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二度目の転生は砂の冒険者~ステータスがチート過ぎてヤバい~  作者: 秋華(秋山 華道)
本編知里ちゃんと共に
27/33

オーガ王国とスーパーシティ

この日は知里ちゃんとミカエル王国の町で食べ歩きをする予定だった。

しかし朝早くにオーガ王国にいる砂の分身ツクヨミが、オーガ王国の緊急事態に遭遇していた。

急遽俺はオーガ王国領へ行く事にした。

俺が勝手に建てた万里の長城改めオーガの長城が、とうとう冒険者にみつかってしまったのだ。

みつかるって表現は正しくないかもしれない。

あの場所に近づきさえすれば、必ず目に入るものだから。

ただあんな場所にくる人は滅多になくて、思っていた以上に早くみつかってしまったなと思った。

いや、正確にはもう少しみつかるのは待ってほしかったという気持ちだ。

俺と知里ちゃんはすぐにオーガの長城へ移動した。

「みんな久しぶり」

俺はオーガの長城の上で見張りの任務についている面々を見て挨拶した。

オーガにオーク、そしてゴブリンもいた。

皆良い方に成長しているようで、人間と争っていた頃とは全く別の生き物のように人間らしかった。

「タツヤさん、来てくれたのかい」

「あの通り人間たちがこちらの様子を窺っているのです」

ゴブリン兵の言う通り、城壁から少し離れたところで20名ほどの人たちが、こちらをチラチラと見ながら何やら相談しているように見えた。

魔人、人間、獣人の冒険者か、或いはスーパーシティーの住人か。

護衛もいるようだし、領主も来ているのかもしれない。

「あの人覚えているよ。ツノギルドの受付をしていた獣人さんだ」

知里ちゃんの言う通り、確かにあの時の女獣人だ。

よく見れば他もスーパーシティで見かけた顔が結構いた。

少し早いかもしれないが、バレてしまったものは仕方がない。

このまましばらく無視を続ける事もできるだろうが、大陸中から強者が集まってくる可能性もある。

そしたらまた、今度は魔人の大陸のシナリオを大きく変えてしまう事にもなりかねない。

俺は彼らと話をしてみる事に決めた。

俺は門を開けるように指示し、そこから俺と知里ちゃん、そしてツクヨミの3人で彼らの前に歩いて出ていった。

彼らは剣を構えたりして警戒していたが、出てきたのが俺や知里ちゃんだと分かると、覚えていた者もいるようで警戒は解かれていった。

ただ、一部はまだ警戒しているようだけどね。

「こんにちは。ツノギルドのお姉さん、お久しぶり」

俺は軽く挨拶をした。

「これはいったい?1年前に確認した時には何もなった場所のはずですが‥‥」

とりあえずギルドの女獣人さんは、1年前にはなかったという認識のようだ。

もっと最近に確認していた人がいないとも限らないが、1年なら多少ごまかせるだろう。

「俺もこの城壁に関しては詳しくは分からないのだけど、どうやら神によってこれより向こうの地を、オーガとオーク、そしてゴブリンの住む場所として定められたという話だ」

「神によって?」

冒険者の疑問にツクヨミが答える。

「はい。大陸では長い間、人間とオーガなど亜人種が、ずっと敵対して生きてきました。それに心を痛めた神が、オーガ達にアドバイスし、此処に亜人種の国を創る事を提案されたのです」

提案したのは俺だけどね。

神とした方が皆納得もしてくれるだろう。

「神が?確かに長きにわたって敵対してきた。しかしオーガなどは人間を食うし、敵対するのも仕方がないだろ?ここに国を創るとか信じられない。俺は危険だから排除する必要があるのではないかと思う」

