表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/30

男装令嬢は自習がしたい2

 アレクシアたち三人の共通点は同級生。

 ふと疑問を口にすれば、これは……と解答が得られる。

 それが何度か繰り返すうちに、気がついたら三人で熱心に教えあった。

 新しい視点や、考えかたが見えて、とてもおもしろい。


 こんなに夢中になれるのはなかなかない。

 いつも以上に話したのか喉が乾いたのを感じた。

 それは他の二人も同じだったのか、一度休憩にしようかとマリスが提案する。


「こんなにはかどったのは、初めてかもしれません」


 開いたノートを閉じながらセリカは言う。その表情はとても明るい。

 瞳をきらきらとさせている。

 この自習の間、ノートにたくさんの書き込みをした。


「セリカさんが優秀なのは聞いてたけれど、ほんとうにすごいんだね」


 関心するようにマリスは告げる。

 セリカはそんなことないですよと、照れる。

 その表情は可愛らしくて。


 アレクシアはそんなセリカを見、ほんのりと笑う。

 今こうして話しているときも、ノートに向かう姿も、お互いに勉強を教えあったときも、可愛く見えた。


 自分用に用意していたのがちょうどよかったと、マリスはアレクシアとセリカにお茶を用意してくれた。

 簡素な器にお茶が入れられる。使い捨てできるものだ。


 注がれたお茶からは湯気が上がる。ふんわりとよい香りもしてきた。

 どうぞと渡されて、口をつけた。

 一度に飲むと火傷をしてしまうので、少しずづ。


「おいしいですね、飲みやすくて」

「気に入ってくれたなら、うれしいです」


 この場にはお菓子がないけれど、お茶だけでも十分息抜きになる。

 お茶を飲むことによって、喉がうるおった。

 おかわりもしたくなるがお茶をしにきたわけではないので、飲み終わったらまた勉強を再開する。


 三人とも特別授業を受けているが、三人とも同じ授業を受けているものはあまりない。

 授業では熱心に受けているので、あまり周りを見ることもない。

 今はすぐそばに二人がいるのもあって、勉強する二人を気に留めて見ることができた。


 二人とも真剣な目をして取り組んでいた。

 アレクシアも同様に真剣に取り組んではいるのだが。

 普段の姿とは違う様子を見ることができた。



「今日はありがとうございました」


 二時間ほど自習をした。

 今日はここまでにしようとマリスが告げて自習の時間が終わる。

 個室のため外はどうなってるか気にしなかったが、周囲の雑音がだいぶ小さくなってきているので人はまばらなのだろうと感じる。

 窓から空を見ると日が暮れてきているのか、だいぶ赤い。


 アレクシアはマリスに礼を言う。

 彼はそんなにかしこまらなくてもとは言うが、助かったことは事実。

 セリカもそうですとありがとうと言う。


 荷物を片付けてセリカが先に部屋を出る。

 出る際にもう一度礼を行ってから出ていった。


 時刻的に放課後になるので、いつもの一回りをしていこうとアレクシアは荷物をまとめながら思った。

 勉強に夢中になっていたが、生徒会のおつとめはしないといけない。

 与えられたことはしっかりやらないと思っている。

 真面目である。


 不真面目の代表は、授業をいつも受けない人が脳裏に浮かぶ。

 きちんとやれば放課後に研究室に勉強しなくてもいいと思うのだけど。


「そうだ、アレクス。この前の件だけど――」


 マリスが先日約束だけして、詳しいことを決めずに終わったことを言葉にする。

 博物館に見に行く約束をしていたのだ。

 展示開始前に見られるので楽しみだった。


 約束の日時を決める。

 当然学院が休みの日である。

 休みの日は、とくに用事がなければ寮の部屋で過ごす。

 エリウスは王子として城に戻っている。出なくてもいいのなら行きたくないといつも不満をもらしている。


「その日が楽しみだね」

「そうですね」


 約束できてマリスはうれしそうに言った。

 アレクシアも楽しみなので大きくうなずく。

 まだ少し日にちまで間があるが、楽しみだなとアレクシアは思った。


 自習室を出て、いつもの放課後の見回りをする。

 今日はとくに異常なしだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