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素敵にウィッシュボーン  作者: CoconaKid
第三章 惑わされて悩んで
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 マシューが自分のボーイフレンドだなんて、夢のようで、考えるだけでムフフと気持ち悪い顔になってしまう。

 言葉は英語、人種は違う、自分とは全く住む世界が異なる人と恋仲になるなんて、すごいものを手にした気分だった。

 ロマンティックな環境を沢山用意され、私の事を好きになって、ましてやまさに王子様なんだから、これで恋に落ちないわけがない。

 恋するって、舞い上がることでもあり、自分の満足度を高めてくれるものでもある。

 そうなると更にエスカレートして、調子に乗って嫌な部分が出てくるから困ったものだった。

 いいだろう、いいだろう、などと、あれだけかっこいから自慢したくなるのだ。

 恋をして女性は変わるというが、磨いて奇麗になる人もいれば、ちょっとお高くとまり、上から目線になって自分のすごさをアピールしたくなる人もいる。

 その気持ちもわからないではない。

 でも私は、まだどこかで落ち着かず、足元は不安定でヨタヨタしていた気がする。

 マシューに好かれるために、もっと可愛くなりたい。

 マシューのかっこよさに酔いしれて、人に自慢してみたい。

 そうは思っても、やっぱりまだ慣れないだけに、この先どうすればいいのだろうと、心配の方が大きかった。

 ここまで好かれたんだから、後は嫌われたくない守りがどんどん強くなっては、本来の自分じゃない感じもする。

 少し背伸びをして無理をするような感じ。

 だから、恥ずかしいことは絶対したくないし、できないし、トイレに行くのですら嘘ついてしまったくらいだから、この日まさか明日の訪問を約束した後に悲劇が起こるなんて想像してなかった。

 女性なら分かると思うんだけど、毎月必ずやってくるアレ。

 時々お腹も痛くなって、常に神経質になっては落ち着かない日が約一週間続くアレ。

 浮かれすぎていて、それが来ちゃうことを忘れていた。

 明日、この調子ではマシューに会うのが困難になってしまう。

 トイレの問題があるし、アレの問題を抱えたまま、そのためのものを用意して遊びに行くなんてすごく抵抗がある。

 どうしたらいいのだろう。

 もんもんと考え続け、どうしても不安と不快感と恥とその他もろもろの事が次々にあふれ出して、気持ちも神経高ぶってるだけにダメ、やっぱり行けない。

 始まって一日、二日が一番しんどいときだし、もしそれを悟られたら超恥ずかしすぎる。

 さらにイライラしたらどうしよう。

 悩んだ末、その晩、マシューに電話を掛けた。

「(マシュー、ごめん、明日いけなくなった)」

 理由は聞かないで欲しかったのに、マシューはやっぱり「Why?」と返してきた。

「(テストがあったの思い出して、必死で勉強しないと間に合わないの。ごめん)」

 嘘も方便、またwhite lie。

 だけど嘘ついてばっかり。

「(ほんのちょっと顔を見るだけでもだめ?)」

 それくらいいいかなと思ったけど、またずるずるして、トイレ行くことで悩んだら怖くなるのでやっぱり「うん」とは頷けなかった。

 どんどん嘘をついていく。

「(そうなったら、また浮かれてしまって勉強できなくなりそう。勉強に集中するためにちょっとだけ待ってもらえる?)」

 マシューは私の嘘を信じて疑わない。

「(うん、そうだよね。勉強も大事だよね。その気持ちよく分かる。キョウコに迷惑かけるのはよくない)」

「(ごめんね)」

「(一生懸命勉強しているキョウコが好き)」

「(ありがとう)」

 ほんとはそんな理由じゃないんだけど、でもどうしても抵抗があってこんな日は会いたくない。

 こんなこと男性にはわからないだろう。

 すごく繊細な日で、絶対に男性には知られたくない。

 ましてや付き合ったばかりでいつでも何しても恥ずかしい時期に、自分が生理になったなんて思われるのは辛い。

 まだまだ二十歳そこそこの乙女なの。

 こういう事がとても恥ずかしく感じることなのだった。

 なんとか難を逃れたけども、いつも嘘ついてしまうことがとても自己嫌悪。

 どれも生理現象なだけに、名前からしてそのまんまだけど、そういう事をまだオープンに話せない恥じらいというものがある。

 何年も付き合って、お互いを理解してある程度の恥にも慣れたら別だけど、付き合ってまだ2,3日ですぐに言えることでもなかった。

 そうして、また危機はなんとか回避できた。

 全てが落ち着いたら、障害はないと安心して会いにいける。

 その時を乗り切るためには完全なる状態じゃないとやっていけない。

 次、会う日まではなんとか電話でやり過ごして、おしゃべりして、気分だけは高めておく。

 そして体調が整って、これで落ち着いた状態に戻ることができて、やっとまた会う約束を交わした。

 私も一難去ってほっとしてるから、幾分気が楽だったが、嘘ついた負い目があるだけに顔を合わすまでがまだ不安だった。

 そうすると会いに行くという事が新たな課題のように思えてくる。

 とにかくそれをこなすために、約束の日、授業が終わった後、マシューの寮に向かった。

 その時、会うことだけに集中していたから、なんか大変な事を忘れていた。

 私達すでにキスを済ました後だった。

 そして彼の寮に行ったとき、ルームメイトたちは誰もいなかった。

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