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二度目の転生は砂の冒険者~ステータスがチート過ぎてヤバい~  作者: 秋華(秋山 華道)
本編知里ちゃんと共に
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魔人の大陸へ(二度目は妖精たちと)

ヒカゲの容姿は、少し若い頃のウララに似ている。

ウララというのは、前の世界で共に会社を立ち上げた仲間の一人だ。

当然知里ちゃんとも近しい関係で、その辺り突っ込まれるとどう答えようかとドキドキする俺だった。

「なんで俺はこう想像力が無いのかねぇ‥‥」

「お兄ちゃんのメイドさん、みんなウララちゃんやキララちゃんみたいだね」

早速突っ込まれてしまいました。

ちなみにキララというのはウララの双子の妹。

二人とも前世での会社創設メンバーだ。

「ちなみにヒナタもアサヒもユウヒもね‥‥ほとんど髪の色変えてるだけだし‥‥」

「双子から四つ子になっちゃったね」

「お、おう!」

なんとなく恥ずかしかった。


さて俺達は瞬間移動で魔王城近くまで来た後、徒歩で魔王城を訪れた。

徒歩と言ってもクラスの高い能力者の集まりだから、飛ぶように走っている感じかな。

直ぐに魔王城へと到着した。

そこにはレッドギルドのマスターや、今ではアベル、もといルシフェル皇帝の妃となったミリアがいた。

「久しぶりねタツヤ」

「ども。アベルは元気かな?」

過去会った時は全て砂の分身だった。

でも今は本人ご対面である。

少し変な感覚だった。

「元気よ。それより此処までくるの早くない?昨日連絡があってよく此処まで短時間で来られたわね」

そりゃ不思議に思うよなぁ。

でもこういう時の言い訳は考えておいた。

「妖精には色々な能力があるのです。そしてそれは話せないのです」

妖精の力で話せないという事にしてしまえば、基本誰も追及はしてこないのだ。

この辺りの口裏合わせは前々からしてあった。

そもそも俺が妖精王国を創ったわけだが、表向きには俺は単なるお手伝い役、人間との橋渡し役となっているわけで。

「妖精って凄いのね」

「そうだね。所ですぐにでも新大陸に渡りたいんだけど」

この話題はあまり話すと良心も痛むので、俺は別の話に誘導した。

「こっちよ」

ミリアは魔法転送装置のある部屋へと歩き出した。

歩き出すと今度はアマテラスと話し始めた。

たった1年だったとは言え、かつてのパーティー仲間だ。

強い信頼関係で結ばれているに違いない。

「ヒカゲは大丈夫か?緊張したりしてないか?」

「大丈夫よ。むしろワクワクしてるんだから」

ヒカゲは他の子供3人のメイドよりも、この1年の成長が一番大きい。

魔力だけなら今の知里ちゃんと同じくらいではないだろうか。

おそらく冒険に出る為に、色々と特訓もしてきたのだろうな。

ただその強力な魔力の多くは、俺が自分の魔力を減らす為に分け与えたものなんだけどね。

ちなみにアマテラスの方が多く分け与えている。

メイドではなく冒険者仕様のゴーレムだからね。

ミリアとアマテラス、知里ちゃんとヒカゲが話をしながら歩いているのを、俺は後ろを歩きながら見ていた。

実年齢が高いせいか、完全に保護者の気分だった。

ちなみに実年齢、というか精神年齢は59歳である。

二回の転生で三つの世界を生きた年数って事ね。


転送装置のある部屋には、レッドギルドや帝国から派遣された高レベルな人達が10人ほどいた。

魔王城の外にも帝国の護衛隊が百人はいるだろう。

魔獣もいない場所だし不要だと思ったりもするが、重要さを考えれば圧倒的に少ない気もした。

「一応説明させていただきますが‥‥」

レッドギルドのマスターか。

実際に会ったのは初めてだが、以前どこかの町で探知した記憶がある。

あの時はその能力を把握しきれていなかったが、今実際に見るとかなりレベルの高い人に見える。

魔力を抑えているようにも感じるし、実際は魔王クラス以上だな。

「まずはギルドカードの確認から」

俺達はギルドカードを提示した。

「スターさんはブルーギルドのBランク、チサトさんはブルーギルドの‥‥トリプルSランクですか。凄いですね。アマテラスさんはレッドギルドのダブルS、ヒカゲさんは妖精ギルドのCランクですね」

妖精ギルドは、今では各ギルドと連携し、妖精ギルドカードは他と同じように使えるようになっていた。

「では依頼内容ですが、まずはこの魔法転送装置で新大陸へと渡っていただきます」

俺達は頷いた。

「その後、先行している冒険者と合流してください。場所は転送先から森の中を北西に行った所にあるリオの村辺りです。先行した冒険者は1週間以上かけてそこまで到達しています」

割と高レベルの冒険者で1週間か。

結構遠いな。

飛翔すれば2時間もかからないとは思うが。

「見つける方法はありますか?」

「問題ないです」

マスターは何か言いたそうだった。

ちょっと引っかかるので聞いてみる事にした。

「何か?」

「失礼ながら、この中だとあなたが一番レベルが低そうなのにリーダーなのかなと思いまして」

確かにそうだ。

俺は完全に能力を隠しているから、普通に見れば『なんでお前がこのパーティーにいるんだ?』状態だと思う。

知里ちゃんも隠してはいるけど、なんてったってSSSランクだからね。

まあアマテラスがリーダーに見えるのだろうな。

「俺は頭が良いから話は俺が聞く事になってるんです」

俺がそんな事をいうと、知里ちゃんが笑いをこらえているのが見えた。

俺は頭良くありませんよーだ。

「そうですか。では話を続けますが、その後オーガを討伐する事になります。既にリオの村は襲われていて、占拠されている状態です。それを取り戻すのが一つ目の任務です」

「えっ?一つ目?」

「はい。その後こちらに戻ってくる術を見つけて、戻ってくる所までが依頼内容となります」

マジですか。

戻ってくるくらいは簡単なんだけど、さて、どうするかなぁ。

「ご安心ください。情報によると、村を取り戻す事で戻る術は得られるという話です」

なんだそうなのか。

大方その村に魔法転送装置があって、どうしても取り戻す必要があるって所かな。

「分かりました。それで一ついいですか?」

「何でしょう?」

「このパーティーのリーダーはヒカゲで、この依頼を受けたのもヒカゲという事でお願いします」

戻ってくるまでが任務という事だと、アマテラスをリーダーにはできない。

多分クエストが終わっても、そのまま魔人の大陸を冒険する事になるだろうしね。

そして知里ちゃんはもうこれ以上クラスが上がらないので意味は無いし、俺は目立ちたくないのでBランクのままがいい。

この任務は皇帝からの依頼に等しい。

リーダーなら間違いなく最低でもAランクに上がってしまうだろう。

ただのパーティーメンバーなら上がらないで済むはずだ。

「分かりました」

ヒカゲもかなり良い魔力(オーラ)出してるから、リーダーでなんの不思議もないだろう。

むしろランクCの方が低すぎると誰もが思うはず。

「では準備はいいですか?」

「大丈夫です」

俺がそう答えると、そこにいた何人かが魔力を高めていった。

魔法転送装置って、送ってくれる人がいないと移動できないとか、それでどうやってみんなで帰ってくるんだろう。

そう思ったけれど、問題ないのでそのまま俺達は魔人の大陸に送られるのだった。

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