蛇足
使用上の注意
蛇足の使用に当たっては、一度本編を読み終えてからの方が適切と考えられるので、まず本編をお読みください。
なお蛇足の「行」は本編の該当行の目安で(作者の数え間違えや書式変更などで)多少前後していても広い心で利用していただければ幸いです。
そしてお知らせですが、この作品に登場する人物、団体、事件などは、実在の物とは関係がありません。また、たまに物理法則を無視する時もありますが、面白さ優先の法則で、これまた広い心で許していただければ幸いです。
★幻影幽霊:全体。
読めば一目瞭然。あの一巻よりも売れたという都市伝説がある、妖精作戦シリーズ『ハレーション・ゴースト』(笹本祐一)と、ほぼ同じ内容です。こういうのをオマージュ? リスペクト? けっしてパクりではありません。いわば池田和美の私家版『ハレーション・ゴースト』といった作品となっております。これだけ原作を宣伝したので、関係者の皆さまには色々なことを見逃していただきたいと、伏してお願い申し上げます。で、怒られたら、もうお蔵入りしかないでしょうね。もちろん元の『ハレーション・ゴースト』は、今作品とは比べるのがおこがましいほどの素晴らしい作品なので、まだ未読の方は書店へ直行して、是非お手に取ってください。
:タイトル
もちろん和美の適当和訳でこんな四文字熟語になりました。
:あらすじ
実は仮面ライダーオー〇と見せかけて、三つと言って四つが並ぶ「這い寄れニャル子さん」ネタだったりします。
:多すぎる登場人物紹介。
本当は今までのレギュラーキャラクターのほとんどが顔出し程度なので、省略してしまっても構わないのですが、新キャラクターだけの紹介もなんだし、いちおう登場する人を入れてみました。
★前編
言葉:スコットランドの貴婦人でルイ一一世が王太子だった頃の正室、マーガレット・スチュワートが臨終の際に口にしたとされる言葉。
●分銅パート
5行:都道での出来事だった。
というわけで元ネタ通り、学校へ戻る途中から話しが始まります
25行:古き良き武蔵野の風景。
清隆学園のモデルにした都立高校の周辺は、いまだに田んぼが多くてビックリするぐらいだ。
41行:清隆学園中等部の制服。
制服は、金八先生とかと同じにしてみました。和美は学ランとセーラー服という制服の中学校だったので、他に思いつく制服がなかったからです。
77行:銀髪の少女。
モデルは、和美が二〇一〇年に大はまりした『エンジェルビーツ』に登場する天使/立花奏。元ネタみたいに古今東西のクリーチャーが入り乱れる話しではないので、ちょっとだけお遊び。
87行:ガチムチのオッサン。
こっちは一番制服姿の美少女とタッグを組むのが変な相手として考えました。全部書いてからレイザーラモンを思い出したあたり(後述)和美が頭が悪い証拠です。
104行:今どきマンガでも稀になったような…。
いえキャラクターとしてですよ。本気でこのファッションを貫いている人たちを卑下するつもりは毛頭ないです。
149行:分銅。
岩が落ちてくるのでは元ネタのまますぎるので「どっすん」というファンタジーゾーンな感じにしてしまいました。
156行:楕円体に羽を持つ不思議生物。
ファンタジーゾーンの自機であるオパオパのこと。ヘビーボムがこういう分銅型のボムなのだ。
181行:舞朝の着信音。
B’zの有名な題名の長い曲。題名うんぬんはオリコンで本当に認定されているそうな。
●夏の課題消化大会パート
3行:大きな消しゴム。
元ネタの通り、主人公に向けて物が飛んでくる。
115行:「わたくしの物ですもの」
愛姫の嗜好は、こういうキャラクターを動かしたことがなかったので、試しに採用してみました。
68行:「な」ではなく「じょ」
もしそうだったら、やはりスタンド使いになっていたのだろうか?
