表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
SF  作者: 霞川悠
7/27

第5.5話 松島七恵の悲劇!現れた黒幕!

黒幕の出現…


さて、黒幕を何故今出現させるのか。

それはつまり…ということです。

冗談じゃない!!

私、松島まつしま七恵ななえは新聞部所属のカメラマンで、SF参加者である。

参加理由は戦場ジャーナリストみたいな感じで、SF新聞を作ろうと思ったから。

だからこれっぽっちも戦う気がないし、勝つ気もない。

でも、私は変な男達に狙われていた。相手は3人。


「何で私を狙うのよ?!私を倒しても強敵じゃないから全然メリットが無いわよ!」


私は後ろから追ってくる男達に叫んだ。

だが、男達の足音は止まらない。

何故私なんかを…?


「どうして私を狙うのよ!理由を言いなさい!」


私は出来るだけ強気に物を言った。

ここで弱気になったら負けだ、そう思った。

私は暗闇をキッと睨みつける。相変わらず足音は止まらない。

だが、肝心の姿が見えない。


「え…?」


足音が聞こえるだけ…?

よく聞けば足音は近づいてもないし、遠ざかってもいない。

私は安心した。ただの脅かしだったのか…実は私を見失ってしまっていたりして…


「もう…脅かさないでよ」


「脅かしではない」


「?!」


私は後ろから聞こえた声に振り向いた。


「な、何で…」


そこには例の3人がいた。私を追っていた例の3人。


「お前は気が動転してて気づかなかったようだな。この音、どこから漏れていると思ってる?」


「え…?!」


私は音のする方向を見上げた。

そこには放送スピーカーがあった。つまり、放送室で足音を流していたのだ。


「でもどうして…」


「俺達はお前を追う気なんてサラサラ無かった。狙いはただ一つ。お前をここに誘い込む」


「どうしてここに来るって…!」


「人間は左に行くのを好む。なぜなら人間は生まれながらアンバランスな存在だからだ」


3人うちリーダーらしき男が語る。確かこの人はあれだ…

佐渡財閥の若きリーダー…佐渡さど隼人はやと、高校3年生。


「人の心臓は左にある。中央ではなく左だ。まあ例外はあるが…。そのおかげで人間は左を選ぶ傾向にある。なおかつ、足音による動揺で、正確な判断力を失ったお前は必ずそうすると…思ったからだ」


この人…只者ではない…


「わ、私をどうする気?!」


私は冷たい目をしたこの男にそう言った。

この男は正直怖かった。何か嫌なオーラが漂っている。

私は声の震えを何とか抑えるのに精一杯だった。


「どうもしないさ。大人しくバッジを渡せば命は助けてやる」


「い、命って…」


しかし、彼の目は冷たく、冗談で言っているようには思えなかった。


「さあ、どうする?」


「わ、分かったわよ…」


私は大人しくバッジを一枚彼、佐渡隼人に渡す。


「おい、何で一枚なんだ」


「え?だってルールで…」


「負けた人は勝った人にバッジを1枚渡す…お前は俺達3人に負けたんだ。ならば、一人に1枚ずつ渡すのが道理だろう?」


「え、ええええ?!」


私は混乱しつつ叫んだ。このままじゃ私は敗北が確定。

まだ取材とかも何もしていないのに…


「渡さないのか?」


「ず、ずるいよ…3人もエントリーしてるなんて…」


私も仲間を連れればよかったかもしれない。

でも私の友達は誰も参加しないと思うけど…


「何を言っている?エントリーしているのは俺だけだ」


「え?!だって残りの二人もバッジを…?!」


私は3人を信じられないような目で見た。

だって…これは…


「3人ともバッジの番号が同じ?!」


「当然だろう?こいつらが付けているものは俺のバッジだ」


「そ、そんなのルール違反じゃない!!」


「ルール違反?このSFに参加するものはバッジを所持していればいいんだろ?そして戦うものはバッジを付けたもの同士。どこがいけないんだ?」


「い、一般生徒を参加させている時点で…」


「お前、頭弱いな」


「な…!!」


彼は私を虫けらを見るような目で見る。

睨み返したいけど、恐怖が先に出て、睨み返せない。


「このバトル、ルールを遵守して戦うものではない。どこまでがルールなのかをきちんと把握するのが戦いだ。つまり…戦いはSF発表のときから始まっていたのだ」


「っ…!!」


この男、初めからルールを遵守する気なんてサラサラ無かった…

ただ、ルールをどう都合よく解釈できるか、それだけを考えていた。

この男は相当なキレ者であることが分かる。


「だから俺はこいつらにバッジを与え、参加させた。この時点でこいつらは一般生徒ではない。だからバトルしても問題ではない」


「でも自分のバッジは全て所有して…」


「はぁ…これだからゴミは…武器にバッジを装着…違反じゃないだろ?こいつらは俺の武器…つまり所有物だ。そして常に傍らに置けば所有物として問題ないだろう?」


「う…」


これではこの人をルール違反で生徒会に突き出せない。

ていうか生徒会が見てみぬ振りしている時点でこれはルール違反ではないのかも…


「これで満足かゴミ。早くバッジを渡せ」


「わ、分かったわ…」


私は諦めた。変なことをされるよりはよっぽどいい。


「それと…お前、新聞部だそうだな?」


「そ、それが何…?」


「情報をばらされると厄介だ。口封じさせてもらう」


「え?え?!」


男達が近づいてくる。


「な、なんで…?!」


「お前が知りすぎたからだ。好奇心旺盛は死を招くぞゴミ」


「う、う…」


男達は私の首に手を掛けた。


「な、何を…」


「ちょっと眠ってもらうだけだ。我慢しろ」


「い、いやーーーーーっ!!!」


グシュッ


そんなグロい音とともに私はその場に倒れた。

腰巾着の男達はそれを見てヘラヘラ笑っていたが、リーダー格の彼だけは最後まで冷たく、無表情であった…





登場キャラ紹介


松島(まつしま)七恵(ななえ)


新聞部所属のカメラマンで、3年生。

SFをリアルタイムで見るために参加したものの、バッジ獲得の餌食にされてしまった。

喉を潰され、意識を失った彼女は、病院に運ばれたものの、意識は回復していない。



佐渡(さど)隼人(はやと)


佐渡財閥の若きリーダーで、3年生である。

ルールの裏返しや人海戦術を駆使し、SFを有利に進めている。

現在の黒幕的存在。



次回は「新ルール追加!現れた最強!」


とうとう名前だけ出てきた彼女の出現ですね。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