第六十七話・乾を旋らし坤を転ず
一通り事実や心情の整頓を終えた彼女は、机や椅子等の家具たちを使って積み上げたバリケードを、一つ一つ退かして元の場所に戻す作業に入っていた。
「……っく、お、重い……」
いくら彼女が“テルニア”でも、意識して人外の怪力を発揮する事は出来ないらしい。これまでの出来事から考えるに、彼女の人外の能力は、余程切羽詰まっている時でないと発現しないのだろう。
既にあらかた家財類は元の場所に戻し終えたが、最後に残った大きな本棚が曲者だった。数多の本により棚の八割弱が埋め尽くされたそれは、ラスボスの風格を伴って彼女の前に立ち塞がっている。
もし横倒しにしてしまうと、彼女の腕力ではどうしようもなくなってしまう。そうならない様に慎重に力を込め、ぐいぐいと押して元の場所に移動させる。
「よし……」
たっぷりと時間をかけて、無事本棚を元に戻す事に成功した。両手を軽く払い、元に戻した椅子にぽすりと腰掛け脱力した。
じっくりと事実を振り返って確認し、複雑怪奇に絡み合っていた矛盾を解明した彼女は、一つの結論を導き出していた。心身を落ち着ける様に深呼吸をしながら、彼女はそれを胸中にて反芻する。
(わたしの望みは、これまで通りの日常。
わたしの責めは、全てを捨てる事。
二兎を追う事は出来ない。だから、絞らなければならない)
長い思索の結果、導き出された二つ。後は、この選択肢の内どっちを選ぶかを決断するだけだった。だが、今彼女の元に有る材料だけでは、正しく判断をする事は難しい。
(皆の話を聞いて、決める……願望か責任か、どちらを取るかを)
このまま主観で考えていては埒が明かない──その所為で五日間思考が膠着状態を続けてしまったのだから、それは確定的な事実だ。しかしどんなに自分の姿を俯瞰で見ようとしても、完全に主観を捨て去るのは難しい。
だから、他者の言葉が必要だ。未だやじろべえの様に均衡を保ち続ける天秤を、一気に傾けてしまう為に。
どんな台詞をぶつけられようと、全て受け入れる覚悟を決める。どんな結果になろうと、粛々と受容するという決心をする。一つ一つそれらの心持ちを整えていると、不意に外から沢山の足音が聞こえて来た。
それと同時に、どこか真摯なシィの話し声までもが耳に届き始める。白矢やテナの物と思しき険しげな台詞も有り、どうやら向こう側でも重要な話をしているらしい、という事が推測出来た。
(……ちょっと、出づらい)
気まずさが鎌首を擡げ、扉を開けて出て行こうとする彼女の足をまごつかせる。シィたちの話し声をBGMに、彼女は暫しの間部屋の中をうろうろとした。
(ええい、ままよ!)
やがて彼女は意を決し、ドアノブに手をかけ思いっきりそれを回す。すると、向こうからシィの驚く声がした。つられて彼女も驚いたが、すぐに気を取り直しドアを押し開ける。
六日ぶりに開けたドアの向こうには、良く見知った顔が勢揃いしていた。ぐったりとしたムゥを肩に担いだシィや、何だかキリッとしているラシェ、みるみる表情を明るくしていくテナ、相変わらず機嫌の悪そうな白矢。そんな彼らの顔を見渡しながら、彼女は張り詰めた面持ちで口を開いた。
「ええと、お、お久しぶりです。皆さん、お揃いで……」
緊張のあまり、頭が真っ白になってしまいそうになる。だが彼女はどうにか思考を繋ぎ止めると、相手が何かを言い出すより先に言葉を続けた。
「ずっと引き蘢ってて、ご迷惑をおかけしました。本当にごめんなさい。
それと、何を今更、だとか言われちゃうかもしれませんけど……わたし、皆さんにどうしても聞きたい事が有るんです」
「……な、何だ」
そう応じたのは、戸惑いと歓喜とを綯い交ぜに浮かべているテナだった。それを受け、彼女は全ての覚悟を完了させて一つの問いを放つ。
「皆さんにとって、今ここに居る『わたし』とは、何なのでしょうか?
