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第伍拾玖話 養子縁組正式決定&六人目の転移魔法使い公表(後編)

 一般区域にあるレガールに行くことがほぼ確定状態、お父様、皆をとめてください。

 このままでは、ダニエルさんたちレガールで働いている皆に迷惑がかかってしまいます。

 私では、付き合いが短いので、説得はできないですからどうかお願いしますとの思いを込めて、お父様を見た。

 私の視線に気がついたお父様は、うなずかれました。


「国王陛下……そうですな。皆で行きましょう。」


「そうか。やはりミッシェルも行きたかったのだな。来週にでも行こう。」


 お父様、先程のうなずきはなんだったのですか……まさか、私も皆で行きたいとか思ったのではないですよね……

 誰にも私の思いは通じなかった。


「そうだ。今からアオイの養子縁組と六人目の転移魔法使い誕生を国民に伝えよう。」

「後で、各貴族家には、正式な文を送るが、安全のためには早い方がいいからな。」


 国王陛下がベルを鳴らすと、騎士が入室してきた。


「ご用でしょうか。国王陛下。」


「うむ。至急、映像を映し出す魔道具と音声拡大の魔道具をバルコニーに用意しろ。重要な発表がある。」


「かしこまりました。」


 国王陛下の命を受け、騎士が出て行き、しばらくすると準備ができたのか戻ってきた。


「では行くぞ。」


 国王陛下に言われ、皆で、バルコニーに向かった。

 普通は、広場に集めて、バルコニーから国王陛下が挨拶したりするようだが、思いつきで、急にやることになったので、音声拡大の魔道具だけでなく、映像を映し出す魔道具も使って、一般区域からでも見えるようにするらしい。


 私の姿が皆に見られるの……国王陛下、王妃様、お父様、お母様、レオン兄さんと一緒に私が映し出されるの……登城だからドレスは着ているけど、完全に私だけ浮いちゃうんじゃないかな……

 そんなことを思っているとバルコニーに着き、私たちの姿が魔道具により大きく映し出され、国王陛下が音声拡大の魔道具を使い話し始めた。


「皆の者、急なことで、驚いているだろうが、至急発表せねばならないことがあるので、このような形で、発表させてもらう。」


「私の隣におる娘は、アオイという。この度、ミッシェル・フォン・ヴァスカトール公爵の養子になることとなった。

更に、このアオイは、世界で、六人目の転移魔法が使える者だと判明した。

めでたいことである。これをもって公表とする。したがって、只今をもってアオイを利用しようとした者は、わかっているだろうが、処罰されることとなる。話は以上だ。」


 国王陛下の話が終わると魔道具が停止され、映し出されていた私たちの姿が消えた。

 よかった。私も挨拶したりする羽目にならなくって、私、式とかの代表挨拶とか何話させばいいのかわからなくなるから苦手なんだよね。


 それからまた、もといた部屋に戻った。


「アオイちゃん、緊張してたわね。」


「はい。こんな発表のされ方をするとは思っていなかったですし、もし挨拶させられることになったらとか思ったら緊張してしまいました。

よかったです。国王陛下が発表をするだけで終わって」


「おお、アオイに挨拶させればよかったな。」


 お母様に緊張していたことをツッコまれ、その理由を話していたら、国王陛下がそんなことを言った。

 よかったよ。話している途中で気づいたりされなくて……


「嫌ですよ。私、そういうの苦手なんです。」


「そうですよ。アオイちゃんに無理をさせちゃダメですよ。そんなことばかり言っていると、アオイちゃんに嫌われちゃいますよ。」


「そ……それは困るな。アオイ、すまぬな。」


 王妃様が、国王陛下に私に嫌われると言われると慌てて私に謝った。

 別にそんなことでは、嫌いにはならないですけどね。

 王妃様のこの言い方だと、ちょくちょく城にくることになりそうだな。

 普通はそうそう会えないのだから嫌われたとしても問題ないだろうからね。

 まあ、嫌われるよりは好かれていた方がいいだろうけどさ。


 こうして、私の養子縁組と王都内だけではあるが、一応の転移魔法が使えることの公表が終わったので、退室までに国王陛下と王妃様に王子様や王女様に会っていってはと言われ、王女様には会ってみたいと思ったけど、第二王子様の婚約者にしたいという思いは、冗談ではなく本気だろうと思っているお母様とレオン兄さんに話を強制的に打ち切られ時間は多少かかったが城を後にした。

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