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SF  作者: 霞川悠
19/27

第17話 突然の敗退!戦いは続く…

第1部みたいなの終了です。


とりあえず次回の更新はまだ待ってください。


尻餅をつく俺の傍らには気絶して倒れている男の体があった。

先ほどまで俺達と戦い、苦戦させた男が倒れている。

俺たちはこの佐渡という男を激戦の末に倒すことに成功した。


「俺たち…勝ったんだな…」


「ええ」


真理恵が俺の傍らでそう返事をした。


「とりあえず、皆さんでバッジを貰いましょう」


光世さんは一人、倒れている佐渡に近づき、バッジを一枚手に取った。


「ほら、貴方達も」


「ああ」


俺は真理恵に起こされ、佐渡の胸からバッジを一枚とる。

そして最後の3枚目を真理恵が取った。

バッジには2番と彫られてあった。


「何とか1週間ルールもクリアかな?」


もう夜は明け、朝日が見えていた。

とてつもなく長い夜だった。

それにしても…


「俺、一睡もしてないや…」


俺は欠伸をした。


「無防備ね。今狙われたらどうするの?」


「大丈夫です。周りに敵の気配は感じられません」


光世さんが真理恵の質問に答えた。


「さて、僕はそろそろ行かないとね…」


「どこへ?」


真理恵が訝しげに光世さんを見つめる。

まだ怪しんでいるのかよ。


「病院。親友の大樹に今日のことを報告しに」


「ああ…」


そういえば、佐渡が親友の仇って言ってたな、光世さんは。


「そ。じゃあ私達も行くわよ」


「ああ。それじゃ」


俺は光世さんにそう挨拶した。

すると彼も手を上げて微笑んだ。


「ふ。次会うときは敵同士でないことを祈るよ」


彼は一人屋上から去っていった。


「ほら、行くわよ」


真理恵は俺に肩を貸して歩き始めた。


「いいって。お前も疲れてるだろ?」


「もう取れたわ。そういう体質なの」


「どんな体質だよ…」


彼女の言うとおり、真理恵はあまり疲労を感じていないようだった。

本当にどれだけ特殊なんだ?

まあおれも人のことは言えないか…肩の切り口ももう塞がってるし。


「…」


俺たちは無言になって歩き出す。

そこで俺はふと思い出す。俺たちの休戦協定について。

確か佐渡を倒すまでという期限付きだった気がする。

だが…言わない方が良いか?

彼女とはこれからも共闘関係を保っていきたい。レンの反応が怖いけど。

そんなときに俺は彼女の方をふと見るが、特に気にした様子も無い。


「レンの奴は平気かな…?」


「どうでしょうね」


真理恵の声は冷たい。

彼女にレンの話題を振ったのは失敗だった。


「…なあ」


「ん?」


俺はレンのいる教室が近づくにつれて、嫌な予感がした。


「嫌な気配がする」


「?」


しかし、真理恵は特に気にならないらしい。

だがこれは…


「…!!!」


そんなとき、レンが教室の中から吹っ飛ばされて廊下に出る瞬間を確認した。

とてつもなくすごい音がした。多分教室のドアも吹っ飛んだ。


「レン!!」


俺は真理恵の肩から離れ、レンの元に走り出した。

真理恵もさすがに顔が強張り、焦っている。


「若…様…」


レンはゆっくりと立ち上がった。

どうやら大怪我はしていないらしい。


「よくぞご無事で…」


「そんなことはいい!何があった?!」


「教室に敵が…!」


俺は教室の中をハッとなって見た。


「誰だ!」


そこに黒い影が見えた気がする。

しかし、影はこっちのことを気にもせず、教室窓から外に出ていった。


「待て!!」


俺とレンと真理恵は一緒に窓の外を見る。

しかしそこには誰もいなかった。


「くそっ…!!」


そんなとき、倒れている寧々を見た。


「バッジが…無い?!」


「寧々さん!!」


レンがハッとなって寧々を見た。


「まさかさっきの奴に盗られて…いえ、そうでしょうね」


真理恵が淡々と呟いた。


「誰が彼女を守る、ですって?」


真理恵がレンに非難の視線を送る。

レンは何も言い返さず、ただ俯いて「すいません」と言っただけだった。


「ま、まあ落ち着こうぜ」


俺は二人…いや、自分を含めて三人に言った。

いや、一番落ち着いていないのは俺だ。

早く寧々の最後のバッジを盗った奴を捜し出したい。

さっさとこんな場所を飛び出して行きたい。

俺は内に激情を秘めていることを知った。


「こうなったのも全て私の責任。今からそいつを捜し出して…」


「もっと落ち着いてくれ!!」


俺はレンに怒鳴った。

何やってるんだ俺は。

一番落ち着いていないのは自分じゃないか。

手は怒りで震え、足も今すぐ飛び出したいのを必死に抑えている。


「アンタが一番危ないわよ」


真理恵は俺に近づいて額に手を当てた。


「何のつもりだ?」


「別に。頭に血が上りすぎ」


「…!」


俺は深呼吸をする。

何故なんだ?何でこんなに自分の気が抑えられないんだ?