『わたし』は、何である様に見えますか? 何者の様に思えますか?」
失われかけのアイデンティティーを、彼女は諮る。すると相手は考え込む様に、言葉を選ぶ様に押し黙った。
あまりに長い静寂。まさか、この沈黙こそが彼らの答なのか──そんな考えが脳裏を過る。だがそれは、やがてテナの声によって破られた。
「おまえは、ユイカだ。……ユイカは、おまえだ。オレを『テナ』に、してくれたのは……おまえだ。
だから、少なくとも……オレにとっての『ユイカ』は、おまえなんだ」
大きくはない、寧ろ小さいと言える、だがしっかりと空気を振動させる低い声。その声を蕩々と発しながら、テナはすっと彼女に近づき、手持ち無沙汰に彷徨っていた両手を取った。
一週間近くの断食によってか、彼女の体温は随分と下がってしまっている。故に、自身の手を取ったテナの掌が、これ以上無く温かいものであるかのように感じられた。
「誰が何と、言おうと……オレがそれを、保証するぞ。おまえの正体が、何だろうが……ユイカは、ユイカだ。
……そうだろう?」
彼は語尾を上げながら、同意を求める様に後ろの者たちに視線を向ける。それに対し、白矢はフン、とわざとらしく言いながら彼女を睨みつけた。
「んなもん、決まってんだろ。あんたはあんただ、それ以外の何者でもねー。
まぁ、色々と不明瞭だがよ、ここで生きて来た半年ちょいは、間違いなくあんた自身の物な筈だ。確かに、“テルニアルース”とかいう種族はわけわかんねーし、こえーけど……」
テナを杖で追い払う様にしながら、白矢は彼女の元に寄り片手で彼女の耳を引っ張る。予想以上に強い力で引っ張られ、軽く体勢を崩しかけてしまった。
「僕がほんのちーっと怯えただけで本気で悩むような奴、全っ然怖くなんかねーわ」
そう言う彼を見上げてみれば、サングラス越しの淡い青の三白眼と視線が交差する。その表情や言い方こそは人を小馬鹿にした物だったが、その言葉は間違いなく彼女を慮る内容であった。
予想以上に好意的な返答に、彼女はやや呆然としてしまう。ぽかんと言葉を失っていると、今度はシィが口を開き始めた。
「ボクとしては、というか、これは竜共通の考えなんだけどさ。『スワンプマン』っていう思考実験、知ってる?」
「え……あ……あ、はい。知ってます」
「そうか、なら話が早いね」
どうしてもその片腕で米俵の様に抱えられているムゥの姿が気になって仕方が無いが、何とかそれをスルーすると、シィの言い出した思考実験の話に意識を切り替えた。
『スワンプマン』。前読んだ何かの小説で、作中に出ていたような記憶が有る。彼女はそれを素早く追想した。
まず、とある男が、沼のすぐ側で雷に打たれて死ぬ。それと同時に、別の雷が沼に落ち、それによって謎の化学反応が発生して、死んだ男と全く同一の生成物──沼の男を作り出してしまう。確か、そんな話だった筈だ。
「これは人格の同一性を問う物なんだけど……ボクたち竜は死んだ男と沼の男は同一人物である、って事にしてるんだよね。
そうしといた方が、しょっちゅう物質体だの何だのを消したり作ったりしてるボクらのアイデンティティーも、しっかり保証出来るからね。
特に、沼から帰って来た後の方しか知らない者にとっては、本物にしか思えないと思うよ、実際」
自分たちを引き合いに出しながら、シィは軽くウィンクしつつ、ぐるりと他の者にも目配せをした。その様子を眺めながら、大分話の全貌が見えて来た事に、彼女は知らず知らずの内に息を呑む。
「つまり……それをわたしの現状に当てはめて考えてみろ、という事ですか?」
