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枕の上に 希望の下に(12)

とんぼ返りの傘

俯く花先の日

快晴の匂いを

思い切り

肺に吸い込む

必要な物は揃った

そうやって

勘違いしてしまうくらい

淡い濃淡は続いていた



静かでありながら

朝の虫音

しらばっくれる烏

何処かを見ている

街中で座り込む

少女と同じ目だ

あれに惹かれる

下衆な目をした人間を

人間らしいと言う

気持ち悪いって

声がするが

それは

自分自身へ

言われているのだ

例外なく



とんぼ返りの傘

殴り飛ばされる

微塵の手加減も無く

パンという

球体が潰れる音

待ってたのは

どちらだったか

待っていたのは

どちらだったか



うずくまる姿

横目に歩き出した

まるで存在証明

薄っすら笑う

綺麗に笑う

蟷螂の微笑

命名した物の

標的には

なりたくなかった



右後方から

救急車の音が聞こえる

彼女は

知らぬふりして

駅へと消えた

長い髪は

帽子の中に隠していた

昼間とは

キャラクターが違うのだろう

化粧も違えば

誰かわからない

あれは正義でも

悪でも無い

好奇心に裏付けされた

面白いゲームなのだ



とんぼ返りの傘

始発を待ちながら

明日の為の自由を探す

パンという

電車がやってくる音

待ってたのは

どちらだったか

待っていたのは

どちらだったか


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