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第陸拾捌話 はじめての野営(後編)

 ヒューイットさんに焼肉かカレーどっちがいいか聞いてみた。


「そうだな。カレーがいいな。」


「わかりました。じゃあ作ってきますね。」


 私には、時間停止の機能付きの無限収納があるから出発前に作っておいて、鍋ごと収納することもできるが、離れているけど周りに見られる可能性もあるし、その場で作った方が野営の醍醐味を味わえるからね。


 私は、収納からまな板、包丁、ニンジン、玉ねぎ、ジャガイモ、アイユ、バイソン肉を出しそれぞれを切っていった。

 そして、寸胴鍋と炒めヘラと油を収納から出し、鍋を火にかけ油を入れ、まずみじん切りにしたアイユを炒め、バイソン肉を軽く炒めて、ニンジン、玉ねぎ、ジャガイモを入れ一緒に炒めた。

 野菜を炒めたら水を入れてハチミツを加え煮込んだ。

 いったん、鍋を火から離し、カレールーとチョコレートを入れ溶かし、また火にかけ、すりおろしたアイユを入れて煮込んだ。

 ライスは、ミオさんがもうひとつの焚き火で、炊いてくれている。


「カレー完成。」


 スパイスからカレー作ったことあるけど、過去の転生者がカレールーをこちらの世界で作っていてくれていて、時間短縮になるし助かったな。

 他の野営者たちの方が少し騒がしいな。

 そっか。他の野営者は、干し肉とか簡易スープだけの食事だから結界内は匂いがいっちゃうからカレーの匂いで騒いでいるのか。

 でも不干渉がマナーだから話しかけるわけにもいかないという感じですかね。


「ミオさん、ライスはどうでか?」


「丁度、炊けたわよ。」


 そうして、ライスとカレーをお皿に盛りつけお父様やお母様を呼びに行った。

 ヒューイットさんとアイラはカレーの匂いでヨダレを垂らしていた。


「私が作ったカレーはどうですか?」


「「「うまい」」」


「「「「美味しい(わ)」」」」


 よかった。よかった。


「私が知っているカレーより、コクがあって、あとほんのり甘味があるわ。」


 ミオさん流石、気づいてくれましたか。


「実は隠し味にチョコレートを入れたんですよ。チョコレートを入れるとコクが増して、少しの甘味が加わるんです。今回は、チョコレートですが他にもコクや酸味、風味を加えたい場合にヨーグルトやバターとか色々隠し味に使えるものがあるですよ。」


「そうなのね。アオイちゃん、今度何を入れれば何が増すのか教えてくれないかしら。」


「はい。いいですよ。クランハウスでの夕食は、人数多いからカレーとか簡単に作れるからいいですもんね。」


「そうなのよ。」


 クランハウスに暮らしてはいないメンバーもクランハウスで夕食を食べてから帰ることが多いので、カレーは簡単にたくさん作れていいのだ。


「ヒューイットさん、レオン兄さん、アイラ、おかわりするのはいいですけど、食べ過ぎないでくださいよ。明日の朝も食べるんですから」


「明日の朝もカレーなのか?だからこんなに作ったのか?」


「カレーは一晩寝かせた二日目が美味しいんですよ。深みがでて、今食べているカレーとは一味違うカレーが楽しめますよ。」


 ヒューイットさん、レオン兄さん、アイラのたくさん食べる人たちのことを考慮して寸胴鍋で作ったけど今、何杯目ですかね、結構減ってますよ。


「そうなのか。じゃあ今盛っているのを食べたあともう一杯だけにしておこう。」


「俺も」


「私も」


 三人ともまだ食べられるんですか。凄すぎる。お父様はまだ食べられそうですが、私も含め、三人以外は一回おかわりして、満腹に近いのにまだ食べられるのですね。

 ああ……お父様がおかわりしに行った。やっぱりお父様もまだ食べられるのですね。


 夕食を終え、カレーは私の無限収納に入れると時間停止されてしまうので、ミオさんにお願いし、今日のことなどを話したりして、お父様、お母様は馬車で、私、アイラ、アナ、ミオさんは、寝るためにテントに入った。

 ヒューイットさんとレオン兄さんは、見張りをするためので、その場に残った。

 ミオさんは、時間が来たらヒューイットさんかレオン兄さんと交代し、三人で交代で見張りをするらしい。

 アイラとアナは、テントに入ると疲れていたのかすぐに寝てしまったので、私も寝ることにした。

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