⑤
ここまでの結果
ゆずる 人狼 (周りには本物か人狼、多重人格者だと思われている)
斗真 占い師 ×(周りには本物(占い師)か村人(多重人格者)と思われている)
信長 ??? 人狼?霊媒師?多重人格者?
國鷹 村人
周 ???
大帝 村人?
虎 村人
メアリー 村人
正親 ??? 人狼?霊媒師?多重人格者?
※ただし村人ととして処刑された中に騎士または多重人格者が潜んでいる可能性あり
初日
昼:メアリー
夜:國鷹
2日目
昼:虎
夜:斗真
騎士による防衛はなし
「あらあら、このままいけば村は全滅ね。じゃあヒントをあげようかしら」
流れを見ていた女性が嬉しそうにこの危機的状況を見ながら口を挟む。
確かに村人としては危機的かもしれないけれど、人狼側としてはその一言が逆に危機的状況になりかねないから遠慮してもらいたいけど、そんなことも言えない。
「“人狼側はあと2人”いるわ」
それはつまりみんなにしてみれば人狼が2人いるか、または人狼1人に多重人格者1人いるという結論になる。
多重人格者2人残っていてもその場で人狼ゲームは終わってしまうし、1人でも人狼が残っていればゲームは終わらない。
私は人狼側でもう1人がちゃんと残っているのを知っているから、ここに多重人格者がいないことはわかっているけど、それを宣言出来ない。
「ここはゆずるを処刑した方がいいな」
「う…っ」
「理由は?」
正親さんがあっさり私の処刑を決めると、今にも何か文句を言いそうな信長さんの横にいた周さんがじっと正親さんの目を見ながら真意を確かめようとしている。
「騎士がいないのはわかったし、人狼側に2人いるのもわかった。残して怪しいヤツを占ってもらってもかまわねぇが、こいつを処刑して結果が黒(人狼)ならあのガキが本物だったとわかるし、白(村人)ならゆずるかガキのどちらかが本物でどちらかが多重人格者だったとわかる」
「しかし場合彼女が多重人格者でそこで終わらなかったら残りは人狼が1人残ってることになるが、占い師(本物)だったらそこで終わりになるだろ」
「な…なるほど…」
正親さんと周さんが展開している推理になるほどと言ったはいいものの、内容が全くついていけない。
黙って腕組みをしながら話を聞いているリヒャルトさんはわかっているような表情をしているけど、信長さんは頭から湯気が出そうな勢いだ。
「どう考えてもこいつはクロ(人狼)だ」
「……」
「……」
(その通りなんですけど……)
今言ってしまったら物語にならないからせめて小さくなって黙っていることしか出来ない。
みんなの憐れんでくれる視線が痛い。
「人狼が1人残った状態で3人残れば、後は決戦投票にかけるしかねぇな」
とりあえず流れ上私が処刑されるのが決定なのはよくわかった。占い師がここで残っていても次の日ピンポイントで人狼を当てられる可能性があれば残してくれたかもしれないけど、全く意味のない人を占っている私を残そうなんて考えはやっぱりなく、一斉に指差されたままブラックアウトすれば、いつの間にか夜のターンが終わっている。
(そっか…処刑されちゃったからわからないのか)
「恐ろしい夜が明け、朝がやってきました」
『今回の犠牲者は…』とセリフが続き、みんながまだ人狼が残っていることを確信する。
ここからは決戦投票だ。占い師を宣言する2人が私を本物だと言い当てると、後はもう3人の内だれかが“人狼”ということの他に間違いはない。
「誰が人狼だ?」
その声にそれぞれがそれぞれの顔を見た。




