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作戦名はKFJ!  作者: 十七夜
第33節 (A)
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GM滝田

  茘枝@九犬十愛 @redlitchi99 9月19日

 教室で鷹ネタが増殖中。

 誰担だの、誰推しだの、アイドルかっつーの。

 顔に対するコメントとか求めてないから、誰か、神の人のオーバーラップのタイミングについて私と語ってくんないかなー?





「直さん? そんなところで何やって──」


十センチほど、廊下の壁に張りついていた神前は跳び上がった、ような気がした。

甘く通りのいい声にふり返り、次いで、開け放たれたマッサージルームの中を窺おうとすれば、どこか胡乱うろんな目をした紀藤が先に室内から顔を現した。


「声もかけずにそんなところで何してる?」

「いやなんか、邪魔しちゃダメかなーと」


目を泳がせた先には逢坂が寄って来ていて、紀藤へお疲れさまです、と声をかける。


「おー、直! 遠征出発前に、おまえに用があったんだ。ちょうど良かった。あのな」

「……滝田さん?」


室内から聞こえた声に、逢坂が意外そうな顔をして、紀藤と神前を見比べた。


「長崎土産は、去年買ってきてくれた菓子の、なんとか満月となんとか三日月の、三日月の方ばっかりを頼む。これ、事務所のスタッフ全員の総意だから」


今度は、紀藤と逢坂がどちらともなく顔を見合わせる。

廊下に出てきた滝田にバシンと肩を叩かれた神前が、ぱっと顔を輝かせた。


「あれ、俺もおもった。とろり三日月の方が美味かったですよね! 三日月だけの箱がなかったら、みんなに行き渡るように買ってきます。任せて」

「何この会話。温泉旅行にでも行く気かよ」

「いや、もちろん、いちばんの土産は勝ち点で頼む。そうそう、大和。来月の、五輪代表のテストマッチな。協会のレターにはパスポートも万全、いつでも召集してくれってことで返してるから。呼ばれたらよろしく!」

「自分だけですか?」

「いや、レターは蓮とふたり分。俺、明日は試合行けないけど。みんな気をつけてな」


三人の肩を順に叩いてから、滝田は二階への階段を登って行った。


「紀藤さんて、滝田さんと親しいんですか」


紀藤はオフィシャルスーツの上着を腕に持ったまま、チームカラーのネクタイを弄ぶ。


「……まあ、隠しても仕方ないから言うが、ただ大学の先輩ってだけ。あーいう人だし、とくに親しいってこともないけど、他の選手よりお互い話しやすい部分はあるかもな」

「なんか、受け入れはどうとか、ベトナムがどうとか言ってたけど?」

「聞いてたのか。俺はいずれベトナムに行くことになるんで、その辺を相談してるだけ」

「ハ? 行くって何それ! 島流し的なやつ? おまえ、手段選ばずに、何かフロントの怒りを買うようなことしたんじゃ──」

「してねえよ。何が島流しだ、アホ」

「ベトナム? ベトナム……サッカーが強いのはブラジルか。どこか、その辺ですか?」

「その辺って、どの辺だよ、逢坂。ベトナムはアジアだぞ。サッカー的にはだいぶ弱い」


紀藤は紺色のズボンのポケットから取り出したスマートフォンで時間を確認する。


「まだ、出発まではだいぶ時間があるな。ロビーでお茶でも飲まないか。説明するから」




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