異世界から召喚した奴らは個性的でした〜
気ままに書いた作品です
ある日、俺は目覚めたら異世界に転生していた。しかも、生まれは貴族の三男。これから、遊び放題だっと、喜んでいたのもつかの間、魔力が強いことがわかると、すぐに特訓が始まった。
特訓は地獄だった…。二人きりの部屋の中で、辛気臭い顔をした40歳ぐらいのおっさんに指導を受ける毎日。俺が早く終わらせようと、教えられたことをすぐに成し遂げると、おっさんは喜んで新しいことを教えてくる。
そんな生活が5年ぐらいたったある日、おっさんは俺の両親に唐突に言い出した。
「息子さんをぜひ私の弟子にさせてください。これほどの逸材はなかなか出会えない。私の知識の全てを教えたい。」
おっさん、何言ってる…。可愛い女の子に言われるならまだしも、おっさんに言われたとこで俺は何もときめかないぞ。
「すいません、私たちはガイルの考えを尊重したいので。ガイル、おまえはどうしたいんだ?」
父さん、言わなくても分かってるだろう。俺の答えはもちろんNOだっ!
「すいません、いまだ未熟なので一度街に出て、自分の知見を増やしていきたいと思います。」
「そうか…。君になら私の跡を次いでも申し分ないと思ったんだが。すまない、君の人生は君が決めるべきだからね。」
そう言っておっさんは悲しそうな顔をした。おっさん、跡を継ぐ者よりも結婚相手を探せよ。どうせ童貞だろ…。その年で童貞は二重の意味で魔法使いだぞ。
そうして、魔法の特訓を終えた俺は街に出て、王宮直属の魔法学校に行くことになった。
6年後、18歳となった俺は今この国で一番偉い人、つまり王様の前にいる。えっ、学校生活?そんなものなかったよ…。入った頃こそ、テンションが上がりまくっていたが、そのやる気も徐々になくなったよ。なんでかって?女子がほとんどいないんだよ…。友達もできないし…。初日から担当の先生にイラついて上級魔法をぶっ放して入院させたせいか、誰も怖がって話してくれない。
そんな荒んだ生活を終えた俺は、なんだかんだで王宮に遣え、すぐに王様直属の魔法使いとなった。今日は急に呼び出されたが、いったい何の用だ?可愛い娘さんもいないし…。早く帰って寝たい。
「ガイルよ、最近魔王が復活したのは知っておるな?」
はあっ!?魔王!?そんなのいるのかよ。そういえば、この前魔王直属の四天王?みたいなのが来たな…。名前をいう前に攻撃しちまったけど。
「はい。先日も魔王直属の四天王らしきものがここを襲いに来ましたが、すぐに撃退しました。」
「そ、そうなのか!気づかないうちにそんなことをしてたのか…。まあ、それはよい。実は魔王を倒すためには、聖霊の力つまり異世界の者の力が必要なのじゃ。そこでぜひ召喚して、彼らと旅をしてもらいたいのだが。」
召喚って、何このテンプレ。どうせ次には勇者がどうたらこうたらとか言い出すんだろ?
「はい、私でよろしければ。ですが、急に呼び出して大丈夫でしょうか?彼らには彼らの生活がありますでしょうし…。」
そう、人には人の生活があるんだよ。漫画みたいに、魔王を倒さないとあなたは帰れませんとか可哀想だろ。さすがに同情するわ。
「そのことなんだが、お主がよいなら異世界からの召喚者は毎回必要な時に呼び出すというのはどうであろうか?短い時間なら、あちらとの時間の流れも大丈夫であろうからな…。」
「……。」
王様、めっちゃいいやつじゃん!?いつも偉そうにしやがって、とか思ってて悪かったな。今度、毛根にでも魔法かけといてやるよ。ん、ていうことは俺の負担が増えるのか。
「わかりました。それでは準備が整い次第、召喚したいと思います。」
「頼んだぞ、この国と運命はお主の手にかかっておるからな。」
そんなこと言われなくても分かってるよ。さて、準備するか。引き当てるは、ロリ勇者。愛でて、俺の癒しにするぜっ!