95行:「憑いてる」
叶のキャラクターはラノベによくある「クーデレ」であるので、目新しくない。ので電波系のキャラクターを混ぜてみました。叶が受信して、和紀が騒ぎ立て、結局舞朝が苦労するという人間関係を狙ってみました。
125行:「またオカルトじみたことを…」
直巳は電波系のアンチのために登場。叶がとんでもないことを言っても、科学的に否定する役回り。でも非科学的な和美の作風ではへこむばかり。(えっと、噛ませ犬って言うんでしたっけ?)せめてと思い私服登校という味付けをしてみました。
264行:ヤマト先輩。
和美が学生時代の地学部部長とは似ても似つかぬキャラクター。同期は「ザ・山男」という肉体派な人でした。
269行:アイコ先輩。
こういう実力者が影にいる方が集団というものは纏まる、という考えは、和美の偏見でしょうか? ちなみに、この学年にはもう一人天文部がいた設定になっています。
330行:銀縁眼鏡をかけた真面目そうな男子生徒。
ぼかして表現していますが『正義の三戦士』の一人、権藤正美その人でございます。そして出番はこれだけ。
368行:話題になっていた久我五郎八。
五郎八は『正義の三戦士』が女の子だったら、みたいなプロットを作ったときに不破空楽に相当するキャラクターとして考えました。よって無愛想な剣術家のまんま。せめて色を変えようと道着を着たままにしてみました。
424行:『学園のマドンナ』
昨年に続き佐々木恵美子がそのタイトルを独占しております。そして当人は出番すらない。
454行:ツッコミを入れた。
チョップだったのか、パンチだったのかは不明。また五郎八だけ課題を担当していないのは、この一学期に補習を受けたということが大きな理由になっている。
499行:小石ちゃん。
小石先生は『ヘルシング』の主人公アーカードと、ライバルのアンデルセン神父を足して二で割ったようなキャラクターとして設定。正気の時にも裏に隠された狂気が漏れ出ているような、そんなキャラクターを目指してみました。
●天体観測会パート
全体:
ちゃんと元ネタどおり夜の学校に来ました。
8行:「どっち、さしてんだよ」
星座早見盤で調べればすぐに分かるが、東京の九月一日真夜中に、白鳥座もカシオペア座もちょうど天頂方向に位置する。だが本人は真っすぐ指さしているつもりでも、他人からは見当違いの方向を差していると思われがちだったりする。また観測会の様子は実体験から。
21行:現在時刻を合成された音声で…。
むやみに明かりを点けると、観測者の瞳孔が閉まってしまい、その後の星の観測に支障が出るため、音声で時刻を確認できるアイテムは重宝する。
43行:厳つい山男のような髭面の男。
同期の地学部部長をモデルにしたつもり。
155行:Uranus。
ウラヌスは天王星。どこの高校にもあるような器材で捉えられるギリギリの惑星と思われる。
207行:なにも見えなかった。真っ暗である。
さんざん機材を用意してファインダーを覗き、なにも見えなかったときの落胆さといったら…。しかもその原因がだいだいレンズキャップの外し忘れだったりする。
222行:「ユカっち」
いちおう中等部のほうの天文部の設定まで作りましたが、登場したのは部長の彼女だけ。無駄と感じるか、次回作に応用すればいいと考えればいいのか…
245行:「ハドソンさん」
ヤマト部長が舞朝をハドソンさんと呼ぶのは、有名なシャーロック・ホームズの下宿先の家主マーサ・ハドソンに因んで。
351行:「短筒ではありませんわ」
愛姫の銃「アイリス」の設定は無理だらけを承知。
358行:ディブ・マッカートニー。
彼は、とある有名な狙撃手から絶大な信頼を得ているガンスミスである。その狙撃手の名前はデューク東郷(笑)。主人公以外何度も同じキャラクターが登場しない中で、ディブだけは複数回登場しているキャラクターなのだ。いつもデューク東郷の無茶な注文にこたえている凄腕なのだ。
359行:一〇ミリAUTO弾。
本文を補足すると、拳銃の弾の種類は、打撃力の三八口径と、貫通力の九ミリパラの二つが主流になっています。その二つを良いところ取りした銃弾が一〇ミリAUTO弾。でもこの銃弾を発射するリボルバーはまだ開発されていないので、長々と設定を持つ『アイリス』の登場となりました。弾をこめるシリンダーの強度不足は一〇ミリ径のチタンチューブを挿入して解決しているという裏設定まであります。カートリッジリムの形状の違いはハーフムーンキャップで解決していることにしておいて。
362行:マイク・ファフナー。
架空の人物。ただしビアンキカップという射撃大会は実在する。
364行:コットンマウス。
この名前を持つ毒蛇は実在します。コルトパイソンの成功からリボルバーには蛇の名前をつけるのが定番になっているので、改造キットにもそう名前がついていてもおかしくないかな、と。
365行:バレルガードシステムキット。
本文を補足すると、銃身からシリンダー上部を真っすぐ通り、ハンマーが服に引っかからないようにリアサイトのあたりからグリップ上部まで丸くガードしている設定。これで銃本体の重量が増して、強力な銃弾を発射しても照準がぶれないという理屈。もちろんバレルガード上部がピカティニレールの代わりとなり、ピストルスコープリングを直接装着することも可能。
370行:著者説明放棄。
と書いたにもかかわらず、ここで説明しちゃったよ。銃器となると蘊蓄が長くなるのは、和美の悪い癖ですな。
375行:エアーソフトガンなのであった。
ここまで長々とした設定をつくっておいてエアーソフトガンなのは、やはり法規制の壁が厚いから。天文部のメンバーは全員が厨二病発症者(と、見せかけてじつは本物)という設定なので、実物を持たせることができませんでした。残念。
435行:御門明実。
登場人物紹介に出てきたキャラクターより出番がある。良くさがすと他にも図書室常連組が顔を出しているという、油断ならないことになっているので注意。
483行:到底日本語では表現できない音。
ヤマト部長の溜息は、はたしてどのような音だったのだろうか? 書いている自分がわからない。まあスヌーピーのような感じ?
