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secretGARDEN『if』  作者: 蜜熊
『if』IN The lastDay of TheSummer
9/22

8月31日



また最後の1日が始まる。始まりはいつも突然で、始まりはいつも同じところから。

何度も繰り返せば、どこでどうなるのか位はわかるけど、それは言えないし気づいてもいけない。


走ればまたあいつの姿が見える。無理やり笑おうとしているのがわかる。


わかるから辛いけど、辛いと思われる顔は出来ない。


アイスの味は変わらないのに、喉を過ぎる感じが冷たすぎる。あいつの手からアイスがどろりと溶けているけど、それを当たり前のように心配することしか出来ない。



----------------------------



8月31日



暑い、うだるような夏休みの最後。

明日からは学校が始まって、明日からはいつもと同じような毎日が始まる。


隣には当たり前のようにあいつがいて、勉強がつまらないとか学食のメニューがどうこうとか、そんなことを話しながら文化祭とか体育祭とかのことを考える。


・・・そんな日が来ればいいのに。どうしてそれが叶わないんだろう。


ずっと一緒にいたいのに、こうやって最後の1日を繰り返す事しか一緒にいることが出来ない。


一緒にいたい、けど苦しむ顔は見たくない。


一緒にいたい、消えたくない。


だけど、涙を我慢するあいつの顔は・・・こんなにも苦しい。


----------------------------


8月31日



夏休みの最後。相変わらず蝉の音がうるさい。


車のブレーキ音も、冷蔵庫の唸るような音も、子供の笑い声も、知らない男の泣き顔も、何もかも。


痛みは一瞬で、衝撃はあっという間で、だけどあいつの悲しむ顔だけはいつまでもいつまでも繰り返される。


大好きな親友、だから一緒にいたいのに、一緒にいたら傷ついて悲しむのはわかっている。


夕方の公園で子供の笑い声が聞こえる。


・・・そっか、もう夏休みも終わりなんだよなぁ。


出来れば今日は1日中、あいつと一緒にいたいな



いつまでも一緒に・・・いたいのになぁ・・・


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