63本目 【作者様にお願い】まずは登場人物の名前をググりましょう!!
【作者様にお願い】まずは登場人物の名前をググりましょう!!
著者:琥珀
Nコード:N3420HM
形式:短編
現在評価:2,000pt以上
作品種別:提言系
【あらすじ(著者による)】
作品の登場人物には、ふさわしい名前が必要です。
たとえば異世界恋愛物の終盤で、もう後はヒロインがイケメン貴公子とくっついてハピエンや!て時に出てきた、おじいちゃん執事(幼少期の不完全な記憶を補完して、2人をくっつけてくれる)が、めっちゃ唐突に「マーガレット」って名前だったりしたら、気になりすぎて話に集中できないですよね… そうならないように、登場人物の名前の意味をチェックしましょう。
単にそれだけの話です。
ヒストリカル 乙女ゲーム 悪役令嬢 古典恋愛(※キーワード)
【筆者(鶴舞)によるコメント】
作者向けのエッセイです。
以前に『芋ノ助』氏の『そこそこ歴史に詳しいヨーロッパ人(笑)が、なろうテンプレを読んだ時の感覚を再現してみた【転生令嬢編】』を紹介しました。
これは、ヨーロッパ人から見た東洋的イメージふくらませ、故意に珍妙な世界を作り上げることによって、イメージのみでヨーロッパ風小説を書くことの危険性を示した作品です。
皮肉たっぷりな作品であるため、ギャグとしても楽しめますが、読む人(※作者)に「こうはするまい!」と考えさせる効果もあります。
今回紹介する、『【作者様にお願い】まずは登場人物の名前をググりましょう!!』も、イメージのみで、ヨーロッパ風小説を書くことの危険性を示しているところは同じです。
違うところは、具体例を挙げながら、直接的に違和感ポイントについて、解説をしてくださっているという点です。
本作の発表当時、異世界恋愛小説を連載していた私は、読んで、大変な不安を覚えました。すぐに自作の登場人物名を全てチェックし直し、執筆が中断することになったくらいです(※意味までは自信が持てませんでしたが、少なくても男性名と女性名、そして言語の統一感は出ていました)。
ちなみに、自作の登場人物にどんな名前を付けようと作者の自由です。ですから、このエッセイの例で挙げられたような名前を付けていたとしても、別に問題があるわけではありません。
が、発表したものを、読み手がどう思うかまで、作者がコントロールすることはできません。
テキトーな名前を、文字面だけで選んで設定していると、違和感を覚えた読者が去っていくこともあるのです。
命名の恐ろしさを教えてくれたエッセイでした。