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第1幕 絹織物
翌日、目をさました奏麗の横にあったのは絹でできた、チマチョゴリ。
ついで、どこからか木綿の服をきた数人の侍女が現れた。
「お着替えのお手伝いをさせていただきます。」
一人の侍女がそう言うと、寝間着を脱がされた。
奏麗はどうしていいのかわからず人形のようにじっとしていた。
着替えが終わると義母を紹介された。
少しふくよかで、優しい面差しの女性だった。
「私とあなたの義父には子供がおりません。
この家、つまり蒼(ソウ)一族は代々、宮中で様々な部所の最高尚宮(チェゴサングン)をつとめてきました。
よって、あなたにも宮中で最高尚宮になってもらいます。
また、私たち一族の名に泥をぬらぬよう明日から礼儀作法を習ってもらいます。
昨夜連絡があり、来年は女官をとらないそうなのでその次をねらいます。
いいですね。」
その日からだった。
朝は起きたその時からひたすら礼儀作法を叩き込まれ、平行して料理、繕い物など、どの部所についてもいいよう教育された。
奏麗はひたすらにこれをこなした。
ただ、ひたすらに。
まだ、この世に生を受けて、2年と半年。
真っ赤な紅葉が舞い散る秋のこと。