「いえ、これはその為の城壁でもあります。悪い者たちが外に出られないよう檻の役目も担っています」

「しかし今、自らの意思で城門を開けた。いつでも出られるという事ではないか?」

別の冒険者も疑問を投げかけてきた。

「確かにそうです。でもそれは、出て行くのが悪い人達ではないからです。現に他に誰も出てきていません。ちゃんと管理されているのです」

流石にオーガなど、魔獣や魔物と同じ扱いをしてきた者が住む場所が近くにあれば、そりゃ普通の人は排除しようとするだろう。

しかしそのまままた争っていたら、被害はこの先未来永劫続くかもしれない。

「それにわしはそもそも神の言葉というのは信じられない。本当にいたとして誰がそのような言葉を聞けるものか?」

「私は予言者ツクヨミと名乗る者。神の声が常に聞こえる訳ではありませんが、時々声が聞こえれば、それに対処しています」

「そうそう。この予言者ツクヨミは、東の大陸で魔王が現れるのを予言して見事に当てた。魔王の対応の為に1年前から勇者を支援し、そして勇者をもって魔王を倒した人だ」

自分で一人二役は結構恥ずかしい気持ちになる。

「そんな向こうの大陸の事を言われてもな。これからこちらの大陸で近々起こる事でも予言してみせてくれれば信じてもいいが」

そうねぇ。

こちらの大陸でこれから起こる事ね。

「そういえばツクヨミさんは言っていましたね。もうすぐアルファ王国のガナバラと、東の天使の大陸ガブリエル王国のアークレイリを結ぶ船の定期便が運航されるとか」

ナイス知里ちゃん。

「はい。もうそれは既に始まりつつあります」

「しかしそれは、アルファ王国の情報を得られる立場なら、知っていて当然の話ではないか?あんたがアルファ王国の者でないという保証はない」

疑り深い人だなぁ。

スーパーシティの領主だろうか。

となるとこの人を説得できないと、オーガ王国とスーパーシティが上手くやっていく事ができない訳だな。

「ではもう少し先になりますが分かっている事をお伝えします。この大陸、主にアルファ国内で三龍というキーワードで何かが起こるでしょう」

「よく分からんな。どういう事だ」

「私にもまだ分かりません。三龍、それは三頭の龍。赤い龍、青い龍、緑の龍」

領主らしき人は少し考える仕草をした。

「予言者にも分からないのか?」

「予言者と言えども、神の声を全て聞く事はできません。一部を聞き、どう解釈するかです」

俺も適当な事言ってるなぁ。

こんなんで納得してもらえるとも思っていないが、此処は半分ゲームの世界。

チープに思う展開も、割と普通に起こり得るはず。

思った通り、領主らしき人は納得しつつあった。

ただ、やはり領主なのか、そう簡単には決められないと言った感じだった。

「その予言が当たるようなら、わしも神の声とやらを信じてみる事にする。ただ現状は保留だ」

よし。

三龍イベントはほぼ確定している。

ゲームイベントはやると言ったら普通やるのだ。

これで領主は説得できるだろう。

ただ、いつから始まるのかと考えれば、それは分からない。

普通イベントは1ヶ月後、この世界では1年後に始まる事になる。

しかし魔王イベントが終わってからすぐに新大陸が実装され、三龍の魔石は既に存在している。

色々とゲームとは違って来てるところもあるし、何とも言えない所だ。

ただ、後7ヶ月以内に三龍の討伐が始まる事は、なんとなく確信できた。

「ではどうせなら、先にオーガ王国内を見て回るのはいかがですか。それにまだまだ始まったばかりの国。色々と教えていただきたい事もあると思うのです」

「スーパーシティのツノギルド長としては、ちょっと興味があるわね。これから先この大陸の西の端で共に暮らしていく事になるかもしれない。金の匂いもプンプンするのよねぇ」

女獣人の受付お姉さんは、なんとこの地のギルド長でしたか。

それなりにレベルも高そうだし、只者ではないような気もしていたけれどこれには驚いた。

「では、中に入ってみたいという方は、私が案内します」

「完全にあんたは関係者のようだが、本当に予言者なのか?」

ちょっと権限強すぎ感あったかな。

「はい。そうですね。私は今お手伝いをしておりますが、今後は人間ともうまくやっていけるよう橋渡し役も担っています。こちらの達也さん、そして知里さんもですが、相応の権限はいただいております」

