わかった!!」


明るく返事をすると、段ボールを隅っこに置く。


「陽向、ある程度片付いたらカーテンとかベッドを見に行くか?」


「いいの?」


今まで使っていた家具とかは灯野先生が一緒に使っていたこともあって、あたしに気遣って処分してくれた。


「当たり前だろ?でも、その代わり、近くの店はダメな?うちの生徒に会わないとも限らないし」


「うん……………!!」


嬉しさのあまり、優馬さんの背中に抱きついた。


「こら、陽向。片付けできないだろ?」


「少しだけでいいから………このままでいさせて」


久し振りに触れた優馬さんの温もりに、ドキドキと胸が高鳴る。


「仕方ないな………少しだけな?」


くるっと振り向くと、あたしを優しく抱き締めた。


「そうだ、陽向……引っ越すことお父さんには言ったのか?」


「うん……でも、優馬さんの所に戻るのは納得してないし、いつ別れるんだって…………」


灯野先生のことが影響しているみたいで、あたしの顔を見るたび一言めにはそれだからイヤになってしまう。


「ごめん……近いうちにお父さんと話するから」


「うん………」


優馬さんの背中に回した手にギュッと力が籠った。






「買い物も終わったし、何処か寄り道して行こう」


引越しの荷物をある程度片付け終わると、優馬さんの車で2時間かけて買い物に出かけてきた。


あちこちお店を回って、何とか家具や小物など買い物が終わり、時間が空いたので優馬さんが提案する。


「いいの?」


帰らないといけないのかなと思っていたから、優馬さんの言葉が嬉しい。


「陽向の行きたい所、何処でもいいぞ」


「じゃあ、海に行きたい!!」


「OKー!」


優馬さんは、クシャッとあたしの頭を撫でた。





海に着くと早砂浜に駆け出して波打ち際まで行くと裸足になる。


もうすぐ、夏も終わりだというのに、冷たさを感じさせない。


「気持ちいい~~!!」


波が寄せてくるのを交わしたり近づいたりしながら、ついはしゃいでしまう。


「陽向、少し歩こうか?」


優馬さんは、優しくあたしに手を差し伸べてくれた。


あたしは優馬さんの手を取りながら、一緒に並んで歩く。



「陽向、訊いたよ。進路のこと……」


「あ……ごめんなさい。優馬さんに相談しようとしたんだけど………なかなかタイミングが合わなくて………」


「俺の方こそ、ごめんな。もっと、陽向の傍にいてあげられれば相談に乗ってあげれたのに」


しょんぼりと肩を落とす優馬さんに、あたしは少しホッとしてしまった。


そんなにガッカリしてるってことは、あたしのこと気にかけてくれてたことだよね?



「保育士は陽向に向いてると思う。でも、決めるまで誰かに相談したのか?」


「うん、辻君にアドバイスをもらって………」


「辻が……………?」


優馬さんは、頬をピクっと引きつらせる。


「でも、辻君もよく気がついたよねー。自分でも気がつかなかったのに」


優馬さんの様子がおかしいことに気づきもせずに、辻君を褒めるようなことを言ってしまっていた。


「そうだな……俺も陽向のこと気づいてあげられれば、辻に頼ることしないですんだのにな………」


「べ、別に辻君に頼ったわけじゃないんだけど………あたしが悩んでる時、優馬さんは灯野先生と…………」


優馬さんの携帯に電話をした時、灯野先生が出たことを思い出して、優馬さんから視線を逸らした。


「灯野先生と……………?」


「…………………………………」


「陽向…………どんなことでも言って欲しい。結婚する時、陽向のこと何でも受け止めるって言っただろう?」


真剣な眼差しで優馬さんに見つめられて、恐る恐る話をする。





「何だー、そんなことか」


話が終わると、優馬さんは苦笑いした。


「そんなことって……………っ」


あたしはムスッとさせていると、


「あれは他の先生方も一緒に飲みに行って、俺がトイレに立った時かも知れない。つい忘れて置きっぱなしになってたから」


今度は笑って応えてくれた。


「じゃあ、灯野先生が言ってたことは嘘ってこと?」


「ああ、キッパリ断わっているんだし、今はそんな関係になるわけないだろ?」


「………………………」


今はって………やっぱり灯野先生とそう言うことしたってことだよね…………。あたしにはキスしかしてくれないのに……………。

キス以上のことは、あたしが卒業してからとお父さんとも約束してることだけど、何だかヤキモチを妬いてしまう。



「陽向………」


優馬さんはあたしを包み込むように、優しく抱きしめた。


「ごめんね………優馬さん。ヤキモチ妬いてる自分がイヤになる」


「陽向は悪くない。俺だって、辻にアドバイスしてもらったって訊いて妬いてるし」


「え………………?」


驚いて、あたしは優馬さんの顔を覗き込む。


「あまり見られると、恥ずかしいんだけど」


優馬さんは、少し顔を赤らめながら額に手をやりながら隠した。


それを訊いて、あたしは何だか嬉しくなってしまう。


「何、ニヤニヤしてるんだよ?」


「だって、嬉しいんだもん!優馬さんもヤキモチ妬いてくれて」


「当たり前だろ?辻と一緒にいるところを見ると、陽向のこと連れ去りたくなる」


コツンと優馬さんは自分のおでこをあたしのおでこにくっつけた。


「…………~~~~~っ」


優馬さんの顔がグッと近づいて、恥ずかしさのあまりまともに顔をみられない。


「陽向………お父さんにわかってもらえたら、そろそろ家に戻ってきてくれないかな?」


「ーーーー!いいの?」


あたしは、嬉しさのあまり優馬さん腕に抱きついた。


「当たり前だろ?あの部屋で俺達の想い出いっぱい作ろうな」


優馬さんがあたしの瞳を覗き込むと、唇にキスを落とした。









































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