決断
茘枝@九犬十愛さんがリツイートしました
神前直澄 @nao_Falken5 11月09日
いつも応援ありがとうございます。
次も、必ず勝ちます!
16日のホーム最終戦は、ぜひたくさんの応援で『福岡ファルケン』を1部に送り出して下さい!
「残りみっつとも勝って、1部に行こう!」
食堂のテーブルに両手をついて立った姿勢で、神前は一息に言い切った。
見まわせば、そろって見上げてくる顔は、三者三様ならぬ、四者四様をしている。
「そうですね。次こそは俺も点を取ります」
真っ先に微笑みを浮かべて同意したのは、逢坂だった。
神前はその表情に、鼻のつけ根にしびれるような痛みを感じる。
が、必死の笑顔で、うなずいた。
「来季へ勢いをつけるためにも、それがいいとおもうな、俺も」
ひらひらと上げた右手を振って、橘も賛同を示してくれる。
いちばん難しい顔をしていた江野が、声を上げたふたりと黙ったままのひとりを順に見てから、最後に隣の席の神前を見上げた。
「いいんですか、それで?」
間髪入れずに、神前は力いっぱいうなずく。
「いいも悪いも。選手がそろって1部に行けたって、応援してくれる人が居ないんじゃ意味がない。プロチームだから、お金も大事だよ。でも、ファンはお金のために大事にするべきなんじゃないだろ。スポーツと応援はどこまで行こうが切り離せっこない。シュークリームにクリームが入ってなかったら存在する価値がないのと同じだよ。──だから、ファンに恥ずかしくない戦いをして、胸張って1部に行こう!」
長い、沈黙が流れた。
「……どこからシュークリームが出てくるのかが、分かりませんけど。言いたいことは、まぁ、分かりました」
眉間にしわを寄せたままうなずいた江野の向かいで、めずらしく手ぶらな紀藤が、頬杖をついて神前を見る。
「それじゃ、何の解決にもなってねーけどな?」
「いいよ、それでも。おまえも、マコが正しかったんだって言っただろ。今からでも遅くないよ。選手はサッカーをやろう、全力で」
そうした先に、何が待つのか。
今はただ、考えることを避けて、問題から目をそらしているだけだと、神前も分かっていた。
だからこそ、噴き出しそうな不安にふたをしたくて、ことばを重ねる。
「俺たちが人より自信を持ってやれること、やるべきことは、サッカーだ。だったら、ごちゃごちゃ考えずに、今はここで、サッカーしよう。そして勝とう、最後まで──」




