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SF  作者: 霞川悠
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第4話 司の特訓!気剣体の統一!

一応剣道をかじっているんですが…というか有段者なので、そこそこ剣道知識はあります。


ですが、間違ってたら言ってください。

それと、誤字脱字チェックは前作より雑になっているので、あったら遠慮なく言ってください。


しまった…あとがきにネタバレを間違えて書いてしまった…

見てしまった方々、申し訳ありません。

いつもよりだいぶ速い朝。

俺は道場にいた。木刀を持って。レンと向かい合って。


「いいですか?何度も言うとおり、剣道の基本は気剣体の統一です!」


「はい!」


俺はレンを教師とするように頷いた。

今日から朝稽古を俺はするようにしたのだ。


「心だけ強くても、剣技だけ磨いても、体だけ鍛えてもダメです」


「はい!」


俺は再び大声で返事をする。

剣道の基本は声だ。声が大きければ大きいほど良いのだ。


「では、何をすれば強くなれると思いますか?」


「えーと…気剣体を鍛える…」


それってそのままじゃんか!


「まあそうですが」


合ってるのかよ!


「しかし、今更全部鍛えてもしょうがないです」


「え?」


「何せ昔から剣道をやってる貴方には基本的なことは染み付いています」


俺はレンの言葉に聞き入った。


「なので気剣体の弱いところを鍛えましょう?」


「俺の弱いところ?」


なんか全部弱い気がしてならないんだが。


「はい。気剣体が一つとなって初めて、完璧な打ち込みが出来るようになります」


俺は昨日のレンと鎖使いの戦いを思い出した。


「あのときレンが鎖を断ち切った一撃は…」


「はい。若様を救いたい心、すなわち気迫、鎖を断つという剣技、踏み込み、打ち込みという動作の体が一体となり、結果、鎖が断ち切れたのです」


「そうなのか。じゃあもし、どれかが欠けていたら…」


「私は鎖の餌食になっていたでしょうね」


レンは平然とそんなことを言った。つまり、レンはそれをほぼ完璧に習得しているのだろう。


「どうりでレンに勝てないわけか…」


「そんなことはありません。もともと若様は私より力も強く、反射神経も私より少し速いです」


「そうか?」


俺は今までレンと戦ってきたが、そんなことは感じられなかった。

大抵はコテンパンにやられてしまっているから。


「そうです。しかしその体に気と剣が付いていけてないのです」


「何?つまり、身体能力は高く、基本動作もしっかりしているのに、気と剣がまだ未熟ってこと?」


「その通りです。聡明で助かります」


俺は今までの試合を思い出す。確かに、スタミナが試合中に切れたことは無いし、相手とのぶつかり合いにもあまり負けたことは無い。

その割に打ち込みが甘かったり、相手との駆け引きに負けることが多い気がする。


「…そんな気がしてきた」


「では、気と剣を鍛えるにはどうすればいいのか?」


「気は…分からないんですけど、剣はもっと経験を積んで練習すれば良いかと」


俺は一応そういう答えを言った。レンが納得するか分からないけど。

相変わらずクールな表情は上手く心を隠している。


「そうですね。剣は私と特訓すれば何とかなるでしょう。問題は気です」


レンはポーカーフェイスを崩さず、俺に説明する。

彼女も俺なんかのために時間をこんなに割いてくれるなんてな。

本当に感謝しなければ。


「若様はこのSFをどのような気持ちで臨んでいらっしゃいますか?」


「え?ま、まあ家の名を傷つけない程度には頑張ろうかと…」


「それですね」


「え?」


「私は若様をこの戦いに強引に参加させましたね?」


「ま、まあ」


あれは確かに強引と言うか…妙に不自然な強引さ。


「それは若様に強い心を持って欲しいからです」


「強い…心…?」


俺は首をかしげた。


「はい。若様には剣道で決定的なものが欠如してしまっているんです!」


「?!」


レンにしては大きな声。剣道でしか聞けない声。


「それは、勝とうという気。勝利への欲求が致命的に無いんです!」


「!!」


俺は目を見開いた。

思い当たる節は、ある。


「若様が負けて悔しがる姿、私は一回も見たことがありません。もちろん勝って喜ぶ姿も」


「…」


それは昨日の戦いにも言えること。

俺は昨日どうしようとしてた?勝つために戦っていたか?

少なくとも負けるためには戦っていない、しかし…

俺は逃げるために下に降りた。だから追ってきたときはびっくりした。

それに俺は昨日鎖を防ぐだけで彼女に攻撃しようともしなかった。


「ですが若様は悔しがりましたね」


「え?」


しかしその言葉に俺は目を丸くする。


「昨日、強くなりたいとおっしゃいました。それは自分の非力さへの悔しさの現れです」


「あ…」


そうだ、俺は昨日、レンに心配かけるくらい弱い自分の強さを嘆いた。

自分の力の無さを「悔しがった」んだ。


「つまり、気の問題も全く解決できないというわけではないのです」


「そうか!」


レンの話は分かりやすくて助かる。


「後は…明確な目標を持つことですね」


「明確な…目標…」


俺はしばらく考える。

そういえば俺ってどうして剣道を始めたんだっけ?


