表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
作戦名はKFJ!  作者: 十七夜
第40節 (A)
77/97

決断

  茘枝@九犬十愛さんがリツイートしました

  神前直澄 @nao_Falken5  11月09日

 いつも応援ありがとうございます。

 次も、必ず勝ちます!

 16日のホーム最終戦は、ぜひたくさんの応援で『福岡ファルケン』を1部に送り出して下さい!





「残りみっつとも勝って、1部に行こう!」


食堂のテーブルに両手をついて立った姿勢で、神前は一息に言い切った。

見まわせば、そろって見上げてくる顔は、三者三様ならぬ、四者四様をしている。


「そうですね。次こそは俺も点を取ります」


真っ先に微笑みを浮かべて同意したのは、逢坂だった。

神前はその表情に、鼻のつけ根にしびれるような痛みを感じる。

が、必死の笑顔で、うなずいた。


「来季へ勢いをつけるためにも、それがいいとおもうな、俺も」


ひらひらと上げた右手を振って、橘も賛同を示してくれる。

いちばん難しい顔をしていた江野が、声を上げたふたりと黙ったままのひとりを順に見てから、最後に隣の席の神前を見上げた。


「いいんですか、それで?」


間髪入れずに、神前は力いっぱいうなずく。


「いいも悪いも。選手がそろって1部に行けたって、応援してくれる人が居ないんじゃ意味がない。プロチームだから、お金も大事だよ。でも、ファンはお金のために大事にするべきなんじゃないだろ。スポーツと応援はどこまで行こうが切り離せっこない。シュークリームにクリームが入ってなかったら存在する価値がないのと同じだよ。──だから、ファンに恥ずかしくない戦いをして、胸張って1部に行こう!」


長い、沈黙が流れた。


「……どこからシュークリームが出てくるのかが、分かりませんけど。言いたいことは、まぁ、分かりました」


眉間にしわを寄せたままうなずいた江野の向かいで、めずらしく手ぶらな紀藤が、頬杖をついて神前を見る。


「それじゃ、何の解決にもなってねーけどな?」

「いいよ、それでも。おまえも、マコが正しかったんだって言っただろ。今からでも遅くないよ。選手はサッカーをやろう、全力で」


そうした先に、何が待つのか。

今はただ、考えることを避けて、問題から目をそらしているだけだと、神前も分かっていた。

だからこそ、噴き出しそうな不安にふたをしたくて、ことばを重ねる。


「俺たちが人より自信を持ってやれること、やるべきことは、サッカーだ。だったら、ごちゃごちゃ考えずに、今はここで、サッカーしよう。そして勝とう、最後まで──」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