505行:「あいつら」
もちろん我らが『正義の三戦士』のこと。この話しの裏で何をやっているのか、まだ考えていない。
515行:今年の常連。
今年とわざわざ断っているのは、ここには登場していないが真野天晴という新しいキャラクターが加わっているから。
533行:藤原由美子。
はい。由美子姐さんですよ〜。恐いですね〜。殴り倒されているのは、もちろんツカチンである。
568行:「地震ですね」
ということで、元ネタどおり夜の学校で地震に出くわします。
●地震が終わった後のパート。
129行:「ホウキを放棄」
叶が冗談を口にしたと言っていますが、偶然そう聞こえたというつもり。他にも「質量保存の法則」と言っているのも彼女。その設定を生かせなかったので本文での説明を省きましたが、五郎八が持ち歩いている竹箒には鉛が仕込まれていて、とても重い物ということになっています。これを振って筋力を鍛錬して、打倒剣道部エースを狙っているのだ。
●地学準備室を片付けるパート。
21行:カオス。
はい、校内に戻ってきて散らかっている部屋に行くところまで元ネタのままです。
38行:カップメン。
「Hangry?」といった感じかな?。
185行:「さすがに九人がかりだと…」
散らかった部屋で剥製が動いたら元ネタのままだったのですが、ちょっと変化球にして一人多いという、よくある怪談のようにしました。この多い一人は中等部の制服を着ていたら由美子姐さんが気付くし(だいたい彼女とは直の知り合いだ)銀髪の少女だと目立ちすぎるし、さて誰でしょう? といったところ。和美の設定では第三の幽霊がいるというつもりでした。その幽霊の話しは別の機会に。
●舞朝が夢を見るパート。
50行:夢だと気が付いた。
元ネタのさらに元ネタの「ビューティフル・ドリーマー」にあやかったわけでは無いのですが、唐突に夢の場面。初稿では舞夕の説明が少なすぎたために付けたしたパートなのです。
●朝を迎えて叶の話しを聞くパート。
19行:隣の視聴覚室。
五郎八が登場するパートで隣は美術室と書いてあったはず。視聴覚室は、美術室の反対側のお隣さんなのだ。C棟はD棟から右折して来ると、北側(左手側)に、女子便所、非常口、美術室、美術準備室、地学準備室、地学講義室、教材倉庫、視聴覚室…(以下略)と並んでいる設定なのだ。
48行:未知なる凍てつく荒野。
この後の忘れられた山脈と合わせて、クトゥルー神話に出てくる夢幻境カダスのことか? 厨二ぞろいの天文部では、叶がクトゥルー神話担当。
63行:叶の話し。
有名な、太平洋で遭難して奇跡的に救助された男の話し、と見せかけて小噺になっているというフェイント。
118行:「ナベの中にネギ身が…」
クトゥルー的には「壁の中にネズミが…」といった感じ。
123行:「ああ! マ□ニー! マ□ニー!」
もちろんクトゥルー的には「窓に! 窓に!」である。そして商標などで問題が起きるのが怖い和美は、いちおう記号の四角を使って伏字にしているつもりなのだ。
175行:のっぴきならない事情。
一晩縛られていて、どんな事情が発生したのだろうか?(そらっとぼけ)
●舞朝がまた夢を見るパート。
1行:気が付くと。
ここも後から加えたパート。初稿を読んでくれた友人が「舞朝の片思いの相手って、結局ダレなの?」と質問してきて、そういえばあまりそちらに関する場面が無かったなと反省した結果です。
96行:火の七日間。
どんなことがあったのだろうか? 知り合いの家のネコは、部屋中にマーキングしちゃって、預かった犬どころか、飼い主すら部屋に入れない状態になったとか。
200行:キバヤシさん。
とくにモデルはいません。でもどこの小学校にも、こういったボランティアの方がいらっしゃるような気がするのですが。
280行:段々と痛みを増していた。
新約聖書に死刑の方法として出てくるぐらいだから、人に石を投げるのは止めましょう。
333行:あれ? ネコだっけ?
もちろん夢ですから不条理に入れ替わったりします。そして、この黒猫は夢幻境での椎名叶の写し身でもある。
●教室で地震の事を話題にするパート。
1行:自分の机に突っ伏していた。
元ネタの通り寝不足で翌日の授業に出ています。地震の情報を知るところまで同じ。
52行:地震ソムリエ。
外国人から見れば日本人すべてがそう見えるのかも。
103行:「カズキをからかうのが面白いのかよ」
三人の関係性がそれとなくわかるセリフ。いちおう舞朝は、愛姫が和紀を狙っているんじゃないかと心配している。舞朝一筋と公言している愛姫には、そんな気はないと言いたいところだが、ちょっとくらいはあってもいいかもしれない。愛玩動物レベルで。
149行:「信じていますので」
もちろん、この後に舞朝が落ちそうになる事を知っていての発言である。なんやかんや言っても天文部の一年生たちは、お互いを信頼しあっているのだろう。事前に舞朝に告げなかったのは、それが五分後の世界に必要な事件だったからだろうか。
164行:痩せた少女がそこにいた。
