第4話 犬の尻尾
パラメーターは次の話で。
昨夜は昔の友人連中とグループチャットして盛り上がりました。そして今日は今日とて家事からのログイン。
ログアウトしたのが奥まった路上だったのですが、ログインすると路上に出ることはなく最初に出た社に出ました。
今日は昨日とは逆方向の森に行こうかと思います。そっちにはウォセと同じ灰色狼が出るそうなのです。
たらたら歩いてもしょうがないので、走ることにしました。門の外でウォセを呼びだします。
≪待たせたな。こちら蛇。≪召喚術≫のレベルが上がったようだ。≫
・・・好きだけどね?某男性声優さんの声が流れた。あれ~?標準のアナウンスにしたんだけどなぁ。
まぁいいか。一応標準女性アナウンスにしたんだけど。なぜだろう。まぁあとで聞いてみよう。
とりあえず、森の入口まで走って行ってみよう。スキル上がるかもしれないし。
予想通りダッシュとスタミナアップが1レベル上がった。
ウォセの頭をなでると剣を抜いて森に入る。獣道のような道が伸びているので奥に向かって歩き続ける。ウォセが伏せの状態で俺にモンスター発見を知らせる。そばまで寄ると一緒に飛び出した。
飛び出してみると鹿(?)を灰色狼が食べているその数3匹。不意が打てたようなので「技」を使う。
このゲームは「魔法」系は思考入力、「技」系は音声入力というプログラマー諸氏の思想が働いている。隠密系の技もあるため舌と口の動きで出るんだけどね。
「『スラッシュ』!!」
声にしたほうがいいのです。それっぽくて!スラッシュは薙ぐ攻撃を1.2倍するので使いやすい。
剣先がヒットする。このゲームは特定のポイントに攻撃が当たると一撃必殺になる(プレイヤーは頭と心臓)。灰色狼への一撃は必殺にならなかった。
ぎゃんっ!
手傷を負わせるに終わった。一匹にはウォセが喉に咬みついて引き倒している。
2対1は不利なのでウォセが倒し切るまで剣で威嚇する。
倒したのかウォセが隣に来る。ウォセが吠えると一瞬気がそれたので近くにいた一匹に突くように頭に剣を突き刺す。一撃必殺になったので剣を抜くと剣を持ってないほうの手に咬みつかれた。激痛が走って手を振り回して振りほどいて跳ね飛ばした。その一匹にウォセが体当たりして吹っ飛ばす。よろよろと立ち上がる灰色狼に蹴りを入れて木に叩き付けた。倒したらしい。
≪酒呑童子がレベルアップしました≫
≪ウォセがレベルアップしました≫
取り出した初心者の薬草を傷口にはる。貼った途端、傷口が塞がっていく。
1体は封印したんだが、残り2体に解体ナイフを突き刺す。
『灰色狼の毛皮』×1
『灰色狼の牙』×2
『狼尻尾』×1
・・・狼の尻尾?何だろうこれ。装備品に見えるな。メニューを開くとフレンドを呼び出す。あ、みんながログインしている。落ち着いて教えてくれそうな八咫に聞こう!ジョセはお店忙しいかもしれないし。えーっとフレンドに通信っと。
「もしもし八咫?」
『おう、酒呑。どうした?』
「いや、灰色狼倒して『狼尻尾』っての拾ったんだがこれは素材か?」
『あん?・・・初めて聞いたぞ。ちっと待ってろ。』
このゲームのCM曲が流れてる。保留音これなのか。
『もしもし、それレアドロップだ。装備品らしいぞ。全身集めるとボーナスつくらしい』
「これが装備品・・・。確かに腰ベルトに付きそうな金具がついてるわ。ありがとね。」
『いえいえ。てか、お前さん鑑定持っとけよ。パラ振りもしてないみたいだし。』
「おう。5レベルごとにスキルもらえるんだろ?そん時ゲットするわ。ほなな!」
『あいよー』
頭、胴体、小手、腰、足の腰だけ集まったということか。狼狩りじゃぁぁ!!
その日は一生懸命、狼を狩って回ったそうな。
ログアウトするころには6時間後で狼装備一式揃っていたという。さらにはレベルが5上がり、スキルの空きが出来、種族スキルと同時召喚枠までゲットしていたというね。2匹の犬(狼か)に囲まれるとか。ワンワン天国にしそうな予感。
6時間の記憶があまりないのが問題だと思う今日この頃。
町に戻り、宿屋に泊まりログアウトしましたとさ。
ウォセ☆日記
(´・ω・`)<尻尾?みたいなの握って困惑した後キリッとしてその後、
(´・ω・`)<ご主人が笑いながら敵を倒してて怖かったです。