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第1幕
両親が亡くなってから3日後、奏麗は目覚めた。
そして奏麗が、起きたことに気づいた侍女は彼女は、朝鮮の貴族にあたる両班(ヤンバン)に引き取られたのだと話した。
通常そんなことはあり得ない。
まだ2才の奏麗にも十分わかることだった。
それに、奏麗は町で噂の神童だった。
だからこそ、はっきりとわかる。
「嘘、、」
そんなことはあり得ない。そう、頭の中で響く。
「本当のことでございます。奏麗"お嬢様"。
また、お嬢様におかれましては、来年より王宮へ女官見習いとして上がっていただきます。」
「え………。」
突然の両親の死、突然の養子縁組。
なにを言われても混乱するばかりだった。
だが、次の日から否応なく"お嬢様"になったことを思い知らされた。