軍隊内の民主運動 (一九四八年一月三十日)
これは、毛沢東同志が中国共産党中央革命軍事委員会のために起草した党内指示である。
部隊における政治工作の方針は、兵士大衆、指揮員およびすべての要員をおもいきり立ちあがらせ、集中的指導のもとでの民主運動をつうじて、政治面で高度に団結し、生活面で改善をはかり、軍事面で技術と戦術を向上させるという三大目的を達成することである。いま、わが軍の部隊でさかんにおこなわれている三査、三整〔1〕は、政治面の民主、経済面の民主という方法によって、はじめの二つの目的を達成するためのものである。
経済面の民主についていえば、兵士の選んだ代表が、中隊の指導幹部に協力して(さしおいてやるのではない)、中隊の給与と食事を管理する権限をもつようにしなければならない。
軍事面の民主についていえば、訓練のさいには、将校と兵士が教えあい、兵士と兵士が教えあうようにし、戦闘のさいには、中隊が火線で大小さまざまな会合をもつようにしなければならない。そして、いかに敵陣を攻略するか、いかに戦闘任務を完遂するかを、中隊の指導幹部の指導のもとで兵士大衆に討議させる。戦闘が何日間もつづくときには、このような会合を何回かひらくべきである。この軍事面の民主は、陝西省北部の蟠竜戦役〔2〕や山西・察哈爾・河北辺区の石家荘戦役〔3〕で実行され、きわめて大きな効果をあげた。こうしたやり方は、益こそあれ、すこしも害はないということが立証されている。
幹部のなかの悪質分子のあやまりと罪悪については、これを摘発する権利を兵士大衆にあたえるべきである。よい幹部や比較的よい幹部なら、兵士が大事にしないはずはない、ということを信じるべきである。また、必要なばあいには、兵士大衆のなかから自分たちの信頼するものを下級幹部の候補者として推薦し、上級から任命してもらうようにする権利を、兵士にあたえるべきである。下級幹部が極度に不足しているときは、こうした推薦は大いに役にたつ。しかし、こうした推薦はいかなるばあいにもがくなうのではなく、必要なばあいにかぎられる。
〔注〕
〔1〕 「三査」「三整」は、党と軍隊を整頓する重要な運動で、わが党が人民解放戦争の時期に土地改革とむすびつけておこなったものである。「三査」とは、軍隊以外では、出身階級、思想、作風を点検することであり、軍隊では、出身階級、活動、闘志を点検することである。「三整」とは、組織、思想、作風を整頓することである。
〔2〕 蟠竜は、延安東北方の町である。一九四七年五月、西北人民解放軍は、蟠竜で胡宗南軍六干七百余人を包囲殲滅した。
〔3〕 石家荘は、一九四七年十一月十二日、山西・察哈爾・河北辺区人民解放軍によって解放され、ここを守っていた敵軍二万四千余人はのこらず殲滅された。これは、わが軍が華北地方で解放した最初の重要都市である。