寝不足で外を見ると窓の外に誰かが立っているというプロットまでそのままです。
●ソネットのような夢の断片パート
全体:
思わせぶりな詩であるが、実は最後の一行を除いて、本棚から適当に抜いた本の、さらに適当に開いたページの末尾の単語を並べただけという、インスピレーションよりも神託に頼ったような詩だったりします。
が、読み返してみると、最初の五行が舞夕との思い出。次の四行が舞夕が死んだ後の風景。次の四行は小学校最後に経験した和紀との別れをイメージしているような気もしないでもない。
●地学講義室で心霊写真を見つけるパート。
36行:太陽の黒点観測。
高校の天文部で長く黒点観測を行っているところは、ネット検索しただけでも二、三つ見つけることができます。必要なのは無理のない観測体制です。週末はやらないとか、天候不順ならば素直にあきらめるとか。継続することの方が大事なのです。
78行:白鳥座のアルビレオ。
素人が天体観察を始めるのにはちょうどいい目標である。見つけやすいし、肉眼でも確認できるし、さらに大掛かりな器材でなくても(たとえば双眼鏡など)拡大してみれば、その美しさに感動できる。
89行:「水星を撮ったつもりなんだけど」
ここでは撮影に失敗していますが、水星はかの有名なコペルニクスですら見たことがないという、観測に難しい惑星なのです。ちなみに和美は見たことがあります。(鼻高々)
112行:「愛の天罰、落とさせていただきます」
美少女が徒党を組んで悪と戦うというジャンルを開拓した、美少女戦士セーラームーンに出てくるセーラービーナスが、決めポーズ時に使うセリフの一つ。
114行:クリスタル・チェンジ・ロッド。
変身アイテム。財団Bより発売されていた。
116行:「いまはもう、何もかもが懐かしい」
有名な宇宙戦艦ヤマトの沖田艦長臨終の言葉である。
118行:「悪霊退散」
このセリフは、和美の世代だと「うる星やつら」の登場人物、錯乱坊の姪であるサクラさんが良く言うセリフだが、この場合は上の決めセリフとの関連から、同じセーラームーンの登場人物セーラーマーズの方であろう。(って、和美の歳がバレるじゃん)
120行:「先輩にそっくり」
こっちは、セーラームーンに出てくるセーラージュピターの口癖のようなセリフ。ジュピターだけに惚れっぽい性格ということだった。
125行:「破壊と誕生、沈黙の星」
セーラームーンの中で最後のほうまで登場しなかった、セーラーサターンが自分の守護星をそう表現していた。
131行:「おしおきよ」
もう名言であろう。もう一つの方は変身の掛け声。
139行:「せつなママ」
これはセーラームーンに登場するセーラープルートが、生まれ変わったセーラーサターンに着けられた呼称。
147行:「高校レベルの器材じゃ冥王星は無理だよ」
冥王星を観測するには三〇センチ以上の口径がある望遠鏡でないと無理があるようだ。そんな大きな望遠鏡は普通の高校には置いてない。
351行:スカイフィッシュ。
スカイフィッシュ自体オカルトな存在なのだが。最近の画像解析で、蛾などの昆虫が映り込んだだけではないかと言われている。
360行:五人が五様の態度をみせた。
前かがみになったのが和紀で、微笑んだのが愛姫、眉を上げたのが直巳で、うなずいたのが五郎八。そして距離を取ろうとしたのが舞朝だと推定される。
393行:少女が一人写っていた。
ということで、順番を守って心霊写真を発見になりました。さすがに動画で撮影していたのでは無理があったので、スチール写真にしました。
528行:「犯罪捜査がどんなに楽か」
死者に犯人を訪ねることができたら楽というのは、四月におきた連続殺人で犯人が誰であったか特定するのに苦労したからだろう。そこらへんの話しはまた今度。
589行:美内すずえチック。
やはりガラスの仮面のような感じなのだろうか
623行:どうやらこの二人の間では話しが通じたらしい。
もちろん『五分未来からやってきた時間旅行者』である愛姫は、これから起こる出来事を把握している。五郎八はすべての超能力がちょっとずつ使える超能力者という設定なので、今回は予知能力が働いたのであろう。
★中編
●自転車置き場のパート。
27行:屋根が付いた駐輪場。
自転車置き場のイメージは国際基督教大学附属高等学校から。といっても部外者の立ち入りは厳しく制限されているので分からないと思うけど。
109行:「挨拶は生活の基本です」
最初は「世界が平和になりますように」という某宗教団体っぽい看板だったけど、高校らしく標語を変えました。
158行:声が聞こえてきた。
ちゃんと元ネタに沿って、吸血鬼(のような存在)に登場していただきました。
160行:英詩
直訳
「彼女が私を殺しに来ます。
彼女が私を殺しに来ます。
彼女が私を殺しに来ます。
私が三回言ったことは本当です」
169行:「ユウキナギサ?」
ユウキナギサは誰でもない暴力だけの象徴として設定しました。ですから性別すら表現しないようにしました。本編に出てくるように金属バットが主兵装。副兵装としての投げ鉛筆は、きっと四菱ハイユニ製(ネタ古)