何でこんなに体中が灼けるように熱いんだ?!


「もうすぐ生徒達が来るわ。急いで学校から出ましょう?」


真理恵の提案に渋々俺は頷いた。

レンも渋々俺に従い、道場に帰ることにしたらしい。

陽は昇ったが、俺の心は沈んでしまった。






















道場に俺とレン、真理恵、そして気絶中の寧々が帰ってきた。

周りの目を掻い潜って帰るのは大変であったが。


「とりあえず、寧々は客室に寝かす」


「分かりました」


レンは彼女を負ぶって客室に向かった。

自分より大きい人を背負う光景…シュールだ。


「で、私は家に帰るけど…アンタは今日学校はどうするの?」


「さすがに俺は無理だな…寧々を一人にできないし」


「そう」


彼女はそう言って立ち上がった。


「じゃあね。次会うときは敵同士かしらね」


「や、やっぱり…?」


「そういう約束でしょ」


どうやら俺たちの休戦協定は今日を以って解除されたらしい。

やっぱり約束を違えることは出来ないか…


「でもお前とはもう戦いたくないな…」


「じゃあ会わないように気をつけることね」


「う…」


彼女はゆっくりと俺の部屋を出て行く。


「あ」


俺は立ち上がって後を追おうとする。


「見送りはいらないわ。未練がましくなる」


「そ、そうか…」


俺はその場に再び腰をおろす。

真理恵はそんな俺を一瞥した後、さっさと家を出て行った。

何というか…俺の方が女々しいな。


「若様」


「うおっ!!」


そんなとき、レンが突然部屋に入ってきた。

だからノックぐらいしてくれよ〜。


「寧々さんを運びました。それで…」


「えーとさ。それは後でいい? 俺は眠くてしょうがない」


「分かりました。私は学校に行くので、若様は存分に休んでてください」


「え? お前は大丈夫なのか?」


レンは随分と平気そうだ。


「鍛えてますから」


何をだよ! というツッコミはしないでおこうと思った。


「ではおやすみなさいませ」


「ああ」


俺は布団に潜り込んだ。

…風呂入るか。

俺はノソノソと布団から出て風呂場に向かった。






















風呂場から出て、今度こそ寝ようと思ったが、先に寧々の様子を見に行くことにした。

やっぱり心配だな。幼馴染なだけあって。

俺は客間のふすまを開ける。

寧々はまだ眠っていた。


「…心配しすぎだな、俺は」


俺は客間を出ようとする。


「ん…」


「?!」


そんなとき、寧々の口から声が漏れ、俺は急いで振り返る。


「起きた…のか…?」


「ん…」


寧々は少しだけ目を開けた。


「寧々…」


「つかさ…?」


寧々は少し眠そうな目で俺を見る。


「私…ここは…?」


「ここは俺の家の客間。お前は気絶…というか寝てたからここまで運んだんだ」


「そう…ああ!!」


寧々は急に布団を剥いで立ち上がった。


「な、なんだよ…」


「私…学校で…」


「とりあえず、訊きたいことがあるから訊いて良いか?」


「あ、うん」


寧々は疲れのためか、いつもの元気がない。

だがおかげでスムーズに話が出来そうだ。


「お前ってどうしてSFなんかに出てたんだ? 特権が欲しかったのか? それとも…」


「それは…」


寧々が顔を伏せる。

訊いちゃいけないことだったのか? まあいい。


「まあ答えにくい質問なら答えなくてもいい。で、お前は今現状把握できてるか?」


「あ!私のバッジは…」


「お前のバッジ…確か8番だったよな? 最後に誰かに…!!」


俺は再び拳を握り締めた。

あのとき沸いた怒りがまたこみ上げてきた。

無抵抗の奴のバッジを盗るなんて…!! ルールに沿っているとはいえ、ひどい話だ。


「私…敗退したんだね…」


「…ああ」


「そう…」


寧々は一瞬残念そうな顔をしたが、すぐに俺に笑顔を向ける。


「でも司はまだ、生き残ってるんだよね?」


「一応…な」


あと少しで俺も敗退になりそうだった。


「頑張ってね。私…少しでも司の役に立ちたかったから…」


「それは…」


俺たちの触れちゃいけない過去の話。

幼い頃の事故の影響で、俺の記憶はあやふやなものの、寧々はしっかりと覚えている過去。

過去に興味の無い俺にとっては、無意味な話。


「寧々。俺、勝つよ。別に特権が欲しいとか、一番強いって証明したいとかじゃなくて、ただ、勝ちたい。お前のように傷つく奴が多く出るようなこの戦いは早く終わらせるべきだ。だから、勝つ」


