江野のカノジョ(仮)
茘枝@九犬十愛 @redlitchi99 8月01日
鷹のちらし、オカンがもらって来やがった!
写真が街頭ポスターと違ってゴール後の歓喜の輪なのは、楽しげでサッカーぽいかも。
茘枝@九犬十愛 @redlitchi99 8月01日
手描きのファルりんがやたらかわいい件。
これ描いたの選手って、マジなの、ヲタなの、画伯なの?とおもってサイト見たら、神の人だしww
「あ。江野さんの彼女さん!」
話しながら廊下を歩いていた神前と紀藤は、とっさに前を行く羽角の人差し指の先を見た。
クラブハウスの出入り口にあたる一階のロビーには自販機が設置されており、練習見学に訪れたファンなども自由に立ち入りができる。
そう広い場所ではないが、四人掛けのソファセットが三つあるため、選手へのインタビューなどもここを利用されることが少なくない。
ロビーの柱のあたりに、ふわりとしたトップスにパンツスタイルのすらりとした人影が見える。
やや上を向き、両手を上げた先には、よく見れば逢坂のすがたもあった。
「……たしかにきれいだけど、でけぇな。モデルみたいって、体型なのか。見ろ、ヒールなしで逢坂とあの身長差ってことは、おまえと同じぐらいはあるぞ」
紀藤が、神前の肩に腕を乗せる。
神前の身長は、一七〇センチ台前半。
サッカー選手としては小柄だが、女性の身長となれば相当に大きい。
「うーん。彩ちゃんに負けないくらい、美人。あれが、羽角と逢坂の髪を切ったひと?」
逢坂の髪を整えていた手を下ろした彼女の横顔に、控えめな微笑が浮かんだ。
肩につくほどだった逢坂の長髪は、今日行われる雑誌の取材が広報スタッフから告げられた二日後には、バッサリと切られてしまった。
額だけでなく耳も首もすっかりあらわになった逢坂は、あの髪は何のために伸ばしていたのかと首をひねりたくなるほどに、前にも増して男振りが上がっていた。
「そうです。この服、選んでくれたのも」
すそを引っぱって見せるぼかしの半袖シャツは、うすいレモンイエローが羽角によく似合っている。
「逢坂の、あのTシャツもなんだろ。スカル柄も藍染めってだけでイタさが抜けて意外におしゃれに見えるもんだな」
「うん。でも、俺たちが着たってああも爽やかにはならないはず。逢坂だからだって」
三人がロビーに足を踏み入れるのと、逢坂から離れた彼女が出入り口へと向かって動いたのとは、ほぼ同時だった。
「あ、こんにちは。この前は、いろいろありがとうございました」
声をかけた羽角のすがたを認めたとたん、すかさずバッグの中からコームを取り出し、羽角の髪も梳かしにかかる。
ほぼ正面から顔を見た神前は、小首をかしげた。
「……あのう。前にどこかで会いませんでしたか、俺たち?」
問うた神前の腕を、あわてたように紀藤が引く。
「おい、神前、おまえな──」
「……高校生のときに、よく、ユースの練習を見に来ていたので」
困ったような笑みを神前に返すと、丁寧な会釈だけを残して彼女はあっという間に立ち去ってしまった。
「に、逃げられた……?」
「つーか! ナンパなんてできないんじゃなかったのか。何で寄りによって、江野のカノジョ、カッコ仮、を口説こうとするんだ。相手選べ、つか、せめて場所は選んでくれ」
「ち、ちがっ。ナンパじゃない。するわけないから。ほんとにどっかで会ったような気がしたから訊いてみただけだろ」
「じゃあ、逃げられたって何だ。ああ?」
「ふたりのお礼言ってないし、マコのことも挨拶してないのにってことだよ、バカ。ナ、ナンパしてるとおもわれたのかな? でも、向こう、俺のこと知ってなかった?」
「だな。少なくとも、江野のユースの先輩だってことは知ってたとみえる」




