ぷろろーぐです。by神
転生した。
いきなりで、申し訳ない。
俺の名前は青空崎 旋斗。15歳。
容姿は平々凡々な黒髪、黒眼。特に目立った特徴は無いけど、強いて言うなら、
―――背中にゼンマイが有ることくらいかな?
■◇■◇■
まず最初にあったのは、テンプレな事故でも無く、重い病気で死んだわけでも無く、普通に寝ていたら夢の中で神と名乗る存在に「転生しない?」と言われた。これだけ。
転生。男子中学生なら一度は夢見る、所詮幻想の中だと思っていた事が目の前で起こっている。興奮しないほうがおかしい。中には「俺は今のままで十分だ」とか「家族や友達を捨てる事は出来ない」なんていう奴は大抵が、イケメンか、リア充。この二択のどちらかだろう。ちなみに俺はどちらでもない。畜生。リア充爆発しろ。
そんなわけで俺は転生の道を選んだ。そう。この時だ。もしもこの時、もっと他の道を選べば背中にゼンマイをつけ無くてもよかったのだろう。
――――――
「ねえねえ、この場合さあ。ちーとな特典が必要だと思うんだよね。だからどんなのが良い?」
今目の前に居るのは神と名乗った少女である。間違っても絶世の美少女とかじゃなくて近所に居るようなガキンチョだ。今更だが本当に転生出来るんだろうか?夢オチってパターンじゃないだろうな、これ。
「む、しつれーなことを言われた気がする」
「何故バレた!」
「あ~やっぱ思ってたんだ。そんなこと思うと転生させないよ」
見た目小学生に土下座する高校生、俺。
「というか心を読んだりしないのか?」
「あのね、心を読むのがでふぉじゃないんだよ。私だって全能じゃないんだし」
「え、神様はなんでも出来るんじゃないのか?」
「はあぁ~~~」
ため息吐かれた。しかも長く。具体的に4秒くらい。
「そんなのあなた達、人間が勝手に考えたことでしょ?そもそもほんとにぜんのーだったら神様は1人で十分でしょ。神様だっておいしい物食べたいし、かろりー気にしたりするんだよ」
なにやら現実味のある話だな。それにしても、
「随分人間らしいな」
「違うよ。神が人間に似ているんじゃなくて、人間が神に似ているんだよ。そう作られたからね」
「へえ~そうなんだ」
「そうなんだよ~」
「「アハハハ」」
あれ?なんか今すごいこと聞いたような気が。まあいいか。
「え~と何の話だっけ?」
「特典の話だろ」
「そうだった、そうだった。で、何が良い?」
「ん~何でもいいんだけど、チートすぎるのは嫌かな。あとファンタジーな世界に頼む」
「分かったー。何でもいいんだね?それなら頑張っていいやつ選んであげるよ」
「お、さんきゅー」
「それじゃあ、早速転生してね。えいっ!」
本人は可愛らしく言ったであるえいっ!という掛け声で俺は転生した。
残された神は特典の内容を考えていた。
「ん~まず、全身フル魔改造だね。まず、目は~―――
青空崎旋斗。バリバリのチート化まで後、1時間。
―――で、完了。ん~まだ何か足りないよね。何だろ?・・・・あ!ゼンマイだ!」
ん、ゼンマイ?