俺は寧々の目を見て話した。

右手の握り強くなっている。


「…そう。ん〜〜〜〜!!まだ体中が痛いからもうちょっと寝るね」


「ああ」


寧々が布団の中にもぐりこんだのを確認して、俺は客間を出た。

右手はまだ、握られたままだった。























寧々がしばらく寝る間に、俺も睡眠を取った。

いつもより疲れているせいか、早く寝られた。

そして俺はレンの声に起こされるのであった。


「若様」


「んー…」


俺は大きく伸びをして布団から出た。


「ただいま帰りました」


「おお。お帰りレン。給食の揚げパンは?」


「ウチの学校は給食は無いと思うのですが…」


「いや…何でもない」


レンって冗談が通じなさすぎだろ…

俺は少しだけため息を吐き、レンに向き直る。


「学校、どうだった?」


「いつも通りでしたよ」


「いつも通り…って?」


「特に何も変わったことはなかったです」


「屋上に行ったか?」


「はい」


「どうだった?」


「何もおかしなところはありませんでした」


…おかしいな。

屋上は俺たちが激戦を繰り広げたところだ。

なのにおかしなところはない…?


「若様の言いたいことは分かります。しかし…」


「分かった。ありがとう。それで、特に変わったことは…」


「あ、はい。佐渡隼人の敗退はかなりの噂になっていました。しかし本人が…」


「学校に来ていないんだな?」


「はい」


まあやられたばっかりだ。

さすがに一日二日で来るわけがないな。


「結構目立っていたんだな。その佐渡は」


「そうのようですね。上級生の間では結構知られていたようです。顔も良いらしいので」


レンの声は少し刺々しかった。

佐渡に対して好印象を持っていないんだな、レンは。あ、俺もですけど。

しかし、トモ姉の話すことに佐渡は一回も出てこなかったぞ。

ああいう人間にはあまり興味を抱かないのかな?


「分かった。それと、一応おさらいしておこう」


すると、レンが俺を見て目を見開く。

何かに驚いているようだ。


「どうした?」


「いえ、随分と熱心なので…」


「お前と寧々を痛めつけたことに腹を立てているんだよ」


このおかげと言っては難だが、SFに完全に身が入った。

今までとは気合いそのものが違う。


「じゃあ書くぜ」


2 佐渡隼人(大鎌) 敗退

3 宮島先輩(薙刀) 

6 厳島真理恵 (鎖)

8 奄美寧々(木刀) 敗退

13 択捉光世(ナイフ、双剣)

16 謎のくの一 (武器不明)

17 司 (木刀)

20 レン (木刀)

23 国後大樹 (?) 敗退したらしい

25 歯舞武 (武器不明)


「結構情報が集まったな」


「そうですね」


俺は10人のことを思い出してみる。


「さて、どうしますか?」


「そうだな…とりあえず今日は…特訓だな」


俺は眠気も取れたので、レンと一緒に道場に向かった。

そう、俺たちの戦いはこれからだ。

…打ち切りじゃないぞ。






















―某所―


薄暗い部屋で3人の男達が会話している。


「SFの中心にいた男、佐渡隼人が早くも敗退、か」


抑揚の無い声で眼鏡をかけた男がそう答えた。

特徴として十字架を下げていることを挙げよう。(以降十字)


「奴は相手を侮る傾向にある。そこが奴の敗因だ」


身長が高く、モデル体型の男がそんなことを言う。(以降モデ)


「侮れないねぇ…与那国の血って」


最後にニヤニヤしながら、男が格好つけながら言う。(以降チャラ)


「さて、これからのSFはまた、過激になっていくだろう」


モデはそんなことを冷静に口にする。


「佐渡隼人という絶対的な支配者がやられた今、学校は乱世のような状態になっていくのであろうな…」


十字も嫌な笑いをしながら言う。

彼らにとってのSFは娯楽以下でしかないのかもしれない。


「さあて。僕は仕事してくるさ」


「どこに行く?」


「決まっているさ。地上に」


チャラの意味深な笑いが、このSFのこの先を物語っていた。

しかし彼らは知らなかった…自分達が駒にされていることを…




<佐渡隼人編終>




次回の第2部はSFがさらにカオスになります。


佐渡の次の新たな支配者…

使役するのは一般生徒ではなく…

裏切りの連鎖!まさかの「あいつ」が裏切り?!

待ちに待った最強とのガチンコ勝負!


とまあこんな感じにしていくつもりです。


ストック切れなので、更新はもうちょっとお待ちを…


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