「うん。キミは“テルニア”の船に乗ってやって来たんだ、そういう事にしちゃえばいい」
彼女が口にした言葉を、シィはにこやかに是認した。次いでラシェがぴょこんと顔を出し、何とも辿々しい臼木語を紡ぎ始める。
「えと……わたし、難しい事、分からない。皆、何、言っている、分かる、ない。だけど、ユイカ、不元気なの、やだ。元気、なって欲しい」
「……ラシェちゃん」
「だからね、元気なって。そしたら、わたしも元気なるから!」
とてとてと歩いて来て、ラシェは小さな手で彼女の服の裾を掴む。澄んだ金色の瞳が、真っ直ぐにこちらの目を射抜いていた。少女はまだまだ貧弱な語彙で、精一杯に彼女を元気づけようと言葉を探している。
そのさまに、彼女は涙声になってしまうのを抑え込めなかった。ぐちゃぐちゃに歪む顔を見せたくなくて、とっさに両手で顔面を覆う。
「……わたし、は」
くぐもった声で、彼女は弱々しく言葉を発し始める。自らの理解の正誤を確かめる様に。
「わたし、これからもこのままで……『唯華』のままでいて、良いのですね?」
「もちろん、だ」
「ったりめーだろ。んな事咎める奴なんざ、この世に居やしねーんだし」
テナがすかさず頷く。同時に、白矢は眉間に皺を寄せたまま、しかしやや柔らかになった声音で肯定の言葉を口にした。唯華はぐしぐしと目元を袖で拭い、何とか表情を整えて顔を上げる。
「ありがとう、です。わたし、ずっと不安定で……分からなくて……」
溢れる程の優しい承認が、失われかけていた唯華の自己同一性を繋ぎ止めてくれた。先ほどまでどこかふわふわと漂っている様な心持ちだったのが、しかと地に足を着いて立っている様な気分に戻って来る。
そうしてやがて頭が落ち着いて来た所で、彼女は声から震えを取り除き、こう言った。
「あの、わたしが引き蘢っている間に起きた事とか、聞きたいです。それから、ムゥさんの事も」
シィに荷物の様に持たれたまま、ぴくりと動く事もしないムゥの姿に目をやる。すると、すぐ隣に有るシィの顔に、何だか意味深な表情が浮かべられた。
唯華はまず、身なりを有る程度調えた。先ほどまでは色々と極限状態に近かったので気にしていなかったが、ずっとお風呂にも入っていなかったのだ、そんな状態で腰を据えて話をする気にはなれない。
それに、精神状態がまともになれば、身体もこれまで通りの動き方をし始める。眠気は気合いで追い払えたが、空腹感だけはどうしようもなかった。ので、いつもの様にテナに手伝ってもらいつつ、すぐに完成する物を作って食べた。
そして体勢が整った所で、いつもの集合部屋に向かう。この部屋に来るのも何だか久しぶりだな、と感慨に耽りつつ、また今度掃除をしなくては、と所々にうっすら積もった埃を認めつつ決意した。
六日ぶりに座る自分の椅子に腰を下ろし、唯華は皆に視線を送る。すると、最初に白矢がこれまでの間に有った出来事について、腕を組んだまま話し始めた。
「あんたが参ってる間に有った事といや、そうだな……まず、“異客”を迫害する風潮が出て来て、んで沈静化した」
「沈静化したんですか」
「ああ。意図は良く分からんが、竜族の奴らが矛先を逸らしてくれた」
そこで白矢は一旦言葉を切り、ギロリとサングラス越しの凶悪な三白眼でシィを睨みつける。憤りを体現させるかの様に長い耳を震えさせながら、ドスの利いた声を吐き出した。
「シィ。あれの意図は何だ? どうせああするなら、もっと早くは出来なかったのか?」