「それに俺達だけじゃなく、今は言えないが他にも結構驚くような人達に協力してもらってるんだ。既に俺達の間では信頼関係は築けていると考えてくれ」

もうね、俺はこういうの話すの別に得意じゃないんだよ。

妖精王国の時といい、本当に面倒な事しちまったなぁ。

「私は全面的に信じる事にするわ。元々人種にこだわりはないし、何より面白そうだし」

獣人はそもそも差別される側の存在でもある。

この辺り寛容なのかもしれないな。

それにこの魔人の大陸は、天使の大陸よりもその辺りできている。

更にスーパーシティはその辺り気にしない強き者が集まる場所だ。

きっと大丈夫だ。

「わしは領主という立場もあるし、今日は帰らせてもらう。そしてしばらくお前たち3人はこの地から出られないよう、スーパーシティの通行を禁止させてもらうぞ。三龍騒動を自分たちで起こす可能性もあるからな」

「了承しました。オーガ王国が認められる事を期待しております」

こうして領主と護衛の者、後は何人かの冒険者は帰っていった。

残ったのは、女獣人のギルド長や、スーパーシティの住人と思われる人が5人、冒険者らしき人が7人だった。

「では13名、ご案内しますね。くれぐれも争いごとは禁止です。挑発も駄目ですし、仮に挑発してくる者がいてものらないでください」

見た所、ギルド長は大丈夫だろう。

町の住人は襲われるとヤバいかもしれないが、今のオーガ達なら大丈夫のはずだ。

冒険者が一応付いてくるのは、護衛も兼ねているのだろう。

冒険者は流石にスーパーシティにたどり着けるAランク冒険者だ。

ドラゴンクラスが揃っていた。

対等な関係を築こうとする場合、やはり力も対等くらいが丁度良い。

どちらかが圧倒的に強ければ、侮ったり侮られたり、その差に疑問もわいてきたりする。

お互いリスペクトし合えるから仲良く友達にもなれるわけで、その辺りを考えるのなら、このメンバーは悪くないと思った。

「ところでギルド長、名前を聞いていなかった。教えてもらって良いか」

別にギルド長と呼んでもいいのだが、なんとなくこの人は名前で呼びたいと思った。

「私の名はネムです。よろしくスターさん」

「あ、ギルドカードにはスターと書いてあるけど、今は達也でお願いできるかな」

「了解です。タツヤさん」

やっぱりスターはないよなぁ。

苗字が星崎だからスターにしたんだけど、本当に失敗だと思う。

まさかこの世界に転生する事になるなんてね。


さてしかし、馬車で移動するにしてもオーガ王国まで3日はかかる。

オーガの長城の外側と違って、内側は道も既に整備しているが、それでもだ。

そんなわけでオーガ王国につくまでは、田畑や牧場、そして小さな村で休みつつという事になる。

「この城壁沿いに北へ行くとゴブリンの森、北西に行けばオークの森、西に行けばオーガ王都、いずれも馬車で3日以上はかかります」

「かなり広いですね」

ネムの言う通り、広いと言えば広いのだろう。

でも、この大陸全体から見れば極一部だ。

