84本目 異世界で金に困った時には服を脱げ
【閲覧注意】異世界転移・転生小説に対する没入度が減少する可能性があります。
異世界で金に困った時には服を脱げ
著者:風待月
Nコード:N8084CZ
形式:短編
現在評価:500pt以上
作品種別:知識系
【あらすじ(著者による)】
ありのまま、いま起こった事を話すぜ。
疑問:異世界モノの小説で、衣類の価値について考えられていることがない。
結論:金に困った時には脱げ。
何を言っているのかわからねーと思うが、そういうエッセイになった。
異世界 考えてみた 綿・毛織物 服飾産業 なぜこうなった(※キーワード)
【筆者(鶴舞)によるコメント】
本作は、異世界における、衣料・服飾問題について、疑問を投げかけたエッセイです。
身分制度(※貴族制、奴隷制等)、魔法、言語、食物(※ジャガイモ、サンドウィッチ等)……。
ナーロッパ的な異世界転移・転生系の小説においては、以前から様々な点で議論が湧き起こってきました。
ただ、身分制度はともかく、その他については、『魔法』という不可思議な現象を介在させることによって、ほとんどが説明できてしまいます(※突き詰めていくとそれなりに矛盾が生じることはあります)。
そのため、熱い議論が始まったとしても、大抵は、「でも、(不可思議な力である)魔法があるから……」で、なんとなく納得させられてしまうことが多かったです。
本作では、現実の中世社会における衣料品製作及び販売の実態と、類型的なナーロッパの世界観をベースに、現地の服飾事情を考察していきます。
その中には、魔物が跳梁跋扈する世界での、繊維産業の成立の見通しについて考察したり、妖精の介在を考慮したり、魔物のドロップ品としての『布』の存在を想定したり……。
微に入り細に入り、大変詳細に検討を重ねた結果。その結論が
『異世界で金に困った時には服を脱げ』
だったわけです。
私は大変納得できましたし、地球における先人たちの業績に思いを馳せ、改めて感謝の念を抱きました。
と、同時に、また1つ、異世界転移・転生小説へ没入できなくなる要素が増えてしまいました。
困ったものです(笑)