祝杯!
茘枝@九犬十愛 @redlitchi99 9月28日
クラスの子に誘われて、ひとりよかマシかといっしょに観戦行ったけど、もームリ!
好きな選手以外は存在価値ナシってこと?
相手にだって夢とか家族とかあるのに。
何であんなぼろくそに言えんの、あいつら…
「九月二十一日、第33節の長崎戦にて、めでたく来季の1部復帰が決まりました」
手にしたグラスを目の高さまで上げて、神前は頬をほころばせた。
「昇格、おめでとー! かんぱーい」
四つのグラスがテーブルの中央でコツコツとぶつかり合う。
「神前、焼肉にカルピスってどうなんだ」
「カルピスじゃなくカルピスチューハイだってば。マコのウーロン茶の方がどうなんだ」
「……俺のも、ウーロンハイです」
「嘘つけ。それはウーロン茶だろ。おまえ、肉焼く係な。酒飲まない罰」
トングを隣に座る江野に押しつけ、紀藤がごく、と生ビールをのどに流した。
「逢坂も誘ったんだろ。相変わらず、つき合い悪いやつだな」
「うん。逢坂は先約がどうとか言ってたから、たぶん羽角と飲むんじゃないかな、寮で」
「若いやつらは家飲みってほんとなんだなー。つまんねーの」
生ビールのジョッキをテーブルに置いて、橘がどこか寂しげに笑う。
「俺たちって、逢坂たちじゃなく橘さん寄りな世代なのか? んなことないよな?」
「おまえいつも、ゆとり世代ってくくられてるの見たら文句言ってるくせに。橘さんの世代といっしょの方がうれしいんじゃないの」
「というか。羽角もいっしょに来ればいいだけなんじゃ。ただの飲み会でしょう、これ」
「そうだな。誰かさんは飲んでねーけどな」
「……炭酸は苦手なんです。ビールでないなら飲んでもいいですけど」
「なーんだ。それなら、カルピスチューハイいっしょに飲もう?」
結構です、と即座に断わられ、神前はしょんぼりと肩を落とした。
紀藤に炭酸入りであることを指摘されて、すぐに復活したが。
「羽角は、誘ったら喜んで来たかもしれないけどさ。逢坂は、まわりに迷惑がかかるとおもったのかも。羽角の返杯攻撃って、キラーパスより怖いんだよ」
主に守備的なポジションをこなす四人は、紅白戦などで対戦したときに幾度か、羽角の鋭い縦パスでやられた経験を共有する。
「返杯? たしかあいつ、高知出身だよな」
ポケットからスマートフォンを取り出した紀藤が、何やら調べだす。