ふう…。だいたいこんなものでいっか。一回呼び出したら、また楽に呼び出せるような仕組みを入れてたらだいぶ時間かかっちまった。さっさと王様呼んでくるかな〜。
「ご苦労であった、ガイルよ。それではまず戦士を呼び出してもらおうか。」
えっ!?呼び出すのって、勇者だけじゃないのかよっ。なんだよ、ロリ勇者との二人だけのロマンスじゃないのかよ〜。
「わかりました。それでは戦士を呼び出します。」
さて、呪文でも唱えるか。
「汝の魂を、我の元へ。導かれし者は戦を支配するもの。我の元へその姿を現せ!」
キマッター!厨二病全開詠唱。よしよし、ちゃんと召喚できたみたいだな。煙が上がってるよ。ん、この服装って…。
「あれっ、なんでこんなとこにいるんだ?さっきまで図書館にいたのに…。」
そう現れたのは、高校生だった。……。戦って、受験戦争かよっ!?確かに、あっちで戦を支配するっていったら、受験かもしれないけどさ。どう考えたって、おかしいだろ!
なんで手に赤本持ってるんだよっ。
王様が困ってる様子の受験生君に事の顛末を話した。
「じゃあ、すぐ帰れるんだな。それよりも、こっちとあっちの世界で時間の流れが違うということは、こっちでその分多く勉強できるのか…。」
すごいガリ勉君だ…。だけど、俺も昔あんなんだったんだろうか。あっちの世界での記憶はもうないんだよな…。さて、気を取り直して次こそロリ勇者だっ!
「すまんな、待たせて。では次に聖職者を呼び出してもらえんか。」
て、まだ他にも呼び出すのかよっ!?くそ、聖職者は女にするか。
「汝の魂を、我の元へ。導かれし者は影に光を与えしもの。我の元へその姿を現せ!」
なんか疲れてくるな…。もっと短いのにすればよかった〜。面倒になってきたぜ。
「あれっ、ここどこ?私さっきまで地下会場にいたのに。」
今度現れたのは、猫耳つけたフリフリの衣装を着た女の子だった。はあー、影に光を与えしものって、今度はアイドルかよっ。影って、オタクのことになるのか…。王様が説明を終えると、
「そうなんですか。すぐに帰れるなら大丈夫だにゃん!私、皆さんのために頑張って世界を救うにゃん!」
アイドル魂って、やつか…。可愛いんだけど、なんか残念なんだよな。そういえば、ガリ勉君、何してるのかな。机とペン借りて赤本解いてる…。
さて、気を取り直して次こそロリ勇者だっ!
「ふむ、それでは最後に勇者を呼び出してもらえるか。」
よし、来ました!
「汝の魂を、我の元へ。導かれし者は純潔で愛を与えしもの。我の元へその姿を現せ!」
さて、頼む。ロリ勇者来てくれ。そうして姿を現したのは
「あれ、ここはどこなのです?私公園で遊んでたのに…。」
ロリ勇者キター!やっと、キター!最高っ、もう魔王とかどうでもいい。一人でテンションが上がっていると、いつの間にか王様は説明を終えていた。それから王様が他の二人も呼び、異世界からの召喚者たちにそれぞれ必要なものを聞いていた。
「私は可愛いペットが欲しいです〜。こっちにいる間だけでもお世話したいです〜。」
ロリ勇者はペットを欲しがっていた。ロリ勇者マジで可愛いな。本当癒しだわ、このために生きてきたようなもんだわ。
「俺は、紙とペンが欲しいな。それだけで十分だな。」
戦士くん、明らかに勉強しに来るつもりみたいだ…。なかなか強者である。
「私は専用の衣装が欲しいにゃん。可愛い衣装をお願いするにゃん。」
そうやって、聖職者は上目遣いで頼んでいた。もうみんな明らかに魔王討伐って、雰囲気じゃないな…。
そうやって旅の準備をしているうちに、外が騒がしくなっていた。なんの騒ぎだ、祭でもあるまいし。
「王様、大変です!魔族が現れました!」
「なんだとっ!こんな大事な時に魔族が攻めてくるとは。」
ほんと、テンプレだよな。勇者召喚時に強い魔族が攻めてくるとか…。それで、勇者が偶然覚醒して撃退するが、魔族が、我は四天王の中で最弱とかいうんだろうな〜。
「き、貴様!何奴だっ!」
俺がそんなアホな事考えてるうちに、城内に一体の魔族がいつの間にか入ってきていた。
「我はザルバ。勇者とは何奴だ。そこのガキか?」
そういって、高校生の戦士くんを指差すザルバ。しかし、戦士くんは赤本から顔を上げると
「ちげえよ。そこの小学生ぐらいの女の子だよ。」