それにこの土地は人間も全く利用していなかった場所。

生きるのに適していなかった場所なのだから、別種族に利用してもらうのには問題がないはずなのだ。


俺達はとりあえずオーガ王都への道を馬車で進んだ。

この辺りはゴブリンを中心とした者たちが、牧場を運営している。

知里ちゃんの知識と、ゴブリンやオーク、オーガ達の思考錯誤で、ようやく形になってきていた。

豚は既に1度出産をして、数は一気に増えてきていた。

其の他、馬、鹿、羊、ヤギ、牛、ニワトリなど、色々な家畜が育てられている。

基本は一つの牧場で1種だが、2種育てている牧場もあった。

「しかしこりゃまたユニークな飼育をしておるの」

スーパーシティの住人と思われる一人の男が、ゴブリンたちの牧場を見てそんな事を呟いた。

「牧場経営の事、お分かりになるんですか?」

敬語で話す時はツクヨミの方が話しやすいので、俺は砂のツクヨミでその人に訊ねた。

「ああ、わしは何年か前まで牧場経営をしておったんじゃよ。今はスーパーシティで町の食料流通を取り仕切っておるがな」

ワザワザこのオーガ王国を見たいと残った人だから、何かしらあるかとは思っていたが、かなりのお偉いさんのようだ。

「このやり方だと何かまずい事でもあるんでしょうか?」

「そうじゃな。ノビノビとストレスをかけずに育てるのは良い事じゃが、運動をさせ過ぎると肉が固くなったりするから、小屋で育てるのは基本かの」

言われてみると、転生前の世界では豚小屋で飼うのが普通だったかと思う。

一応小屋も建ててはいるけれど、数頭しか入れない小さなものだ。

基本的な事は知里ちゃんが教えたけれど、その後はゴブリンたちが工夫して進めてきたわけで、この辺りでもう一度見直す必要がありそうだった。

「もしよろしければ、しばらく滞在してご指導いただけませんでしょうか」

するとその男は少し笑みを浮かべた。

「教えるのは構わんが、こっちも金にならない事はできんでの」

「報酬は支払います。どれくらいが希望でしょうか?」

「金とは言ったが、今更小銭を稼いでも仕方が無いのでな。どうじゃ?教える代わりに、こちらで作った食料の流通をわしに任せてはもらえんじゃろか?」

「正直に言いますけれど、現状肉類は供給が足りてない状況で、どこかに売るような余裕はありません。野菜や果物は多少余裕がありますが、人口が増えて行けばどうなる事やら」

スーパーシティの食料流通を仕切っている人に、オーガ王国の食料流通を管理してもらえるのは助かる。

安く買いたたかれたりする恐れはあるけれど、その辺りは相場を調べて対応すれば大丈夫だろう。

しかしとにかく今は生産が追い付いていない。

何とか肉系はオーガに回し、オークやゴブリンには魚や穀物野菜で凌いでもらっているのだ。

この時点で約束するのは正直悪いという思いだった。

「大丈夫じゃ。此処の土地は1年前と違って生きた土地に変わっておる。全部見て回ってから改めて判断はさせてもらうが、此処は間違いなくこの大陸一の食料生産拠点になるじゃろ。わしが指導すればの話じゃが」

