077.改宗
「マスター、レベルの上限リミッターに引っかかったみたい」
クリスのヤツがそんな事を言いやがった。
って、こたぁ、オレやティコアとレベルで並んだだとぉ?
今日、ここに来るまで、レベル2だったヤツが、一度も戦闘もせんでただただ、走っていただけで、レベル50になるなんて、どれだけ効率がいいんだ?
ライバルが全くいねぇ狩り場で、片っ端から、カルキが一撃で倒しまくってたし、レベル50では、倒せねぇはずのネームドモンスターを倒したのも大きいかもしれん。
オレらは、レベルの低い奴らに白い目で見られながら、混みっ混みの狩り場で、数年かけて上げたんだぞ。
これもパルダリウムでレベル上げする人数に比べて狩り場が少な過ぎるのが悪いんだ。
まともな狩り場ってパルダリウム協会公式のパルダリウムしかねぇしな。
モンスター系の擬似生体を発生させるオーナメントを設置すると、普通の生体が駆逐されるんだ、だから、普通の生体の強さと擬似生体の強さとバランスの設定が難しいらしい。
「私もみたいです」
くっ、マナまでかよぉ。
おいおいおいおい、勘弁してくれよぉ。
レベルの上限リミッターがなければオレやティコアもかなりレベルが上がっていたって事か・・・。
「じゃあ、さっさと、上限リミッターを解除しちゃいますね」
って、お嬢は、何簡単に言ってくれるんだ?
ずっとオレは、いや、オレたちは、パルダリウムに籠もって上限リミッターを外す方法を探していたんだぜ。
それでも、見つからなかったんだ。
ティコアもそうだ。
一緒に籠もって探してくれてたんだ。
【神の加護:レベル50リミッター除去】
パッリィィィィィィン
「マスター、ありがとう」
って、【神の加護】かよ!
【神の加護】なんて、初っ端に探してるよ!
いつの間に、【神の加護:レベル50リミッター除去】なんか出来たんだよ!?
パルダリウム協会もたいがいにしとけよ!
【神の加護:レベル50リミッター除去】
パッリィィィィィィン
「お嬢様、ありがとうございますです」
ええいっ、チクショウ!
「お嬢、レベルの上限リミッターを解除出来るのか?」
聞くまでもねぇ事だが、聞いちまったぜ。
これくらい、クリスやマナとのやり取りを見てれば分かるわな。
「はい、見てた通りですよ。手当たり次第に【神の加護】を取得しましたからね。おかげさまで、いろいろと苦労していますけど・・・」
そうだ。
後一言、一言、口に出して、お嬢に、頼むだけだ。
「お、お嬢。お、オレのレベルの上限リミッターを解除して貰えねぇか?」
思いっきり動揺しちまったぜ。
噛みっ噛みっじゃねぇか。
「姉御、あたいもお願いしていい?」
ティコアの事まで気が回っていなかった。
よっぽど、テンパっていたらしい。
ほんとすまねぇ。
ティコアとは付き合いがなげぇからな。
「代わりに、2人とも、そこの牛を倒して貰って良いですか?」
交換条件にもならねぇ。
それは、オレらがお願いしたい事だ。
「ああ、もちろんだとも、こんなに美味しく経験値を稼げる相手はいねぇ。殺ってやるぜ」
「私も」
【神の加護:レベル50リミッター除去】×2
パッリィィィィィィン、パッリィィィィィィン
「お嬢、サンクス。ティコア、いっちょ殺ってやるぞ」
「あいよ。姉御、ありがと。シン、スパッと、逝かせるよ」
良いねぇ。
こうやって、ツーカーで動いてくれる相棒はよぉ。
コイツ、胸さえあれば、最高な女なのによぉ。
違う。
オレが、コイツの評価を落としているだけだ。
この牛も、たぶん、胸が大きいだけで、お嬢にとてつもない敵対心を向けられている。
女神なんだけど、きっと悪魔だなんかだとか思われてるんだろうな。
たかが胸でよぉ・・・。
ああ、そう言う事か。
オレは照れ臭かったのか。
照れ臭くて、ティコアの唯一の欠点・・・お嬢には長所としか見えないだろうが、それを突いていたのか。
いまさら、分かったところで・・・。
「おうよ」
とりあえずは、コイツを倒してからだ。
「(相談事をしてると思っていましたら、いきなり3人でヤって、イかせるなんて、ああ、子供が産まれたら、ギルガメッシュと名付けて下さいね)」
殺る気になって牛が俺に向かって走ってきた。
目が血走ってて、ちょっと怖いが・・・。
「突っ込んできた。ティコア、オレが食い止める・・・」
言う前に、いつものポジションついて、オレに向かって走ってきている。
そして、オレの腰を踏み台にして、天高く飛び上がった。
ドンッ
エクスカリバーで、牛の突進を受け止めた。
これで、勢いは止まった。
ザシュッ
天高く飛び上がったティコアが落下速度を味方に付けて、牛の首を一刀両断。
って、二刀両断か。
オレは、エクスカリバーを投げ出して、攻撃の後、バランスを崩したティコアをお姫さま抱っこをした。
「ティコア、オレの女になってくれ」
思わず、言っちまった。
冷静に周りを見てみると、お嬢はニヤニヤしてるし、クリスとマナは両手で口を隠しながら、顔を真っ赤にしていた。
カルキは、興味なさそうだった。
ティコアは、目に涙を浮かべてた。
「はい」
オレの首に抱き付いて来た。
やっぱり、胸が無いなぁ・・・。
でも、照れ隠しで、一番大事なモノを無くすとこだった。
これから、お嬢の言う事を聞いて改宗しよう。
巨乳派から貧乳派に・・・。
そのためには・・・お嬢を教祖とした貧乳教でも立ち上げるか。
まずは形からだな。