216行:「大成功」「ですわ」
厨二病設定のはずの愛姫が『未来人』という片鱗を覗かせる対ナギサ用の罠が発動した瞬間である。彼女が本物の『未来人』かどうかは定かではない(木枯らし紋次郎のナレーションっぽく)
287行:永劫回帰惑星。
叶が使う単語の端々から、彼女がクトゥルー神話に関係する人物という演出。『這い寄れニャル子さん』以降、宇宙人というとこういったイメージになってしまいました。『ナイハーギー』は和美の造語です。
363行:『五分未来からやって来た時間旅行者』
未来をすべて知っているキャラクターというのは便利すぎ、しかし後述する理由から外すこともできず、苦肉の策。現在という時間の一点からすれば未来も過去も無限に存在するという物理法則の思考実験(でなければ屁理屈)を意識して、五分ぐらいのアドバンテージならばなんとかなるのではないかと、頭が悪いなりに考えてみました。
392行:「いや僕は『異次元人』だけど」
最近、現代日本から剣と魔法の世界へと行く話が多いので、逆に異世界からこちらに首を突っ込む者がいてもおかしくはないかなと。ただ剣と魔法の世界からやって来ていると弱いので、科学が発達した未来世界のようなところからやって来てもらいました。でも「発達した科学は魔法のように見える」とも言うなあ…。
423行:『地球上を…』
徳川埋蔵金を探した某コピーライターが放った言葉。無茶苦茶な理論である。
479行:ボムは二発まで。
和美の仲間内では「ジャレコのシューティング『ゲーム天国』のボム使用は2発まで!」という格言がある。理由はだいたいモモコ一二〇%のせい。
515行:「一番効率が良いのは?」
叶を送るため自転車組は駅前の自転車置き場に駐輪したのだろう。その後、全員で取って返して、歩いて舞朝の家へ行ったと思われる。
546行:(ピー)(ピー)(ピー)
伏せ字には何が入るのかご想像におまかせします。まあ普通はピーが三つだから…。
●下校路パート
43行:将来OLになっても…。
いちおう舞朝の心象としてである。もちろん『五分未来からやって来た時間旅行者』であるから、本人は将来のことで別の職業を考えているのかもしれない。それに高校生というのはこの時間での身分で、五分先ではすでに就職しているのかもしれないし。
214行「偶然にも六人も集まったって?」
和紀は自分の事を入れているが、彼自身は普通の男の子(のはず)である。
●舞朝が火事の夢を見るパート
全体:
舞夕の説明を強化するために追加したパートです。
14行:陣痛が来た。
ということは弟の誕生日が妹の命日なわけだな。
44行:携帯電話を…。
もちろん延焼の恐れもあるので、消防署には通報済みであろう。そしていまは画像を撮っているものと推察できる。
54行:祖母の家が燃えているのだ。
大事なことなので二回言いました。
92行:二階から飛び降りるなんて。
でも高層ビルの火事などで飛び降りちゃう人が出るんだよね。生命の危機に、地上がとても近くに見えるらしい。
175行:「カギ…」
パニックに陥ると、鍵がかかっていないドアですら開けられなくなる。小学生女子である舞朝が鍵を失念していても、責められないであろう。
192行:そして世界が白くなった。
オカルトの世界に迷い込んだのではなく、火事による室内で起きた酸素欠乏状況へ、玄関の扉を開けて空気を補給したことによる爆発的燃焼、フラッシュオーバーが起きたのだ。
194行:黒猫を抱きしめた舞夕。
クマちゃんという名前のネコのヌイグルミだった可能性もあるが、もちろんコレは椎名叶の写し身である。
●舞朝が登校するパート。
7行:小学校に通う弟。
舞夕が遭難した日に生まれた赤ちゃんが育った今である。名前などは考えていないが、亡くなった舞夕から、ユウマとかはどうだろう?
32行:一人で使うには広い部屋。
部屋が広いのは、妹と共同で使う部屋だったから(過去形)
71行:「食パンくわえていかないの?」
果たして、遅刻しそうなとき食パンを咥えて走るというのは、どれが最初なのだろうか? 一番有名なのはヱヴァンゲリオンの綾波レイか?
152行:「『送り狼』ならぬ『迎え狼』」
元ネタ通り吸血鬼の次には狼男(のようなもの。だいぶヘタレだが)
192行:「ナナありがとうな」
もちろん夢の世界でのことである。
●図書室騒乱に巻き込まれるパート。
42行「氷結の魔女」
『ベン・トー』に登場する槍水仙というキャラクターの別称ですな。
153行:なんだか気怠そうにC棟へ足を向ける、一人の男子。
はい、表現はぼかしてありますが、不破空楽登場ですよ。でも最大の特徴である「酒臭い」を封じられると、なんだかまともな男子に見えますね。
277行:一人の女子生徒がこちらを向いて正座をしていた。
ということで、元ネタの通り雪女の登場です。本物の雪女では無くて、清隆学園高等部随一の和風美人の岡花子であるが。
338行:「大胸筋の味を確かめさせてと…」