商人にとって此処は美味しい投資先に見えるようだ。

ならばこちらとしても願っても無い。

「取引価格などは、相場を見て交渉はさせていただきますよ」

「ぼったくろうなどとは思っておらんよ。これはこの大陸全ての利益になると確信したからやるだけじゃ」

「分かりました。ではこの後もじっくりこのオーガ王国領内を見ていってください。所でお名前をまだ伺っていませんでしたね」

「わしはカールオジだ。よろしくな」

名前を聞いて少しにやけた。

それにしても商人というのはたくましいものだ。

今まで敵対してきた種族のこんな国であっても、利益の為には完全に目をつぶる事ができてしまう。

転生前の世界でもそうだった。

独裁国家相手でも、敵対関係にある国であっても、商売の繋がりだけは切れない。

政冷経熱という言葉もあるように、政治と経済は別なのだ。

俺はなんとなく上手く行きそうな予感がした。


スーパーシティの13人を連れてオーガ王都に真っすぐ向かうつもりが、結局領内全てを見てからという事になってしまい、王都に到着したのは2週間後の事だった。

まあこの国は俺が基本モデルを設計したわけで、旅の途中で風呂に入れないとか、野宿する羽目になるとか、そういうのは無くて助かった。

徐々にスーパーシティの13人とも仲良くなっていき、この地に住む亜人種たちへの偏見もなくなってきていた。

オークなんかは皆身長2メートルの体格だし、普通の人なら恐ろしくも感じる所だ。

だけど穏やかになったオークたちへの警戒も、この頃にはほとんど無くなっているように見えた。

「私はギルドに伺いたいです」

ネムの目的は最初からここだった。

オーガギルドとの連携、提携が目的だったのだろう。

そして領内を見て回り、きっとそれは可能と判断したはずだ。

「分かりました。夢さん、案内してあげてください」

俺は砂の知里ちゃん以外、すべての砂のゴーレムを出動させていた。

スーパーシティの13人は、護衛役の冒険者を除けば皆目的が違うので、それぞれに案内できる人が必要になっていた。

港に行く者、町の店を視察する者、鍛冶工房に行く者、交流を楽しみたい者、色々だった。

夕方に城の前に集まるという約束で、皆それぞれの目的の為に別れた。

久しぶりに俺は知里ちゃんと二人で話をしていた。

「なんとか上手く行きそうだな」

「オーガの長城が見つかった時にはどうなるかと思ったよぉ」

「まさかあんな所まで見に来る人がいるとはな。徒歩だと1週間以上かかるのにね」

「多分1年に1回見て回る事にしていたんじゃないかなぁ」

「そうだな。いつどこで魔物がわくかなんて分からないもんな」

後はスーパーシティの領主が認めてくれるかどうかだ。

妖精の時は大きな問題はなかった。

それは妖精が人間と敵対していない所か、凄く印象の良い、そして印象通りの種族だからだ。

実際今も変わらない。

ウリエル国王は他種族を気にしない人だったし、元の皇帝ルシフェルも他種族を排除する人ではなかった。

その後ルシフェル皇帝になったアベルは、妖精と一緒に旅をしてきた勇者だ。

妖精王国を受け入れない選択肢はあり得ない。

でもオーガたちは違う。

敵対してきたし印象も悪い。

ただ、この場所に王国を創ったのは正解だっただろう。

今の所人類も、そうやすやすと来られる場所じゃないし、逆もまた然りだ。

悪魔の山を境界に、別の世界になっている。

だから問題はスーパーシティとの関係だけに絞れた。

他が文句を言おうと大掛かりには何もできない。

そしてスーパーシティは理解ある人が多い町。

皆が強いから、恐怖心があまりないのだ。

だから割と簡単に受け入れてくれた。

「とりあえず、後はガザ王と会うだけか」

「問題無いと思うよ。ブリュン王やゴンザレス王に会った時も問題なかったしね」

「そうだな」

知里ちゃんが大丈夫だと言うなら、まず間違いなく大丈夫だ。

今まで知里ちゃんがそう言って大丈夫じゃなかった事なんてない。

俺はもう大丈夫だと確信していた。


夜はガザ王とスーパーシティの13人、そして俺と知里ちゃんは同じテーブルで食事をした。

砂のゴーレムたちは、『宗教上の理由で』とか言いながら、食事を共にする事を上手く避けてきた。

今回も同じである。

食事は和やかな雰囲気で終わり、オーガ王国領巡りの旅は幕を閉じた。

明日、ネムと冒険者はスーパーシティに帰る。

カールオジと他4名は此処に残り、これから此処で色々と教えてくれる事になっていた。


次の日の朝、みんなでネムたちの見送りに、町の門の所まできていた。

「オーガギルドに行けば、いつでもスーパーシティとの連絡ができます。何かあればそちらから連絡をください」

「分かっておる。とりあえず領主がオーガ王国を認めてくれるまでは、此処で出来る事をやるつもりじゃ」

ネムはギルド水晶をオーガギルドに置き、領主の許可が出れば、スーパーシティにあるツノギルドが単独で連携するという話でまとめていた。

流石にツノギルド全体で連携するほどの権限はネムにはないのだろう。

その必要もないだろうけれどね。

オーガ王国が認められたとしても、オーガたちが大手を振って人間世界で生きていけるわけではないのだ。

まずはスーパーシティから、長い年月をかけて信頼関係を築いていかなければならない。

「それではみなさん、お疲れ様でした」

馬車はゆっくりと走り出し、見送る俺達は軽く手を振った。

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