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物語・1

 青空に羽ばたく鳥たちの下方には、無数の島が浮かんでいる。

 色とりどりの個性豊かな城が点在しているその島の下にはまた、空がなくなってしまう所まで飛び上がっても見渡せない程の、広大な土地があった。


 キードルマニ大陸。

 百の国が隣り合わせに繋がっているその地には、魔法という摩訶不思議な力が、各々の国で独自に文化を遂げて根付いていた。

 世界の形は丸いのか、平面なのか、未だに証明されていないことは多い。

 そんな大陸の中心、三光地帯と呼ばれる、三つの季節が流れる国々がある場所に、ドーランという国境の全てを森で覆われた、自然豊かな花咲き誇る王国があった。


 国王の名はゼロライト・バル・ドーラン。

 知性ある賢王で、国民からの支持は厚く、世界と王国の危機が過ぎ去った以降も諸外国との交流や国内の再興にも余念がないことで、さらに人気は高まっていた。


 国王の政を助ける臣下、手足となる騎士、物流経済を回す国民。


 さまざまな人間が働くこの国には、その中でも特に破魔士という職業を知らない人間はいないほど、この国、この世界での立ち位置は騎士の次を担うであろう職があった。

 主な仕事は国内に出没する魔物を退治したり、一般人では出来ない騎士には頼ることのできない仕事を受けたり、軽い雑用など国民の誰かが困っていれば手を差し伸べて助けてくれる――もちろんお金も発生するれっきとした仕事なので、慈善事業ではない――人々の悩みである魔を滅する頼れる戦士達だ。


 日々彼らの手を借りたい人間で溢れているが、溢れすぎて、どこへ、誰へ頼めばいいのか分からなくなることも少なくない。

 そんな人々の為に依頼所として、国民全員からの相談、破魔士への仕事紹介をしている所がドーラン王国でいうところの、「ハーレ・モーレン魔導所」と呼ばれる仲介業を営んでいる事業所だった。


「こんにちは。今日はどのような依頼をお探しですか?」


 そうここは、私、ナナリー・ヘルにとって最高の場所。

次話は来週木曜日更新予定です。

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