078.噛みっ噛みのセリフたち
「ふ、不潔です」
そう、マナがシンに言い放ちました。
もう少し、言いようが・・・無いとも言うかもしれないですけど、シンに言葉が突き刺さってるじゃないですか。
「お、男同士なんだから、は、は、は、はだっ、は、はにゃきゃ、は、は、裸の付き合いくらい、ふ、普通だし、ぜ、全然、も、も、問題ねぇだろ?」
やましくないなら、噛み噛みの反論は止めましょう。
「男同士なんて余計に不潔です」
余計に怪しまれています。
狩りを終えて、宿屋に戻り、先に汗を流そうとして、お風呂の割り振りを決めている最中の出来事です。
普通に考えれば、ボクとシンの男性陣と、ティコア、クリス、カルキ、マナの女性陣と分けるのが普通でしょう。
だから、シンは、その組み合わせを提案したんです。
ボクもそう思ったんですけど、今の現状を考えるに、口にしなくて良かったと思います。
「なぁ、お嬢~」
泣き顔のライオン・・・めっちゃレアな表情・・・いや、結構見てます。
そんな表情で、泣きついてきました。
「男同士の裸の付き合いなんて、小さい時しか経験した事無いです」
バッサリです。
学校行事で、お風呂に入る時は、特別にお風呂を準備してくれてました。
見た目が見た目なので、男女ともにイヤがられましたからね。
そもそも、ゆゆ着を着てお風呂に入りますしね。
「不潔な上に嘘吐きです。メイドとして、お嬢様のお背中を流すのは当然の事です。その睦まじい状況下にシン様は入ってこようとするのですか?」
シンは小さくなるだけで、反論できないようです。
マナは、ボクと一緒に入るのが前提になっていて、その中に男性が入ってきて欲しくないみたいです。
ボクとしてはゆゆ着を着るし、着て貰う予定なので、男湯でも女湯でも構わないです。
まぁ、ゆゆ着を着ても多少は透ける可能性があるので、シンに見られるのがイヤなのかもしれません。
「妾は、いつも通りご主人様に背中を流して貰うのじゃ」
ボクに視線が集まります。
いや、なに、この良心に突き刺さるような視線は?
「もも、もちろん、ゆ、ゆ、ゆゆ着を着用してるし、そ、そ、そ、そ、その、か、カルキがお風呂に入った事が無いって言ってたから、教えるのに、一緒に入っているだけであって、そ、そ、そんなやましい気持ちなんて、こ、こ、こ、こ、これっぽっちも無かったんだよ」
むちゃくちゃ言い訳がましかったです。
シンの事を言えません。
ペット感覚でお風呂に入れてただけですよ?
本当です。
普通、ドラゴンとか飼ったりしたら、一緒にお風呂に入れてあげますよね?
「私も姉御と一緒に入る」
さも当然のように、ティコアはそう言ってきた。
「ティコアは、シンと付き合いだしたんじゃないの?」
クリスが驚いたように、ティコアに質問しました。
「それはそれ、これはこれだしぃ。シンだって、そんな細かい事言ってこないよ。シンの女って何人いると思ってんの? それに、その女たちも、全員が全員、シンだけに、操を立ててる訳じゃないんだよ。パルダリウム内だけのお遊びだよ。お遊び。リアルでヤったら、どうなるか分かってるよね? パルダリウム内くらい、はっちゃけてもいいじゃん。私は、実際に、そういう経験をした事は無いけど・・・。でも、ちゃんと、相手は選ぶよ」
ティコアは、身持ちが堅いのか、身持ちが悪いのかよく分かりません。
照れ臭くて、こういう行動をしている可能性もあります。
「で、でも、シンがひとりじゃ可哀想じゃない?」
「そう思うんなら、クリスは、シンと一緒に入れば? 私は構わないよ」
そうティコアが言うと、クリスはすぐに首を振って否定した。
そして、うるうるした目で、こう言って、ボクの服の裾を掴みました。
「・・・・・・ま、マスターと一緒が良い」
なんですか?
この可愛い生き物は?
って、本物の生き物じゃないし。
アヴァターラですよ。
アヴァターラ。
それに、ボクソックリなので、自画自賛っぽくて、イヤですけど。
可愛いです。
駄天使のくせにです。
結局、ボクたちと、シンひとりの割り振りになりました。
1時間ほど、お風呂に入って、スッキリしました。
ボクの秘書も、そう言ってるような気がします。
お風呂場の回想シーンか、そのまま、話を進めるか・・・?