「ボクたちは、ただ誤って広まってしまった情報を訂正しただけ。遅くなった理由は、単純にあの時まで手が空かなかったから」
「……そうか」
淡々としたシィの返答に、これまた淡々としたテナの台詞。その余計な物を全てこそぎ落としたような淡白さは、彼女の言に嘘偽りが無い事をこれ以上無く雄弁に語っていた。
白矢は何か言いたげに唸ったが、あまりぐだぐだと口論して話を長引かせる事を厭い、一先ず閉口した。血の上りかけた頭を冷やそうとしながら、彼は次の話を始める。
「で、世界中に蔓延した歯車も、何か消えた」
「消えたんですか」
「ラァが星の“意志”と掛け合って、上手い事収束する様にしてくれたのさ」
シィにそう言われて窓を注視すれば、正常な晴天が目に入った。異常の終息にほっとする反面、“ネームレス”の痕跡がまた一つ無くなってしまった事に、名状し難い寂寥を覚える。
(もうちょっと、ゆっくり話したかったな)
過ぎた事を思っても致し方ないが、そう念じざるを得ない気分だった。もし“ネームレス”と十分な交流を持つ事が出来ていたら、もっとマシな結末になっていたかもしれない。何時しか此岸花を託した時の彼女や、“セリアメーニェ”の領域で話した時の彼女の表情を想起すると、本当にそう思う。
「ま……特筆すべきはこんなもんだわな」
そんな唯華の思案を知る由も無い白矢は、そう話を締めくくった。一拍程の間が生まれるが、それはテナによってすぐに破られる。
「……なら、次だ。そこの奴の、事を……」
ぼそぼそと言いながら、彼はシィの隣に視線を突き刺す。そこには、気絶したままぐったりとソファに座らさせられているムゥの姿が有った。
シィ曰く、彼はここに訪れるのを強く拒絶したらしく、仕方が無いので気絶させて連れて来たらしい。竜族はアルシード最強の種だが、格上の同族にかかれば気絶させる事も可能なのだろう。
「ん、分かった。唯華ちゃん、良いかな?」
「はい、問題有りません」
何にせよ、ムゥとはちゃんと決着をつけなければならない。そう唯華が淀み無く答えると、シィは徐にムゥの頭に手を乗せた。
「ほら、起きなよ」
彼女がそう呼びかけると、ムゥの閉じられた目蓋の下で眼球が動くのが捉えられた。間もなく彼はぼんやりと半目を開き、視界の焦点を合わせようと瞬きを繰り返す。
「ココ、は……」
「お久しぶりです、ムゥさん」
いまいち人心地のハッキリしなさそうな顔をしているムゥに、唯華は普段通りの態度で話しかけてみる。すると、彼は急速に正体を取り戻し、みるみる表情を歪ませていった。
「ゆ、ゆ、ユイカサン……!?」
「はい、わたしです。気分は如何ですか?」
唯華はそう答えたのだが、ムゥはそれも聞こえていない様に混乱を深くしていった。彼は暫しの間忙しなく周囲を見渡して、以前より大分鈍くはなったものの相変わらず明確な敵意を浮かべているテナや白矢、そこまでではないが警戒を怠らないラシェとシィの姿を認める。
そうして状況を把握すると、ムゥは唯華の顔に視線を戻した。見開いていた菫色の瞳を神妙に閉じ、その顔色を比較的普段通りに近いものにする。
「……ワタシはとんでもない事をしでかしマシタ。アナタ方の怒りはごもっとも。如何なる報いも、甘んじて受け入れマショウ」
彼は頭を垂れさせながら、震える声を紡いだ。前非への悔悟に押し潰されそうな様子を見せる彼に、唯華は言葉を投げかける。
「まぁ、やられた事はとても酷い事でしたし、痛かったし怖かったし、今でもちょっと怖いです」
「……本当に、申し訳有りマセン」
