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第弐話 おい、ダメ神様よ 異世界転生のはずでは

 意識がもどり、目を開けると私に笑顔を向ける男女がいた。

両親なのだろう。

 そして、私は赤ちゃんになっていた。


「本当に転生したんだ。」


 ぼそりと男女には何を言ったのかわからないくらいの声でつぶやく。


 しかし、何を言ったかわからなくても、言葉を発したということはわかったようで、驚きと恐怖が合わさったような顔を二人はしていた。


 両親だろう二人を放置し、私は考え始める。

 神様が私の意識がなくなる前に何か間違えたとか言っていたようだけど大丈夫なのかな?


 驚きと恐怖が合わさった顔をしていた二人が、私が考え事をしていた間に何やら騒ぎ始めた。


「尊、何を言っているのかはわからなかったけど今、葵が喋ったよね?」

「そうだな、深雪。俺も聞き取れなかったが、喋ったということはわかった。 産まれたばかりなのに、言葉を話すなんて、俺達の娘は天才か」


 すみません。前世の記憶があり、転生して欲しいと言われていたし、目を開けると見知らぬ人がいたので、つい思っていた事を言ってしまっただけです。

 そして、転生後の私の名前は前世と同じ葵みたいだ。

 よし、何を言ったかわかってないようだし、普通の赤ちゃんだと思ってもらえるようにしばらくは喋らないように気をつけよう。

 そうすれば、喋ったのが気のせいで、普通の子って思ってもらえるだろう。

 両親に期待させ過ぎるのもあれだし、色んなトラブル巻き込まれたりしても嫌だからな。


 それにしても、私の名前もそうだが、父も母も名前が日本名だし、見た目も父は黒髪に黒目で、母は染めているのか明るめの茶髪に黒目で、二人とも日本人っぽいし、今いるのは病院のようだけど、病室が日本にある病院にありがちな感じなんだけど、ここは本当に異世界なんだろうか?

 それに両親が何を言っているのかわかるし、もしかしたらダメ神様が説明し忘れただけで、異世界言語スキル的なのをつけてくれていたのだろうか?


 などといろいろ考えているうちに眠気が襲ってきて、私はそのまま眠りについた。


 その後も病院にいる医師や看護士も他の妊婦さんや赤ちゃんもみんな日本人っぽいんだけど、またもここが異世界なのか毎日疑問に思うようになっていた。


 そして退院の日になり、父の車で家に帰る事になったのだが、父の車は前世で見慣れた日本の自動車会社の車だった。


 確信した私は、ここ異世界じゃなくって日本じゃねぇか~と心のなかで叫んだ。


 本当は実際に叫びたかったが、両親もいるし、まわりにも人がいるので、普通の赤ちゃんでいることに徹している私は、実際に叫ぶことはしなかった。


 そして、ここが日本であると確信した私は、魔法が使えるようにされていること無限収納があることを思い出す。


 無限収納は異世界でなく、日本であったとしてもバレないように使えば引っ越しなどの時に業者に頼んだりせずに済むし、楽に運べて、お金もかからないから便利だしいいとしても、魔法はバレたら問題にしかならないし、日本というか地球では使えないのが当たり前なのだから人体実験とかもしされたら最悪だ。


 両親と暮らすことになる、今世での家につき、そんなことを考えながらだったので、顔を真っ青にしながら母からおっぱいをもらっていた。


「葵の顔が真っ青だ(よ)」


 そう言いながらパニックになる両親がいるのだが、申し訳なさを感じながらもそのままおっぱいを貰い続けようとする私であった。

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