花子の怒りも尤もだと思うのですが。
430行:なぜか舞朝は二人の会話が気になった。
舞朝が由美子と一年女子の会話に気を取られたのは、幽霊の少女の影響が出ているつもり。
485行:「あのバカとつきあっているわけ?」
相方の酩酊庵酔夢が衝撃を受けたらしい。「あの弘志に彼女ができているなんて」と悲鳴のように言われた。
544行:「ねえさん危ない!」
由美子姐さんに声をかけたのは、もちろん郷見弘志である。
551行:ダッキング。
ボクシングで相手のパンチを避ける方法の一つ。
559行:《大丈夫》
雪女の災害から脱出する方法も元ネタのまま。脱出後にキーパーソンと会話するのも元ネタのまま。
577行:ベンチに座ってテニスコートに振り返っている。
このベンチは、後で弘志がフルートを吹いている場所と同じだったりする。
603行:「あなたたちだったのね」
銀髪の少女が舞朝をさして「あなたたち」や「彼女たち」という複数形の指示代名詞を使い続けるのは、後編で彼女が説明しているとおり。
698行:(同じ顔をしてた)
妹の幽霊だとすれば小学校の時の容姿のままであろうが、それが現在の舞朝に良く似ていた。そのため彼女は不思議に思ったようである。
●地学講義室で説教をくらうパート
1行:その日の放課後である。
ここらへんから話しを纏めるために元ネタから離れています。最後まで元ネタに沿って行けなかったのは残念でした。
40行:「まあまあチナミ」
ヤマト先輩だけ、アイコ先輩のことをアイコとは呼ばずにチナミと呼んでいます。いや、けっして彼女のセリフに「ちなみにね」というフレーズが多いからではありません。ネタは考えてあるんです。
●叶がアンチョコを取り出すパート。
1行:「あーしびれちゃった…」
タイムボカンシリーズですな。
77行:笑顔を強ばらせた愛姫。
彼女は『五分未来』の世界は分かっているが、それ以上の分岐先は分からない。よって、ここでこの危険物が出てくることを知らなかったのかもしれない。それか逆に、この危険物が出てくることによって、分岐する未来が、彼女の『五分未来』では予想がつかない方向へ動く可能性が出てきたのかもしれない。
86行:「間違えなければ安全だから」
概して危険物を扱う者は言うのだよ「間違えなければ安全だから」と。そして人とは間違えるものだよ(池田秀一風)
161行:『ネクロノミコン』
宇宙人=クトゥルーネタという構図なので登場していただきました『ネクロノミコン』。他にも『エイボンの書』『屍食教典儀』『無名祭祀書』『ウ=ス異本』『妖蛆の秘密』『セラエノ断章』『ルルイエ異本』などなど、怪しげな魔導書や幻想書籍がクトゥルー神話にはたくさん登場している。
●降霊会パート
15行:左手を真上に差し上げた。
電波を受信するために叶が左手で上を指差す動作は『もしも学校が…』の主人公レイカンがやっていて印象的だったから真似しました。
140行「ディメイションセーリングテクニック」
直訳すれば「次元を帆走する方法」となる。もちろん和美の造語である
212行:六芒星が完成していた。
歪んだ六芒星なんて、とっても怪しげでしょ。黒魔術で悪魔を降臨させる魔法陣というのが英語サイトに載っていまして、それを六芒星に置き換えました。もしかすると本物にもあるかもしんない。
244行:「ふんぐるい・ふぐるなふ・くぅT…」
その呪文じゃよくてクトゥグア、悪くするとヤマンソが来ちゃう。有名な呪文なので、和紀と愛姫はわかったのであろう。
264行:呪文。
内容は、昨日に舞朝が見た「ソネットのような夢の断片」を英訳したものである。ただし最後の一節だけは変更しました。叶が彼女の夢の世界に触れて、幽霊を引き出すために夢が断片的になったでもいいし、幽霊を夢の迷宮に閉じ込めて出口を魔法陣にだけ開いたでもいいし、取り方は人それぞれでいいと思います。初稿ではここの呪文は、とある楽曲の歌詞を入れていたですが、個人で楽しむ分ならいざしらず、ネットに上げるためにこういう風に変更しました。
●少女の記憶パート
7行:池上透。
ここにしか出てこないが(もちろんわざとだが)幽霊の本名である。『清隆学園の夏休み』収録の『七月の出来事』に登場するキャラクターである。
73行:「エルガーの『愛の挨拶』」
愛の挨拶は、エルガーがプロポーズの時に自身の演奏により贈ったとされる曲である。その判りやすいメロディから室内音楽ではよく演奏されている。
74行:演奏者。
この少年は、中学時代の弘志である。事故から数年経っているのに、いまだ完調ではない。着ているパジャマがダブダブなのは、彼の体が事故前に比べて激痩せしたため。後述で彼女の母親が思い当たらないのは、痩せる前と後では印象が違うため。
93行:縞子さん。
彼女は『清隆学園の三学期』収録の『一月の出来事』にて登場した同名の人物と同じ女性である。詳しくは『一月の出来事』の蛇足にあるが、この話を書いたころは彼女の通うことになる白膏学苑は、都内にある設定だった。白膏学苑は清隆学園のライバル校という設定である。というわけで『一月の出来事』の最後で、縞子さんがお見舞いに行くと言っていた相手も彼女となる。
