080.マズいです
カットしてなかった自分の分のヒレ肉をナイフとフォークで切り分けます。
一口大にカットしたお肉にフォークを刺しました。
おおっ、柔らかいです。
何コレ?
本当に柔らかいです。
この柔らかさ・・・まるで、クリスの・・・いえ、何でもないです。
焼き加減ももうしぶんもなく、塩と胡椒を美味しくなる割合で味付けしてあるので、不味くなる事はありません。
もし不味いのなら、元のお肉が悪かったと言う事です。
前置きはここまでにして、パクリと・・・。
反則的です。
泣きそうです。
涙が出てきそうです。
口いっぱいに旨み成分が広がります。
それも、人工的な旨み成分じゃありません。
『天然物か?』って聞かれたら微妙なとこですが、文句のつけようがありません。
そして・・・頬が弛みます。
ここまで美味しいお肉はそうそうないです。
町のお肉屋さんでは、探すのが難しいレベルです。
いいえ、あるところにはあるでしょう。
このお肉にあった金額を払える顧客がついているお店ならば・・・。
「美味しい・・・」
あっ、ダメです。
これは、マズいです。
いや、味が不味いと言う事じゃなく、いや、味がマズいです。
だから、お肉は、美味しいんです。
美味しすぎるのが不味いんです。
【神の加護:インダス】で出した食べ物ならまだしも、こんなの食べたら、完全食なんか食べれなくなります。
「みんな、食べるのを・・・」
遅かったようです。
「おかわり頼む」
「私もお願~い」
「妾も、妾も」
「マスター、あたいも」
「・・・・・・」
マナも黙ってソッとお皿を出してきました。
ボクがお肉の味に感動してる間に完食したようです。
でも、みんな、良い笑顔です。