「ですけどね、わたしはもう怒っていませんよ。だって、ムゥさんはちゃんと謝ってくれましたから。この通り、五体満足で今も生きていますし」
ひらひらと左手を軽く振ってみせる。ムゥによって切り落とされた左腕は白矢によって、歯車の侵食を受けた右腕は竜王によって、それぞれ治療され元通りの姿に戻っている。記憶には鮮烈に残っているが、逆に言えばもうそれしか残っていないのだ。
「だからまずは、わたしはあなたを許します」
張り詰めた空気の中、放たれた唯華の言葉に、ムゥはやおらに頭を横に振った。その仕草の意味を察する事が出来なくて、唯華は戸惑う。
「ワタシの所業は、そんな台詞だけで許されるモノではありマセン……」
そんなか細い声に、唯華はいよいよ本格的に対応に困ってしまった。手がかりを探す様に彼女は他の皆の様子を見回しながら、ううんと考え込む。
唯華はもう完全に許す気でいるのだが、他の皆はムゥ含めそれでは不満なようだ。やっぱりけじめが必要なのかな、と思いながら、彼女は軽く両手を握りしめながら立ち上がる。
「……分かりました。なら――」
徐にムゥの元まで歩き、そして彼の目の前で立ち止まった。一つ深呼吸をして雑念を追い払うと、彼女は右腕を思いっきり振り上げる。
「こうですッ!」
パン、と、景気の良い乾いた音が響いた。それは、勢いを付けて振り下ろされた唯華の掌が、ムゥの頬を引っ叩いた音だ。間の抜けた顔で左頬に手を当てる彼を見下ろしながら、唯華はヒリヒリと痛む右手をぐっと握り込む。
「痛いですか?」
「……エエ」
「ならこれと、後で竜の角とかを触らせてくれる権利を下さい。それでおあいこです」
「つ、角、デスか……? 良いデスけれど……それだけで許せるのデスか?」
「わたしにはあなたの腕を切り落としたりする程の度胸は有りませんし、これで終わりにしちゃいましょう? ずっと引きずるのは良くないです」
他人に手を上げた事なぞ、これまでも数える程しか無かったのだ。もっと切羽詰まった状況だったなら分からないが、現状ではこれ以上の暴力を振るう勇気は湧いて来なかった。
「皆さんも、それで良いですよね?」
「……ユイカが、そう言うなら」
「ケッ、いまいち釈然としねーが、良いって事にしておいてやる」
「今回、キミの決定に異存は有り得ない」
「え……? えーと、うーんと、よいのでは?」
無事に同意を得られたので、唯華はムゥの手を取り、視線を合わせる様に膝を折った。締まり無く見開いた双眸を彷徨わせる彼に、唯華は優しく声を掛ける。
「そういう事です。人間とか“異客”とかが嫌いなのは、すぐには解決出来ないでしょうけど……」
「まぁ、不可能デショウねぇ。それがワタシの人格を形成していマスから。デスから、ワタシは――」
決別を口にしようとするムゥを遮る様に、唯華は首を横に振った。一瞬彼が言葉を途切れさせたのに割り込む様に、素早く口を挟み入れる。
「いいえ。抹消する事までは出来ないかもしれませんが、薄める事は可能だと思います――いえ、可能です。
現に、あなたは今、わたしを殺しにかかって来ていないのですから」
断定口調で言い直し、その根拠を確言する。そうすれば、ムゥは漸く常並の面相に戻り、呆れ混じりの皮肉っぽい笑顔を浮かべ、確かに唯華の方へと向けて見せた。
「仕方が無いデスね。アナタがそこまで言うのであれば、ワタシもトラウマの克服に努めマショウ」
如何にも『慇懃無礼』という四字熟語の似合うその声音を聞き、やっといつものムゥが戻って来た、と唯華は安堵する事が出来た。