374行:海へ行こうと誘いがあった。
重複するが、ここら辺に書かれた想い出が『七月の出来事』である。
422行:不器用なサンタの訪問。
ここら辺は『清隆学園の二学期』に収録した『十二月の出来事』参照。
●正門前で襲撃されるパート。
56行:五郎八の姿が消えた。
自称『もののふ』で、ナギサの言うところの『超能力者』である五郎八であるが、設定として本当にESPを使える者としている。イメージとして単能力者ではなく、テレキネシスもテレパシーも使える万能な者としているが、「掲載される雑誌が次々になくなる」(超人ロック)ほどの能力ではなくて「高畑くんを助手にできる」(エスパー魔美)程度と考えている。
これで宇宙人、未来人、異世界人、超能力者が揃って、涼宮ハルヒも満足である。
118行:直巳は愛姫とぶつかってしまった。
地学講義室に戻ってきた愛姫は、この後にあるナギサとの対峙を予め知っていたので、この時に銃の圧力調整や弾の交換をしたと思われる。
148行:ベンチの一つで…。
重複するが、舞朝が銀髪の少女と握手をしたベンチと同じである。
182行:「吹けるのは、これぐらいだけど」
嘘である。『出来事』シリーズの方で色んな楽曲を吹いたはずだ。
266行:砂利道が取り巻いていた。
学校を一周する砂利道は『清隆学園の三学期』収録の『三月の出来事』でも使用した設定。
376行:英詩
和訳
「あの娘が殺しにやってくる。
あの娘が殺しにやってくる。
あの娘が殺しにやってくる。
儂が三度云ったことは本当じゃ」
398行:なにやら拳銃のような物を取り出し…。
直巳の謎メカは、昔の電動プラモに電池不要として用意された「ゼネコン」が元ネタ。『宇宙家族カールビンソン』でもネタとして使われていた。
414行:クローズスカラーウェーブコントローラー。
直訳すると「直接縦電磁波制御器」なんのこっちゃと思うだろうが、簡単に言えば雷発生器である。一一億七千万エルグのエネルギーとは相当なエネルギー量を放出しそうだが、約一キログラムの重さの物体を一メートル動かすほどでしかない。物理的には小さな子供でもできるような仕事だ。だから人間を蒸発させるどころか、どこに充電したエネルギーが消えるかのほうが謎。もちろん直巳が元いた世界と、こちらの世界でのエネルギー単位が違うという可能性はある。
496行:大型トレーラーが爆発を起こした。
大型トレーラーから漏洩した燃料に火が点いて大爆発を起こしているが、じつはありえない。大型車は燃費などの理由でディーゼルエンジンを搭載しており、燃料は軽油となる。軽油は直接火で炙ったぐらいじゃなかなか燃え上がらないのだ。まあ、お話しとして盛り上がらないからのフィクションとしてください。
549行:消火器や屋外消火栓。
なぜか防火設備に詳しい和美なのであった。
576行:「しっかりしなはれや」
図書室常連の松田有紀くん、チラっと登場。
★後編
●叶とナギサの決戦パート
13行:下校路の途中。
前日、みんなで歩いた道である。わざわざ下校路と言っているのは、登校するときはバラバラだからである。
60行:ユウキナギサが口にする英詩。
この呪文のような英語の詩は、池田和美オリジナルのつもり。元ネタとして強いてあげるとしたらミヒャエル・エンデの『スナーク狩り』か。その中でリーダー格のベルマンが「儂が三度云ったことは本当じゃ」と言って、三度ブージャムの襲来を口にしてしまい、彼だけが消え去ることになる。同じようにナギサも四度目の途中で遮られてしまったから、彼女が迎えに来てしまう。
160行:英詩。
和訳
「さあ果物を食べよう、おいしい果物を。
さあ果物を潰して食べよう、
おいしく食べよう。
それが一番おいしい食べ方さ」
もちろん果物とは人間のことで、食べるというのはナギサの言うところの『食べる』である。和美にも作詞の才能あるでしょうか?
283行:『シシオドスの完全球体』
このアイテムは他のクトゥルー神話でいう『ジレルスの結界石』のつもり。
286行:『Ruruhariruの血族』
これは「ルルハリル」という固体名で判るとおり『ティンダロスの猟犬』のつもりである。
302行:叶がアンチョコを見ながら唱える呪文。
ここも降霊会の時の呪文と同じで、とある楽曲の歌詞を使用していたのですが、やはりネットに上げる段階で差し替えしました。内容は最後の段を除いて「AからBを経由してCへ」という文句の繰り返し。で、使用されている単語や、内容にはあまり意味はない。ただ使用されている単語を追っていくと…。
Neil Yacht Apples’core Rocket Lily Arctic Turkey House Okapi Tomato Elephant Parrot Carrot Octopaus Maremmano Ice Nazis Goose Strawberry Orange Onion Neputune.
