第2幕 オウムの血
奏麗が家族をなくした日からもうすぐ2年。
今年4才の奏麗は見習い女官になるための試験を受ける。
彼女が受けるのは宮中において、王族の食事をつくる水刺間(スラッカン)という部所の試験。
彼女が受ける部所の候補は他にもあったが、水刺間をうけるのは、中でも料理の腕と、学問の才がずば抜けていたからだ。
水刺間の女官になるには、まず、女官見習いになれなければならない。
彼女たちに要求されるのは高い教養と料理の腕と膨大な知識。
知識は、料理のみならず、歴史なども求められる。
それらのことを頭の中で考えながら、奏麗が歩いていると最初の検査を行う場にきた。
そこには多くの女の子が集められていた。
検査は簡単。
オウムの生き血を腕に一滴落とし、それが流れなければいい。
広い部屋に尚宮(サングン)の声が響き、奏麗たち女官見習いの候補は真剣に耳を済ませた。
「ここでは、お前たちが処女であるかをしらべる。
女官とは王さまの女です。
よって、女官は処女でなくてはならない。
昔とある仙女が人間の男に恋をした。
だか、その男はその仙女を殺してしまった。
仙女の怨念はオウムとなり、今でもその男を見張っている。
それ以来、オウムの血は処女であるかないかを判断するのに用いられるようになった。
血が流れれば処女ではない。
よって女官にはなれぬ。」
次々と検査が終わり、奏麗もすんなり通過した。
検査を終えた子供たちが尚宮に連れられてやってきたのは
宮中。
ここから彼女たちの新しい生活が始まる。