協力依頼
茘枝@九犬十愛 @redlitchi99 7月20日
今日はカン愛のイケルの誕生日!
イケ×星画がアップされまくりで幸せすぐる。
来週は、五条の誕生日も来るし。
リアルに夢中になる意味がわからんw
「──と、いうわけで。おねがいします!」
背の低いテーブルに、勢いよく下げた頭が、ごつ、とぶつかった。
「ちょっ、頭下げるの、やめてください」
あわてた羽角の声を聞いても、痛みでちょっと涙目になった神前はすぐには顔を上げられない。
場所は、寮の二階にある羽角の部屋のほぼ中央。丸いテーブルは冬にはこたつになるらしく、ぶつけた拍子に天板がわずかにずれた。
「お金のことで選手の契約に影響が出るかもって話は、こないだのミーティングの説明で分かりましたけど。だから、観客を増やそうっていうのも分かります。でも、今の話ってそれとは別で、逢坂が売られそうだから、オレに協力しろってことなんですよね?」
「う、うん……」
「でもオレ、レンタルで、完全にここの選手ってわけじゃないし。逢坂が売られちゃってもとくに何ともおもわないっていうか。何でオレがあいつのために、あいつといっしょに、苦手な広報活動とかしなきゃなんないの、ってかんじなんですけど」
神前はそっと顔を上げて、そっぽを向いたきれいな横顔を見つめた。
長いまつげも、形のいい赤いくちびるも、こうあるべく女の子は化粧をするんだろうな、とおもえるくらいに見事だ。
「は、羽角は、逢坂のこと、きらいなの?」
「きらいです。あいつ、何でも出来て、愛想もやたら良くて、オレとは正反対だし」
しょんぼりと肩を落とした神前を、ちら、と羽角は見る。
「まあ、オレがパスのコントロールをミスっても、うまく反応してミスじゃなくしてくれたりするところには、助けられてますけど」
パッ、と神前が顔を上げると、またふいっ、と羽角は視線をそらした。
「でも、嫌いなものはきらいです。横に立たれると、どっか行けってぐらい、でかくて鬱陶しいし。あいつとふたりで並んだりしたら、ぜったい比べられるし」
神前の脳裏に、逢坂の長い脚が浮かんだ。
言われてみれば、あの横に、ましてや私服姿でなんか、どう考えても立ちたくない。
男として、その気持ちは神前にもすごくよく分かった。
「第一、子供のころからずっとここにいるあいつと、レンタルのオレなんて、いっしょに売ろうとする意味が分かりません。立派なカツオの横にしょぼいえびを一匹置いたって、そんなおまけはべつに要らないから、って言われるのがオチじゃないですか」
言わんとすることが分かるような分からないような例えに、神前は首をかしげた。