となり、頭文字だけを読むと「Nyarlathotep Coming Soon」となる。
つまり和美なりの日本語訳(ずばり和美の訳で和訳)をすると「ニャル子さんがもう来るよ」
354行:「ヴェルハディスのごとく」
ハイパーボリア大陸の黒魔術師ヴェルハディスは、ティンダロスの猟犬である「ルルハリル」を使役していたそうな。
401行:「かつて達人と呼ばれた者だけが倒せたと聞くが」
前述の「ルルハリル」は、達人と呼ばれたエノイクラが作り出した万能溶解液で撃退される。
●河原で決着パート
14行:失った自分の半分。
舞朝の失った半身というのは、妹の舞夕のことである。
100行:煤煙のような黒い筋が一条立ちのぼり始めた。
ナギサの跳躍をここで表現することによって、正門から跳んだ五郎八と叶にどうやって追いついたかの説明とする。
139行:「もうルールなんてどうでもいいや」
ナギサは長く守ってきた自分のルールを放棄して舞朝に襲いかかるが、逆にそうだからこそ再び地獄へ送られることにもなった。とはいえ猟犬相手に勝利を手にすることは難しかっただろうが。
170行:まとめて引きちぎった。
あまり和美は陵辱シーンを好まないのですが、殺人鬼がどれだけ暴力的か表現するために、あえて。また舞朝自身の説明のきっかけにもなってる。
222行:ギインという金属音を立てて弾かれた。
この飛んで行ったナギサの牙は、その後どうなったのであろうか。それを拾った浮浪者が殺意に乗っ取られて…。
もう一編ホラーが書けるな。
247行:彼自身も…、殺人鬼であった。
もう一人の殺人鬼の正体は、後で彼自身の言葉に「部屋の片付けの恩義がある」ということから判るように、舞朝に近い大人で、すでに登場している人物ある。彼はナギサのお手本であり、四月の事件でナギサと師弟対決したという裏設定あり。そっちの話しは別の機会に。
260行:銀髪の少女。
和美の作品では
赤い瞳は狂気のシンボル(確認)
また銀色の髪は恐怖のシンボル(確認)
509行:こんなささやかな秘密はもう知っている可能性の方が高かった。
ここでいつの間にか殺人鬼は退場。ふっと消えた表現に成功したかしら? ただの手抜きにみえるかしら?
523行:精一杯両手で広げてカーテンのようにして…。
このカーテンの向こうではどんな事が行われていたのやら。おそらく破られたカーディガンとブラウスを脱がせて…
ジャージを肌に直接着させたのだろう。まだ残暑厳しい季節だから、そのまま重ね着すると熱射病のおそれがあるだろうから。ちなみに舞朝が「ない」のは、過去の全身火傷で脂肪細胞が損傷を受けているため、あまり太ることができないから、というちゃんと医学的考証に基づいていたりする。
555行:幾分か彼が煤けているように見えた。
直巳が大型トレーラーの爆発から逃れた方法は、きっとワープ。(あ、怒らないで)
ほら『異世界人』だから、自由にソコを通ることによって距離や時間を誤魔化せるということで(冷汗)
また、なぜ五郎八を背負う役をやっているのかというと、駐輪場でナギサの鉛筆攻撃から彼を守ってくれたから。
618行:「わたしはタナトス」
タナトスはギリシャ神話で「死を司る神」と、日本に間違って伝えられている存在。本当は「死」そのものの人格化である。多くの戯曲などに登場する。
621行:「シシィの恋人か?」
シシィはオーストリア=ハンガリー帝国の皇后エリーザベト・アマーリエ・オイゲーニエの愛称。その生涯はミュージカル「エリザベート」に描かれるような悲劇的なもの。
ミュージカルの中で彼女はトップ(ドイツ語で死神の意味)に魅了され、最期は史実通りテロリストにナイフのように研いだヤスリで殺害される。
詩人立原道造の作品の中に度々出てくるエリーザベトとは彼女のことである。
642行:「簡単に言うと《こちら》を終えた方を《あちら》へ案内する。そういう仕事をしているわ」
という事で、判っていたと思いますが、タナトスが元ネタの案内人にあたるキャラクターでした。
688行:「あなたが輪廻転生を信じるならば…千年帝国を信じるならば…」
輪廻転生はヒンズー教に見られる死生観。
千年帝国は大工の息子でニートの男が酒場で理屈をこねた結果生じることになった単一宗教の死生観。
じゃあ仏教は? 仏陀は一言も輪廻転生について教えを説いていないという説もある。(まあ当時のインドでは輪廻転生が常識だったからわざわざ説明の必要がなかったということもあろう)
ちなみに和美は「日本の宗教」という宗教の信者。
792行:「自称天使のラモニエルさん」
ラモニエルの名前は初稿ではついてなく、ただ天使と呼称していました。推敲の段階でレイザーラモンHG → ラモン+〇〇エル → ラモニエルと。
うん安直。
815行:「オッサンって呼ばないで。…せめてオジサンと呼んで」
「オッサンって呼ぶな。せめてオジサンと呼べ」とは、予算の少ない冒険活劇『勇者ヨシヒコと魔王の城』に登場する戦士ダンジョーのセリフ。
849行:『美しさ優先の法則』
この法則は、ソードワールドRPGにおいて常識。著作はグループSNE → 脛。
873行:「サーベラスによろしく」
サーベラスとは地獄の番犬ケルベロスの英語読み。
885行:女性のような存在。
ここでラモニエルは本来の姿をチラリと見せている。つまり天使の世界には美しい連中しかいないので、地上の我々とは美の意識にずれが生じているという設定なのです。本来のラモニエルの姿は、まるで乙女のような外見をしているとしておく。
あと一応記しておくが、本来天使には性別はないそうだ。
891行:金属を炙ったような、鼻につく微かな香り。
天使を目撃したと証言した人たちは、口を揃えたように消失した後に、焼けた金属のような香りがしたと記録している。
●エピローグパート
91行:「よう、ひさしぶり」
はたして弘志には彼女が見えていたのだろうか? 彼は災厄と言っていいほどの事故に遭遇してから考え方が普通の人とは別の物に変わってしまっている。おそらく彼は亡くした人を一生忘れないだろうし、そうしないように努力するだろう事を予言してこの蛇足を終了する。