と、言ってロリ勇者を指差す戦士くん。て、お前何言ってんの!?バラしちゃダメでしょ。ほら、めっちゃ震えてるじゃん、ロリ勇者。あ、でも怯えてる姿も可愛い…。
「ほう、そこの小娘がか…。ふっ、我の相手にもならんな。」
そういって、ザルバはロリ勇者めがけて上級魔法を放とうとする。ロリ勇者は怖いのか、俺にぎゅっとしがみついてくる。えっと、ロリ勇者ちゃん、何とかしてよ。無理だよ、あんなの食らったら、みんな吹き飛んじゃうよ。
「死ね、勇者よ。おまえはここで終わるのだ。」
そんなことしているうちに、ザルバが魔法を放った。
「助けて、お母さん…。」
ロリ勇者がそうつぶやくのと同時に、俺の中で何かが弾け飛んだ。
「な、なんだとっ!?我の魔法が相殺されただと。」
驚くザルバを前に、俺はロリ勇者にカッコつけた。
「待ってて、すぐに終わるから。」
それから、俺はザルバの前にたった。
「さっきのは貴様がやったのか?面白い、我が相手にふさわしいと見た。」
そういって、ザルバは再び大きな魔法を放とうとする。後ろでは何か言ってる。
「魔法使いさん、頑張るにゃん。応援してるにゃん。」
「魔法使いさん、頑張ってくれ。模試が近いんだ。」
おい、お前ら働けよっ!なんで応援してんだよ、あと模試って…。くそ、ここじゃやりにくいな。外に出るか。
「転移魔法」
そういうと、街から遠く離れた場所に出た。よしこれなら、特大のをぶっ放せる。
「てっ、転移魔法だとっ!?貴様、何者だっ!」
驚くザルバを尻目に俺はこう言った。
「愛と勇気だけが友達のナイスガイさっ☆」
うん、決まったな。ポカンとしているザルバを前に俺は古代魔法を詠唱した。
「こ、古代魔法だとっ!それは失われたはずでは…。」
失われただって?バカ野郎っ!童貞のおっさんに小さい頃、教わったんだぞ。誰でも知ってるわっ!
「くらいやがれ、流星群!」
そう言い終わると、ザルバの元へ大量の隕石が降り注ぐ。
決まったぁ!流星群が襲いかかる!
そんなことしているうちに、ザルバはボロボロになっていた。さて、テンプレでも聞いて帰るかぁ。
「き、貴様!悔しいが、我の負けだ…。魔族の王にして、現魔王ザルバここにて敗北を認めよう。」
「そうかそうかって、ん?今なんて?」
「だから我の敗北を…。」
「いやいや、その前だって。」
「現魔王ザルバここにて…。」
「おたく、魔王だったのっ!?普通こういうの四天王最弱とか来るものじゃん!」
なんで魔王様が来てるんだよ!
「いや、四天王は最強のアギトがやられたことでほぼ壊滅しておってな。仕方なく私が…。」
「アギトって、この前名前を聞く前に攻撃しちゃったやつか…。」
「そうか、貴様がアギトの言っていた魔法使いか…。一戦を交えることができて、ありがたい…。」
そういって、ザルバは動かなくなってしまった。おい、どうすんだよ、この事態。魔王倒しちゃったよ…。とりあえず、城に戻って事情話すしかないか。
城に戻った俺は、生きていることに驚かれ、さらに倒したのが魔王だったと話すと、さらに驚かれた。
「そうか、俺たちの出番はなかったな。帰って、勉強の続きでもするよ。」
「私もファンが待ってるにゃん。すぐに戻って、コンサートの続きしないといけないにゃん。」
うん、こいつら舐めてるな。さて、とっとと帰ってもらうか。
「あ、あのっ!」
見ると、ロリ勇者が俺に話しかけていた。
「何かな、勇者様。すぐに帰れるので待っててください。」
正直、勇者だけでも残ってもらいたいのだが…。そんな訳にはいかないよな、変な心配をさせるわけにはいけない。
「い、いえっ!ありがとうございます、助けていただいて!」
ロリ勇者が頭を下げてくる。可愛い…。ずっと見ていたい。
「いえいえ、お気になさらず。勇者様、準備が整いました。すぐに出発してもらいますね。」
「そ、そんなっ!」
これ以上ロリ勇者を見ていると俺の理性が保てないのだ。ロリに触れてはならないのだ…。YESロリータNOタッチ。それは紳士の暗黙の了解なのだ。そうして異世界者たちと別れた。
あれから何年も経つが、俺は今幸せに暮らしている。気ままに暮らしながら、適当にだらだら過ごす毎日。そんな感じで俺は幸せです。
どうしても、ファンタジー物が書きたくて書いてしまいました
気楽に読んでいただけると嬉しいです!