13 卒業式と、その後。
卒業式は、何事も無く終わった。
私はリオン様ではなく、ヒューイ様の色のドレスを着て卒業パーティーに乱入した。
あっという間に抑え込まれて、リオン様に指差される。
「カレン・フレイア男爵令嬢! 私は貴女との婚約を今ここで破棄する! そして、我が友、ヒューイとミア嬢に対して行った不敬について、第二王子として断罪する」
壇上で朗々と声を上げる姿は、私が見ていたリオン様とは全然違って、凄く凄く王子様で、格好良かった。
これが本当のリオン様の姿なんだって、変な声が出た。
どうしてこんなにすごい人が、私なんかでおかしくなってしまったんだろうって、泣きそうになった。
最後の仕上げなのに、演技を忘れそうになって慌てたくらいだ。
いつも私を捕まえて警備員に渡す女の子たちに会場の外へ連れだされて、王家が用意したって言う馬車で修道院へと向かった。
馬車の中で、あぁ、やっと終わったって、泣いた。
泣いて泣いて泣いていたら、意外と早くつきましたよって、馬車が止まった。
物凄く遠くて、厳しい修道院を想像していたんだけど、降りてみたら普通の家みたいな田舎の教会で、私は首を傾げた。
「あれ? 間違ってませんか?」
って、御者に聞いたけど、間違いありませんって神官様に引き渡されてしまった。
この教会は、親に捨てられた子供や、夫から逃げている妻と言った、訳ありの女子供が駆け込む場所なんだそうだ。
私も訳ありといえば訳ありだが、教会の人たちはみんな優しくて、何か違うような気がして居心地が悪い。
何もしなくてもいいと言われたけれど、お手伝いをしながら一ヶ月ほどたったころ、ミア様たちがやってきた。