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しばらく公園をふらついてから、大通りに出た。
この時間だと、クラブ帰りの涼子に会えるかも知れない。
あたしは目に付くところのショーウインドウを覗きながら、気が付くと学校に方に歩いていた。
「ちょっと、そこのお美しいお嬢さん」
「えっ、あたしのこと」
反射的にあたしは後ろに振り向いた。
「他に誰がおる」
そこには眼鏡をかけた白髪の易者らしき人が、あたしの方を虫眼鏡を通して見つめている。
「おぬし、かなり強力な災難の相が出ておる。今日もいろいろ災難があったじゃろう。どうじゃな」
「え、どうしてわかるの?」
あたしは図星とばかりにその易者の方に近づいた。
「もう少し詳しく見てしんぜよう。左手をここに」
あたしはズバリ当てられたという恐怖と、好奇心が交差していたが、好奇心が勝ってつい易者の前に手を出してしまった。
易者は虫眼鏡でまじまじとあたしの手を見る。
この時あたしは、手相を見られるってあまり気持ちのいいものではないなぁと思った。
「こっ、これは」
「え、どうしたの」
ドキッとして、つい大声を出してしまった。
「かわいそうじゃが、あなたさんは三日後交通事故に遭われると出ておる」
「えっ、交通事故……」
これを聞いた瞬間、あたしは頭の中が真っ白になった。
「どうじゃな、わしが厄払いの祈祷で……」
「事故、事故……」
もうここまで来ればなにがなんだか訳が分からない。
「お、お客さん」
易者の声も全く耳に入らない。
あたしは無意識に、そのままふらふらと歩き出した。