「昨日の鎖使いには覇気がありました。気だけなら私と互角だったはずです。彼女には何か分かりませんが、明確な目標があるのでしょう。ここから先、このような人たちがたくさん出てきます。それに負けないためには若様にも明確な目標というものが必要です」


「俺の…目標…」


しかし、考えても出てこない。

負けたくはないけど、特別勝ちたいとは思わない。でも強くなりたい。

この矛盾した感情は一体何なんだろう?


「まあ焦らなくていいです。そのための私です」


「ああ」


その俺の弱点を補うためにレンがいるんだ。

というか充分すぎる気がしなくもないが。


「と、いうわけで今日の朝稽古はここまでです」


「え?!まだ何もして…」


「もう朝食の時間です」


「マジかよ?!」


いつの間にかそんな時刻になっていた。

結局今日はこれからどういうことをしていくのか、を決めるだけになってしまった。


「だから今日は学校に残らず早く帰りましょう」


「分かった」


昨日のようなことになったら面倒くさいしな。

それに未熟な腕前で迷惑をかけたら困るし。


「おっと…それと、鎖使いの番号が分かりました」


「本当か?!」


「ええ。鎖を断ち切ったとき、横目で確認しました」


「さ、さすが…」


レンは本当にすごい人だ。

一度にいろんなことをやってのけるなんて。

…まさかレンって優勝候補なんじゃないか?


「確か…6番だったかと」


「6番か…」


6 鎖使い

17 司

20 レン

25 歯舞


「つまり↑こうなるんだな?」


「ええ。その通りです」


とりあえず顔は分かっているので、情報は上手く集められそうだ。


「あれ〜レンと司!朝ごはん食べないの〜?」


そのとき、寧々がやって来た。

こいつにSFのことは言わない方がよさそうだ。


「着替えた後に朝ごはん食べる」


「わかったわ。巴お姉ちゃんもう待ってるからね?」


「OK。着替えたらすぐ行く」


どうやら今日はトモ姉が来ているらしい。

豪華な食事になりそうだ。


「そういえば…」


俺は疑問に思ったことを口にした。


「レンはどうして俺の場所が分かったんだ?」


「あ、それは…」


「ん?」


レンが少し躊躇する。


「何?」


「い、いえ…若様の帰りが遅いので、男子トイレに押し入ったのですが…」


ああ。恥ずかしいのはここか。

さすがにレンでも顔を赤らめる。


「戦闘の痕跡があったので、窓の外を見ました。すると若様の足跡がございましたので…」


「そ、そうですか…」


「俺」マニアもここまで来れば大したものだ。

足跡まで分かるとは…もし、レンと結婚して浮気なんてしたら速攻バレるな。


「じゃ、行こうか」


「はい!」


俺はレンと一緒に着替え…


「ってレン!!」


「あ!失礼しました!若様に私なんかの素肌を見せるなんて…」


「いや、そういう意味じゃなくて…」


レンの天然ボケも大したものだ。















―某所―


「ちょ、ちょっと待てって!こんなのただの「ゲーム」だろ?!」


男の声が校舎内に響く。


「お前、頭がどうにかしてるぜ…俺を殺そうとでもしてるのか?」


しかし相手は何も言わずゆっくりと近づくだけ。


「な、なぁ…俺と組まねえか?そ、そうすれば戦力も…」


「欲しいのはバッジのみ」


相手はそれだけ言うと、男の胸の辺りに手を伸ばす。


「おい!貰うのは一つだろう?!」


しかし正体不明の相手はバッジを3つも手に取ろうとする。


「負けた相手はバッジを一つ渡す。勝った相手がバッジを強引に奪うことは禁止されてない」


「そんな屁理屈…」


「実際、生徒会は動かない。つまりこれも戦いのうち。ではさようなら」


「うああああああああ!!」


男はその謎の人物に何かをされ、意識を失った。

謎の人物は立ち去り、残ったのは、バッジを全て失い、だらしなく口を開けた男の肉体だった。」



次回は「学内の異変!そして謎の占い師!」です。

つまり、新キャラの登場ですね。


登場キャラ紹介



歯舞はぼまいたける


司のクラスメートで、気弱な性格をしている。

実はSF参加者で、参加理由は不明。

身長は170センチほどで、眼鏡を装着し、服装もきちんとしているので、真面目な生徒だと思われる。


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