72本目 休まず働けと?
休まず働けと?
著者:事務子
Nコード:N2256HT
形式:短編
現在評価:500pt以上
作品種別:体験系、提言系
【あらすじ(著者による)】
コロナ第7波は医療機関だけで対応すべき問題なのでしょうか?
このままの対応で本当に良いのでしょうか?
筆者は医療機関で働く事務員です。
今回の感染爆発について、職場で話題になったことを皆さんにも知って頂けたらと思い投稿しました。
日常 シリアス 医療 コロナ 過重労働(※キーワード)
【筆者(鶴舞)によるコメント】
救急患者がたらい回しされた。
隣接県まで行かないと病院がなかった。
発熱外来に行けというから行ったら、何時間も待たされた。
そもそも発熱外来がやってない。
現在は、色々と緩和措置が進んだせいか、上記のような悲鳴は減ってきたように思います。
コロナウイルス感染の第7波が猛威を振るっていた昨年夏、上記のような悲痛な叫びが頻繁に報道されておりました。
そんな中、岸田総理大臣が、「休日も診療可能な医療機関を増やしてほしい」という趣旨の発言をなさいました。
「なるほど! 休日も診療してくれれば、ちょっとは混雑も解消されるし、ナイスアイディアだ!」
総理の発言を聞いて、こう思った方もいるでしょう。
確かに、診療を受ける患者サイドにとっては、「ナイスアイディア!」かもしれません。
しかし、診療する側はどうでしょう?
総理の発言を受けた、医療従事者の魂の叫びが、この『休まず働けと?』です。
診療時間を伸ばすには、人員を配置しなければなりません。人員を配置するには予算と人材が必要です。予算は国の補助で確保できたとしても、人材はすぐには育ちません。
人材がいないのに(いないから?)、現場では限界を超えて努力を求められる……。
今回は医療関係がやり玉に挙がりましたが、過去には、保育、介護、教育……。似たような話題は繰り返し出されてきました。
何かをしようと考えたとき、見えないところで動いている人のことも考えなければ、絶対上手くいくはずがないのです。
深く考えさせられた一作でした。